ラングレイ訪問記

Langley Air Force Base VA

バージニア州ラングレイ空軍基地といえば、かつてTAC*1と言われた戦術航空軍団の司令部が置かれた戦術機部隊の総本山、現在もTACと戦略航空軍団、SAC*2が統合して発足した戦闘部隊コマンド航空戦闘軍団ACC*3の司令部が置かれるアメリカ空軍でもっとも重要な基地の一つである。 同基地に駐留する第1戦闘航空団は第1というだけあって空軍NO1の伝統と格式を誇り、現在は最新鋭のステルス戦闘機、F/A-22ラプターの配備が進められている。
ありがちなことだが、ラングレイと言うだけあって、ずっとワシントンDC郊外、CIAの隣にあると思っていたのだが、実は今回訪れたノーフォークからチェサピーク湾への入口である狭い水道、ハンプトンローズを隔てた対岸のハンプトンに位置し、ハンプトンローズブリッジ・トンネルを通ればノーフォークからも車で30分ほどの距離にある。ちょっと足を伸ばせば・・・とは思っても、現地では3日間軍艦・ヒコーキ問わず海軍三昧で、行く暇はないだろうと思っていたところ、ノーフォーク到着当日の夕方に時間が空いたので、ホテルにチェックインして荷物を放りだし、慣熟運転がてら行ってみた。
インターステーツ64が通るベイブリッジ・トンネルは東京湾アクアラインのように、両端は長大な道路橋、中央部分が空母も通るチェサピーク湾内への船舶航行に支障のないようトンネルとなっている。南側の取り付きの橋を渡り始める頃から、左手遠くにはシルエットになった空母の艦影が望め、ついつい視線はそちらの方に釘付け。フリーウェイは当然制限55mphだが、実質70マイルを超えている速度で流れている。慣れない左ハンドル、日本の高速道路とは比べ物にならない多さの看板の情報量を視認してしていくだけでも大変で、とても目と脳が追いつかない。あっという間にトンネルをくぐると、対岸のハンプトンに入った。ホテルから30分も経っていない。
さて、地図を見ながらどこで降りたらいいのか探すが・・・「LANGLEY AFB」の表示を見つけて降りたインターから東に向かって走り出すが、すぐに敷地にぶち当たるかと思いきや、片側4車線の広大な道がまっすぐ続いている。地図ではもっと手前で降りて真北に走れば当たるかと思って、降りる用意をしていたのだが、降り損ねてしまったのだ。ありゃりゃ、ハマリかな・・・と、進行右側になにやらコルセアの機影が。VA-37の塗装だ。ありゃ?他にもNASA塗装のハリアーやミサイルとおぼしき物、そしてなんと、「ZZ」のテイルコードが入ったRF-4Cが置いてある。ここは何?
その時はあまりに急なことで、停まることもままならず、通り過ぎてしまった。まず本題のラングレイだ。この航空公園らしき場所の東側に「ラ・サール通り」という南北に走る道がある。これに乗ればどうやら基地に当たりそうだ。しばらく走ってUターン(ちょっと広い道にはほとんど中央分離帯があるので、あちらではUターンも容易な事ではない)、右折してラ・サール通りに入り北上すると、すぐにゲートが見えてきた。すると、この道はゲートに直通している基地専用の道で、どこにも行けないことを発見。おいおい、これはイカン。ということで、ゲート手前で駐車場にそれ、ちょっと一服。
東洋人が乗っている、いかにもレンタカー然とした車(それでもグランダムだった。なんでこんなでっかいのを貸すかな・・・)で乗り付けても、ほとんど注意を払われることがない。そこそこの通行量があるラ・サール通りを走ってくる車は100%が基地に向かう車なのだ。ナチュラルに「ありゃ〜間違っちゃた!」という風を装いつつ、ゲートの向こうを見てみれば、ベトナム迷彩のファントムがバンクした状態でゲートガードになっている。ムヒョ〜、かっちょええ!この辺りは入江と湿地帯のようで、葦のような植物が生い茂るその先にはB-52の姿も見える。これもゲートガード?ACCに改組された時に置かれたのだろう。
これ以上どうにもならないのでラ・サール通りを引き返すが、飛んでる飛行機も見えず、このまま引き下がるのも馬鹿馬鹿しいので、外周を回ることにする。しかし、東側は道の選択を誤ったか、すぐに行き止まりになってしまった。道をふさぐように柵がしてあるところを見ると、どうやら基地に続いているらしい。また引き返して南下、適当な所で右折して「アーミステッド通り」というのを再び北上すると、ほどなく西側のゲートに出た。ここでも「ありゃりゃ」というジェスチャーをしながら手前の駐車場で引き返そうとすると(誰も見てないって)、何やら爆音が!ヤター!ラプターキター!と空を見たが、妙に遠い所を1機がオーバーヘッドしていったが、機種まではわからなかった。
さてこちらは一応気が済んだので、先程の展示機スペースへ。ラ・サール通りと先程の4車線大通り、カニンガム通りが交差する所の南西側に、その公園はあった。すでに1800を回っており、当然閉館していて人気もない。大丈夫かな・・・と思いつつ、路肩の駐車スペースに車を停めて降りてみる。先述したようにコルセアとファントムの他にもサンダーバーズ塗装のスーパーセイバー、スコーピオン、ブードゥー、サンダーチーフはじめ懐かしい機体がそこここに点在している。いいね〜ここ。まだこの辺りは1800を過ぎても明るい。フェンスの外から一通り写真を撮った。しかし、地球の裏側に来て「ZZ」・・・素直にショウの363TRW辺りにすればいいのに。シリアルは69-0372。これ、本当に15TRSにいたの?
この偶然見つけた「Air power Park」のサイトは↓ コルセアはオシアナの保存展示機もVA-37塗装だったが、ブルズって保存機向きのデザインなのかな?

http://aeroweb.brooklyn.cuny.edu/museums/va/appm.htm

Photoは帰りに上空からみたラングレイAFB。

*1:Tactical Air Command

*2:Strategic Air Command

*3:Air Combat Command