強襲揚陸艦エセックス横須賀入港

Blueforce2008-08-09

朝、代々木公園に散歩に行ったら・・・

オヤ?どこかで見たことのあるモンテクリストの307CCが・・・wwww 偶然に、ご近所のp307cc2000さんがみかんちゃんの散歩に来ていた。ドッグランで、柵ごしに話し込んでしまい、ここで若干予定が狂うw
本日は佐世保より来航する強襲揚陸艦エセックスUSS Essex LHD-2を撮影するために、正午に村本海事さんの船着き場に出頭しなければならない。最近すっかり休日は寝坊になってしまった私としては異例の0700過ぎ起きで散歩に出てきたのに、一度家に帰って水浴びたりしたらダダ遅れになってしまって、受付に着いたのが出航20分前・・・もちろん、すでに駐車場はいっぱいで、荷物はまとめていないし乗船手続きやらなんやらを考えるとギリギリ・・・というかすでにアウト!の時間である。困った・・・なんとか事務所の人が近くに1台分スペースを用意してくれて、急いで機材を用意してなんとかセーフ!
本日は当分遣隊と、新散財日記の合同作戦となる。先日の寄船以来の茶氏と、氏のおフネ友達の二方はすでに余裕で乗船手続き済み。佐世保での瀬川汽船の渡船とまったく同じ進行で、船は私を乗せた途端に出港〜
夏のレジャーシーズン、それも土曜とあって渡船の寄る各防波堤は結構な人出だが、1200から釣りに出かけるバカタレはいない。船着き場を出る時は客は我々釣り竿を持たない3人のみ、船内の窓から沖を見ていると・・・
軽空母らしき艦影が見える。なんだあれ? といっても、ミンスクが来たのでなければwwww可能性としては公試を行っているひゅうがしかない。しかし、ひゅうがはさっき幸浦線からMUにいたのを確かに見たぞ、それから30分位で出てきたのか?しかし、向きが明らかに浦賀水道航路を北航だ。だいたい土日に公試やるか〜?
同行の人間が「ああ、ひゅうがですね」というので、まあ・・・オレが見間違えたのかなあ、確かにモノコックのマストに見えたけど、と思っていたら、
「あ。エセックスだ」
おいおい!エセックスはまだ・・・浦賀水道航路南口入航時刻が1340だから、撮影できる時間は1430位になるはず、どうやってもこんな所にいるわけが・・・でも、確かにエセックスだ。まあ、止まっているようだし、理由はどうあれ、間に合って良かった・・・と思ったら、危惧していたように航路の真ん中にいるようで、遅々とであるが動いている。おい間に合わねえぞ!
船というのは、何度も言うが本当に(特に自分の利害に直結するシチュエーションの時は)速い。あのままのペースで来られたら、本日の目的地、赤灯に着くまでに前を通り過ぎてしまう。それでは、この船に乗った意味が、乗った意味がないのだ〜!
そこからはまさに秒単位の闘い、しかしそういう時に限り、各堤防のピックアップポイントには堤防間を移動する釣り客が鈴なりで乗船を待っており、各駅停車で移動・・・ついにエセックスは取り舵回頭を始めてしまった。今が一番いいアングルなのに〜! 早く〜!早くしてくれ〜マジでマジで!
赤灯への上陸は、他のポイントと違って喫水に引っかかるためか船首からとなる。到着が近付くと事前に操縦室の後ろに陣取ってすぐに乗り移れるようにするのだが、ここがまた狭くて。機材を両手に山のように持っている身では体をよじるようにして通り抜ければならないゆえ、急いでいなくてもカメラをそこら中にゴツゴツ当てて操縦席の横を抜けていくのだが、今回は、今回は・・・本当に一刻を争う事態! 機材に気など使っていられない。しかも同行の人間の中に約1名手負いの者がwwww 三脚があちこちにガンガン当たる音が・・・何かをぶっ壊しているような、いやそれとも三脚がぶっ壊れたのか!?
とにかく、降りて!そして上の雛壇への階段登って!しかし、ここに先客の立てかけた釣り竿が何本も横たわっており、踏まないように気を使って、しかも両手いっぱいの機材をその幅以下の手すりに当たらないよう半ば横歩き・・・もうずっとサーカスのようなことをやっている。オイここに釣り竿置くな〜! 全身から汗が噴き出している、まるで頭からシャワーを浴びたような・・・という形容が陳腐に思えるほど・・・そう私自身がシャワーになっているのだ。まるで人間シャワー。しかし吹き出しているのは水ではなく汗なのだから、気持ち悪いことこの上ない。
もう三脚を立てる時間もない!? だいたい、まだカードに入っているデータを消去していないのだ、レンズだって、赤灯に来てから1時間何もすることがないので暇つぶしにクリーニングしようと思って、前玉が汚れたまんま。とにかく、慌てて三脚だけは足を伸ばして(もうテンパリ過ぎて手が震えている)、まず第1弾ロケット、単焦点の400mmをつけてファインダーを覗いたら・・・すでに入りきれなくなっていたorz

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一番描写性能のいい単焦点が、持ってきたのに何の意味もないお荷物になってしまった。まさか100-400mmで撮り始めることになるとは・・・まあ、それでもなんとか最悪の事態は免れたし、1日2便(土日は3便)しかない渡船の時刻にまあ合わせてくれたといえば合わせてくれたのかなーという気も。目の前では露払いの巡視艇が、「大形空母(筆者注・激wwwww)が通りますので航路を空けて下さい!止まらないで下さい!」と遊漁船やプレジャーボートに怒鳴っている。大形空母ってアンタ・・・空母でもないし、空母にしたらミッドウェイ級よりも小さいし*1まあ、アナウンスでいちいち「小形の空母相当の艦が通ります」とは言えんわな(爆笑!)
横須賀入港艦艇は、浦賀水道航路東側の北航路を北西に向かって上がってきて、中央第5灯標をクリアしたあと回り込むようにして270度に針路を取って入ってくる。赤灯(今回は渡船の中からだったが)から見ていると、ほとんど行き過ぎるのではないか?と思うほど一度北に上がって行くように見えるから注意が必要だ。まあ、それも私が赤灯での東西南北をかなり、反時計回りに90度近くずれて認識しているからなおさらそう見えるのだが・・・この針路だと、400mm以上のレンズでまず(午後)順光の左舷を撮り、回頭して正面形、そして右舷を間近に見る今回のようなアングルに順次移行する。
ちなみに、第三海堡の浚渫工事終了に伴って、中央第4・5灯標間の航路横断禁止や航行制限が撤廃されたとのことで、(比較的)小形艦艇だと第4灯標から回り込んで早めに正面がちに入ってくる艦艇もいるからご注意のこと。

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しかし、昨年12月の韓国艦隊出港の時はどこを撮っても真っ黒になったので、今回も光線はどうなのかなー、と、前夜海図を眺めながら死ぬほど迷ったのだが、この季節は読み通り(もちろん基本的に北側から南を向いて撮るのだからド順光にはならないが)まあ使える光線状態のようだ。
エセックスは、ワスプ級の2番艦として1992年10月就役、2000年より前任のタラワ級3番艦のベロー・ウッドBelleau Wood LHA-3の後を継いで佐世保を母港としている。佐世保に司令部を置く第1水陸両用群・第11水陸両用戦隊最大の揚陸艦で、先日紹介したドック形輸送揚陸艦、ハーパーズ・フェリーの親玉的存在である。うちの佐世保所属揚陸艦艇のレパートリーも、最近順調に増えてきているのは嬉しい限り。

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ほぼ真横まで移動。ここまで来るともう100mmでも入らない。
エセックスは、先日の佐世保では見ることができなかった。一度、今回のように横須賀に入ったのを同じく渡船から撮ったことがあったが、とてもお見せできるような仕上がりではないうえ、まだ日記もPhotoが小さい頃のものなので、今回の収穫はかなり嬉しい。やはり艦は駅撮りではなく、沖の姿を撮らなければ・・・
さすがに自称軍艦通wとしてはここまで近付けばひゅうがと見間違うわけはないけれど、言い訳をするわけではないが確かに最初に見たときの遠景でのシルエットは、ひゅうがとまったく見分けがつかなかった(さすがにおおすみ型では区別ができるのではないかと思う)。そう考えると、やはりひゅうがを「護衛艦」と言い張るのは無理があるのではないかと・・・また、逆に考えれば、ひゅうががハリアーを搭載したり艦尾にウエルデッキがあってLCACが出てきてもあまり違和感がないことになる・・・ミストラルもそうだけど、全通甲板を持つ強襲揚陸艦というのは、本当軽空母との線引きは曖昧なものだわね〜。

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アイランドのアップ。知っていたことだが、意外にピラミッド形をしているもんである。特に前面はまるで階段のように少しずつ高くなっており、その段一つ一つに、一番前からRAM、シースパロー、ファランクスと近接防御兵器が2種類!どんだけ積んでんだよあんたwwww 見えにくいが、艦橋の直前にあるファランクスはなぜか銃身が真上を向いている。ファランクスの前にある、動物の爪?のような微妙な曲線を描く板のようなものはシースパロー発射時のブラストデフレクタ。デフレクタはRAMのランチャーの直後にも設置されている。

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煙突は、蒸気タービン艦であるから小ぶりで、ハルナンバーの部分とその後部マスト直前の高くなっている部分に2基。ワスプ級は建造中の8番艦マキン・アイランドMakin Island LHD-8より主機がガスタービンエンジンに変更されるが、これによってアイランドの構成がどのように変わるのかは現時点では不明。
マストに揚げられた旗は、4連のものがエセックスコールサインを現す「N」+「E」+「S」+「X」、また水先人の乗船を現す回答旗と「H」、また仕向地(横須賀港入港)を現す第1代表旗+「P」を掲げている。

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取り舵回頭して横須賀本港に進んでいく。それにしても、先日のグリッドレイじゃないけどこの艦も右に傾いてるな〜。回頭中だからかな?
当艦が属するワスプ級は、艦内に揚陸艇を収容するウエルドックを持つ最初のドック形強襲揚陸艦、タラワ級5隻に続いて1989年から建造が始まった世界最大の揚陸艦艇で、タラワ級と異なり当初からLCACの運用を想定して設計されたためLCACの搭載隻数は3隻(タラワ級は1隻)、空母としての用法の場合はハリアーを10機程度搭載できる。揚陸艦艇の枠を超えて、限りなく軽空母に近い存在である。だからひゅうがと間違えるのも無理ないかガハハ(爆)
しかし、いつも思うことなのだが、このドック形強襲揚陸艦というのはまるで手品・・・艦尾に、あの大きなLCACが3隻も入る空洞があって、さらにその上には航空機用のハンガーデッキが・・・しかも、主機や減速装置、軸も、居住区だって武器庫だってどこかに収容しなければならない。右舷艦尾直前にはハンガーデッキの舷側エレベータがあるが、その開口部と艦尾ウエルデッキ開口部の位置関係を見てください、まさに板子一枚の関係!! どうしたらこんなものが設計できるんだろう・・・
で・・・

着いて、15分ほどですべて終わってしまいました。

エセックス撮影時にはそこそこ天気も良かったのだが、夕方から雷雨との予報通り、いつしか一面の雲が広がり、イヤ〜な雰囲気に。当初は4時間という長丁場の中ほどに撮影がある予定だったのだが、配分が狂ってしまい3時間半以上を男3人(下には釣りのおじさんが何人もいるけど・・・ああもっとすごいウホッに!!wwww)、絶海の孤島でウホッ!する羽目になってしまった。しかも、土曜とあっては自衛艦もアメちゃんもほとんど動きは期待できない。いくら浦賀水道航路の方向を眺めても何もなし・・・メシは食っちまったし持参の茶(あ、人名ではありませんw)はあらかた飲み干してしまったし、バカメールなど打って過ごすが、それでもやることネェ〜!

それでも、九州の苅田工場から日産の車やパーツを運んでくる異色のRORO船、九州急行フェリーのみやこ丸が追浜に入港するので目の前を通っていったりと、それなりの収穫もあり。

そして、観音崎の方から遠く軍艦然としたシルエットのフネが・・・掃海艦つしまMSO302(掃海隊群第51掃海隊・横須賀)が船越に入港。

続いて、掃海艦やえやまMSO301(掃海隊群第51掃海隊・横須賀)もやってきた。結局、エセックス以外の灰色のおフネはこの2隻のみ。

巡視艇はもちろん何隻か見たが、近くを通ったのはこの「ゆうづき」PC80ぐらい。
天気はどんどん悪くなって行き、島流しの身で「内地」を眺めてみれば、もう降っているのではないかと思えるほど空が真っ黒である。1600まで降らずに持ってくれるのだろうか・・・赤灯は、以前紹介したように下に降りればかつての有人灯台部分の屋根付きの部屋があるからいいが、機材満載で船に乗り移らなければならないのに、土砂降りになられたら終わりだし、だいたいここに落雷したら我々どうなるのだろうか!? そうこうするうちに遠くから雷の音も聞こえだした。16時近くになると、かすかに頬に水滴が当たるようになってきた。もう行きと同じ秒単位の争いだ。

やっと迎えに来た。なんとか雨が降り出す前に脱出成功。行きも早く早くと気を使ってくれた操縦のおじさんが、「いいの獲れた?」ええ、おかげさまでギリギリですけど、なんとか撮れました・・・

前回の韓国艦隊撮影時とは対照的な重い曇り空、それでもすでに周囲ではゴロゴロ鳴っているのに、なんとか持ってくれたのはやはり運がいいのだろうか。土日はこの赤灯のみ泊まりが可なのと、日帰りでも夜釣りができるよう2030発の便があるため、まだ残っている客が何人か見える。下の部分にはテントも張ってあったそうだから、今日は泊まりなんだろう。

途中の防波堤では夜釣りはできないので、往路に全員ピックアップ済みのため帰りはノンストップ。さよなら赤灯、お世話になりました〜! また近日中に?来ますんでヨロピク。

本日、釣り船の「本筋」のお客、太公望連中の釣果。事務所前では、早速魚用のスケールを持ち出して体長と重さの測定、釣り上げた人が持っての記念撮影と大賑わいだが、ヘッヘッヘッ、あんた達は知らねえ(興味もねえ!?)だろうけど、今日は我々が一番でっかいの釣り上げたもんね〜、なんたって体長257m、体重は4万tだぜ・・・wwww

死ぬほど暑かったけど、充実した一日の終わりは、真っ暗になった代々木公園での散歩と、職安通りシディークの外テーブルでのキーマカレー

*1:もちろん、揚陸艦としては世界最大、破格の大きさです