山梨大周遊ドライブ

307CC at Ueno dam

観音崎に行くかどうかで一悶着あった土曜だが、久しぶりに同居人もライブがないことだし、東京はあまり天気が良くないようだが甲信越の方に行けば晴れるようなので、そちらの方面に遠出することに。
といっても、当初は清里に行きたかったのだが、予報がこちらは一日曇り。それなら軽井沢を経由して草津に行こうか、となったものの、出るのがなんだかんだで0800になってしまい、高速の深夜早朝割引適用外になってしまったので、高速使わず行けて楽しい所・・・まず秩父方面に行ってそれから考えようとなった。
セコイ話だが、なまじETCで割引がきくようになると、アテのないレジャーの場合、適用できるかどうかで行き先が変わったり、極端な話行くのをやめてしまったりする。本末転倒で良くないとは思うのだが・・・そういうときは、秩父方面は高速には乗れないのだから自分に対しても言い訳が立ち、見所もそれなりにあるので便利。ここ数年は墓参以外であまり足を伸ばしたことがなかったのだが、ETCがついたこれからは(ネガティブな動機ではあるが)なにかと通うことが多くなりそう。
もちろん、例年中津川林道経由で飯盛山登山に行ったりしている私が、秩父ごとき(失礼)を最終目的地にするわけがない。ここまで所要2時間ですでに1000だが、ここから軽井沢・草津か、清里か夢が広がるのである。まさに信濃の国へのゲートウェイ秩父。平成の秩父事件の主役は307CCだ! 途中で本降りになってしまった雨も、正丸トンネルを出たら回復して日も差すようになってきた。芦ヶ久保の道の駅で休憩し、やっと屋根を開けて、299号を志賀坂峠越えで上野村へ。しかし・・・ここまでで車はすでにドロドロ。

春先の横川・軽井沢ドライブの帰りに通った以来の奥秩父だが、前回発見した高い吊り橋を渡ってみようということで、寄ってみた。ここは「天空回廊 スカイブリッジ」谷にかかる長さ225m、最高地点での高さ90mという歩行者専用の吊り橋である。

両側にキャンプ場や遊戯施設、食事どころがある場所を結ぶようにかかっている橋は、通行料往復で100円。まさに天空にかかるような高さに上がるまでは、国道からは10分ほど山道を走らなければならないのだが、ちゃとした食事もできるし、関東一に鍾乳洞と言われる天然記念物の不二洞もあるので、わざわざ時間をかけて立ち寄る価値あり。吊り橋の中央は・・・マジでヤバイです。うちの同居人はすぐ泣くのだが(結婚した当初、私の顔が怖いと行って泣いたことがあった・・・いやこれマジ)、今回も行きで泣いて、帰りで泣いてと忙しい。高所恐怖症の方にはお勧めしません。

ふうこは下が見えていないのか、涼しい顔をして渡り切りました。ちなみに、車を入れて橋と記念写真を撮りたい時は、東京から行って奥側、上野村で観光名所に振っている番号「4」の看板がある入口からこの写真の不二洞側に上がること。我々は手前の「まほーばの森」側に上がってしまったので、ふうこ号との写真は撮れなかった。

下に降りて、299号から見上げるとこんな感じ。さて、先を急ごう。今日は前回訪れた「慰霊の園」も通過して、昔と違い今は大変走りやすい299号をあっという間に下仁田へ向かう白井の分岐まで来たが、ここから軽井沢に向かうべく北上し、もう少しで突然現れるあの超絶隧道、湯の沢トンネルというところで、霧が出始めてすっかり天気が悪くなってしまった。多分この一帯だけなのかも知れないが、すでに時刻も1300を過ぎ、これから軽井沢・草津はさすがにきつかろう、真っ暗な湯畑を歩いても面白くないし、今日はやはり清里に・・・ということでUターン。しかし、県道124号、ぶどう峠越えを走っている最中、御巣鷹山への分岐の所で、以前から山頂まで行ってみたいとは思っていたので、どこまで車で入れるのか偵察してみることに。
白井の分岐には、御巣鷹登山道入口までは19kmとある。行って帰って1時間だが、途中までは2005年に完成した上野ダムの付け替え道路として真新しいトンネルが続く道となっており、険しくはないのでご安心を(307CCでも余裕)。

長い直線のトンネルの途中に、上野ダムの築堤がある。ダム上を歩いて湖の対岸まで行くことができ、吊り橋に続いて下を覗いて肝を冷やすことができるが、ただでさえ訪れる人が少ないドン詰まりの国道からさらに脇道を走って行き着くところだけに、訪れる人もほとんどおらず資料館、売店の類は一切ない。自動販売機1台ない。これから訪れる場所が場所だけに、この人気のなさは若干背筋に冷たいものが流れる。

しかし、初めて訪れた同居人曰く、「上野村って、こんな不便で誰も来なさそうな所(大変失礼! いやでも、確かに東京からは秘境のようなところなんですよ)なのに、立派な観光施設とかやたらとあるよね」と言うのに、言われてみれば確かにそうだな〜・・・という気も。ハコ物、と言うには、妙に過剰なような気がするのだ。まあこれ以上正直に書くとまた問題発言なのでこの位にしておくが・・・このダムサイトも、新しいせいもあるのだが妙に立派で、湖面には凝ったモニュメントもあり、それがまたいっそう異次元感を醸し出す。

真新しいトンネルは途中で終わり、後は舗装はされているもののクネクネが続く林道となる。さらに15分ほど走って、どこまで続くんだよ・・・本当に終わりがあるのか? まさかこのまま・・・など不謹慎なことを考えていると、突然駐車場と小屋がある小さな広場が出現。ここからは登山道となる。

訪れたときは駐車場はちょうどJALの、恐らく新入社員研修と思われる観光バス数台と若い男ばかりの団体でいっぱいだった。山から下りてきたばかりらしく、便所の水道で汗まみれの顔を洗ったりしている。ここからどの位かかるのか聞いてみたところ、片道40分ほどとのこと。皆Gパンやジャージにスニーカーという出で立ちで、ザックもなく本格的な登山装備は必要ないことがわかった。しかし、こちらは雨具もなく、いくらなんでもこういう舐めた考えで山に登るのが一番危ない。そもそも、遊び気分で来る所ではないし、今回はここで引き返すことにした。

登山道のとりかかりには、記帳の紙と貸し出しの杖が備え付けられている。地図で見たところ、昔乗っていたバイクやレンジでは良く通った中津川林道三国峠からは2kmほどしかない距離である。こんな山奥に落ちて、墜落当初はかなりの生存者がいたと聞く。・・・さぞや無念であったことだろう。合掌。

さて、ここからはピストンの来た道を、県道124号まで出て左折、ぶどう峠を目指す。東京から高速を使わずに奥秩父経由で清里・野辺山を目指す場合、北から順に国道254号、田口峠、国道299号十石峠、ぶどう峠、三国峠と5本の道があるが、R254とぶどう峠以外はダート。RVならどこでも良いが、307CCになってしまった現在、北に遠回りで清里行くには使えない254号以外はぶどう峠しか選択肢はない。以前、GTOに乗っていた時もこの道には何度となくお世話になった。

峠の石碑は地元の大物、故福田赳夫氏の揮毫によるもの。路面は良いのだが、幅の狭い超急カーブの連続で初心者にはちょっときついかもしれない。また、東の群馬側はどんより曇りで時折深い霧も出ることが多いのに対し、峠を越えて降りて行くと雲ひとつ無い晴天になることも良くある。

下りたところは長野県、北相木村。このまま国道141号へ素直に出てもいいのだが、若干遠回りになるので、途中で左折し、馬越(まごえ)峠を越えて川上犬で有名な川上村へ。ここまで志賀坂、ぶどうと2つの急峻な峠を越え、3個目もきつい・・・いくら峠で揺られても涼しい顔のはずの同居人とふうこもさすがにゲンナリ

降りたところは、三国峠越えや大弛峠越えの時に里に降りてトイレ休憩する、村役場隣接の「森の交流館」のすぐ横。もう三国峠・大弛峠方面から降りてくることは再びRVに乗るまでないし、ここで飼育されている川上犬を久しぶりに見ていきたかったのだが、今日は時間もないしパス。
森の交流館や川上犬については本館の旅行記
http://homepage.mac.com/izunton/BlueforceFiles/2004gw.html
でも触れていますのでご覧下さい。
秩父以来、ここまでまともなコンビニもほとんどなく、おにぎり一個買う所がなかったので、フードコートもある大きなスーパーでうどんの昼食、1630になってやっと野辺山に到着。

ここも毎度写真を撮るJR最高標高地点(「鉄道」最高地点ではない)で、307CCでは初訪問なのでせっかくだからと記念撮影。

本日の最終目的地、清泉寮に着いた時には、すでに1700前になろうとしていたが、以前からここのハイキングコースを歩いてみたかったので、まだ日も高いし小1時間ほど散歩することにした。

ウッドチップが敷き詰められて森の中を歩くのが気持のいい「富士山とせせらぎの小径」。1周約1.3kmで、この他にもいくつかのコースがあり、一番外周を回るコースだと約7km、渓流歩きも楽しめる。いつも清里というと途中の寄り道が長かったり、飯盛山の方に行ってしまうので、今度は真面目に午前中到着で歩いてみよう。

牧草地の真ん中を横切る散歩道を歩く。お店もあらかた閉まってしまったこんな遅い時刻の散歩だが、歩いている人も誰もおらず、静かな異次元感覚の高原の雰囲気が楽しめた。陽の長いこの季節、天気のいい日に訪れた人だけに与えられる特権。厚い雲に隠れていた八ヶ岳も、散歩の途中でちょっと顔を見せてくれた。本当は昨日の日記に書いたように、盛岡、小岩井に行って散歩したかったのだが、ずっと近く、お金もかからない清里でも小岩井と変わらない景色が楽しめる。

宿泊施設もある清泉寮の本館の前で。この時点で1800過ぎ、本日の珍道中もこれにて終了〜

夕食は国道141号を清里からちょっと須玉方面に下った右側にあるほうとう専門店、小作で。山梨一帯に展開するチェーン店だが、ここ清里店は民家調の雰囲気もいいし、肝心の味も良し。店内は見てのとおり超巨大で、よほどのピーク時でない限り待たされることはない。

本日頂いたのは鴨肉ほうとう1,500円也。この他猪肉や熊肉、果てはすっぽんほうとう、またそれ以上に勇気がなくて食べられない小豆ほうとうというのもある。これ、巨大な麺入りしるこに見えるのだが・・・とにかく、ほうとうは各品とも具がたっぷりで、大食いの人でもノーマル盛りで大満足。てゆーか、いくら食ってもなくならない・・・
本日は涼しく、高原ということもありほとんど汗もかかなかった。帰りは温泉に入るつもりなのだが、汗かきの私にしてはなんか損した感じ・・・と思っていたら、ほうとう食って大汗かいた。これなら風呂に入り甲斐もあろうというもの。須玉ICから中央道に乗り、甲府南で降りてお目当ての温泉を目指す・・・そう、先日入った「ゆらり」。
またですか!? 自分でも呆れるが、秩父、群馬まで行っておきながら河口湖にわざわざ寄るほど秀逸な立ち寄り湯なのだ。ほとんど山梨県の外周をなぞるようにして4分の3周。家を出た時点でまさかこんな大ドライブになるとは・・・スケジュールが全体的に押したおかげで、ゆらりに着いたのは2100、閉館まで1時間しかない。普通なら風呂に入るのに1時間あれば充分だろうが、今日はこんな遅い時間にもかかわらず妙に混んでおり、なかなか五右衛門風呂も空かない・・・ずっと後ろで順番待ちして、やっと入ることができた。15分ほどゆっくりと、空を見ながら今日も軽〜く意識を失いながら幸せな一日のしめくくり。
本日はまさにBlueforceドライブの真骨頂、なんだかよくわからない行き当たりばったりの行程で、ガソリンの無駄遣いと叱られそうだが、久しぶりの奥秩父が満喫できて、山奥マニアの私としては大満足の1日であった。ワインディングあり、清泉寮の散歩ではふうこも楽しそうに歩いていたし、五右衛門風呂もゆっくり入れたし、言うことなしの週末。本日の走行距離は436km、平均速度は45km/h、また、家に帰り着く直前についに走行7,000kmを突破。ちょうど4カ月での達成であるから、年2万1,000kmペースである。突出させる原因、イレギュラーである岩国行きの2,000kmを引いても5,000km、年1万5,000kmとなる。ま、最近は乗りつぶしと覚悟を決め開き直ってきましたが・・・