別天地 天神平でハイキング

Blueforce2006-06-17

懸案の、上野村神流川発電所に見学に行って来ました〜・・・と言いたいところなんですが。
なんと、金曜に見学予約の電話を入れたところ、すでに6月中の土日はすべていっぱいとなってしまってます、とのこと。そんなに人気があったのか・・・というわけで、またも延期。
親も連れて行ってやろうと思ったので。また大人4人ではうちの車では辛かろうと、プジョー、というか307CCには縁の深い(?)ラクティスを借りようと思っていたのだが、見学がダメになった時点で気が抜けてしまい、そもそもどこへ行こうか、と完全に迷路に入りこんでしまった。どこも天気は良くないようだし、別に中止にしておとなしく家で寝ていればいいのだが、一度いきり立ったものの納めようがなく、地図を眺めながら一生懸命考えたところ、どうも甲信越は天気も良さそうで、こちらも前から行きたかった谷川岳に行くことにした。
0730出発、素直に関越に乗って水上インターで降り、2時間半で土合に着いた。天気はGW以来ついぞ見たことのない抜けるような青空、こりゃ来てよかったね〜!

学生時代は冬に有志で質実剛健スキー合宿を良く開催していた天神平だが、もう15年ほど訪れたことはない。ロープウェイが新形にかけ替えられたのは知っていたが、こんなに変貌しているとは・・・駐車場は大きな建物の中に設けられており、広々としたレストランや土産物屋の入っているこのベースプラザから橋を渡って乗り場に行けるようになっている。乗り場の位置自体も昔とは違っているようだ。こりゃ立派になったもんだ・・・(写真で左側の土が出ている所が旧山麓駅のあった部分 ちなみに駅の直下に清水トンネル上越上り線が、またこの撮影地点の直下辺りが新清水トンネル上越下り線が通っている)

ここ谷川岳ロープウェイは、ペット連れの乗車もHP上でアピールされているほど、ペット連れに優しい異例の対応。なんと、自動券売機にもペット・手荷物のボタンが設けられている。往復500円で大手を振って乗せることができ、実に気分がよろしい。

HPには乗車もケージが必須とは書かれておらず、中型犬以上でも乗車は可能かと思われるが、犬が苦手な人への配慮をお願いしますとも書かれており、搬器が満員になる繁忙期はちょっと難しいかも? キャリーにすっぽり入ってしまうふうこはもちろん無問題で天上の楽園へ〜

私が知っている谷川岳ロープウェイといえば、特徴的なアルマイトの弁当箱のような銀色の小さな搬器がズラ〜っと連なる、循環式のシステムだったのだが、2005年9月に最新の複式単線自動循環式ゴンドラ「フニテル」に更新された。支索と曳索が一体となった支曳索が左右に1対ずつ張られた、ヨーロッパでは主流となりつつあるシステムで、全長2,399.99m、高低差572.75m、秒速6mで約11分で頂上に到着する。

搬器の定員は22名、毎時輸送量は1,164名で従来の倍近くなり、同様のシステムを2002年導入した箱根ロープウェイと並んで、ピーク時の悩みの種だった乗車待ちが大幅に緩和された。でも、なんか近代的すぎてらしくないな〜、やっぱり谷川岳といえばあの銀色電話ボックスが風景に溶け込んでいたのだけれど・・・

天神平は標高1,500m、レストランや土産物屋が入っている「ビューテラスてんじん」の前にはゲレンデが広がり、下界の前橋では本日気温30度というのにまだまだ雪が厚く積もり、風も冷たい。谷川岳の主峰もくっきり見え、梅雨空などどこへ行ったの?という気持ち良さ。いや〜来て良かった!

360度の展望が開ける展望台へはさらにリフトに乗って5分ほど。北西を望めば谷川岳の主峰、標高1,963mのトマの耳、同1,977mのオキの耳がそびえ立ち(右側の一番高い部分)、尾根伝いにずっと登山道が続いているのが見える。

谷川岳というと、遭難者の絶えない死の山というイメージが一般に流布しているが、それは主峰の北東面にある一ノ倉沢のことで、ここからは若干のクサリ場があるだけで、もちろんザイルを使うような所はなく、谷川岳特有の天候の急変への備えを充分怠らなければ初級者でも充分登れるが、Gパンに革靴、チワワ&爺さん婆さん連れではさすがに無理。普段はそんなこと言わない同居人が珍しく「山頂まで3kmって書いてあるよ、行かないの?」などとボケかましていたが、今日はどうやっても無理ですよ・・・

水上の街を眼下に望むゲレンデ最上部、南東斜面の残雪でふうこさん大はしゃぎ。寒がりのくせにこういうシーズンでは肉球に感じる冷たさが気持ちいいのか、珍しいのか。

再びリフトで下ってきた(ゲレンデのコースを歩いて降りてくることもできる)。天神平は関東では11月下旬には積もり始め、5月中旬までスキーが楽しめるゲレンデで、標高が高いこともあり雪質もいいのだが、あまり他のお楽しみがなく、オシャレじゃない(失礼!)ためか、スキー人気の絶頂の時でもガラガラで、みっちり練習をするにはうってつけの場所だった。だって、ここに泊まり込むと、夜は下界から隔絶されて降りられず、店はないし寝るしかない。しかも、泊まり込む酔狂者など他に何人もおらず、まさにスキー修験僧のような日々を送らざるを得ないのである。よくあんなことやってたな・・・

せっかく作ってやった友達に襲いかかるふうこ・・・しかも、この友達、なんかアスキーアートみたいな顔してる(・_・)

2時間半ほどの雲上散歩を楽しんで、下に降りてきた。次に目指すのは前に述べた、登山者を次々飲み込む地獄の谷、一ノ倉沢。

ロープウェイの駅から、さらに奥に進むこと約4km、ここで国道291号は途切れ、この先は登山道となる。西南西に広がるのは日本、いや世界でもトップクラスの難易度を持つ岩の壁。現在までに公式の事故記録で781名を数えるという谷川岳の遭難者の大部分は、この一ノ倉沢で発生しているのだ。車止めの先の道、山に面した岩の側面には遭難者の名を記した数々のプレートがはめ込まれている。当たり前だが、享年85とかは1人もおらず、皆若い・・・

我々が見ている間にも、2名の登山者が雪渓を行く・・・時刻はすでに1430、今日中に登頂は無理だろう。どこかで幕営するのかな?山頂に負けず劣らず残雪が残る沢は、一番下の駐車場に居ても吹き下ろす風が冷たい。山頂よりも寒いのでは? そして、驚かされるのが遭難者を多く産むもう一つの要因、めまぐるしく変わる天候で、午前中は快晴だったのに、すでに頂上は厚い雲に隠れてしまっている。
雄大かつ鬼気迫る光景を堪能して、せっかくだから土合までは屋根をオープンにして走った。土合の駅を下に望むちょっとした広場に、遭難者の名を刻んだ碑が建っている。高さ1.9mほどの碑は左右5mほど、昭和6年以来の、先に述べた遭難者の781人の氏名が並ぶが、昨年も2名、さらにこれから刻まれる平面の石板も用意されているのが恐ろしい。ここからスノーシェッドのカーブを一回曲がって降りると、清水トンネルの土合側坑口に出る。現在では昼間の旅客列車は一日5本、待てどもそうそうやって来るわけもなく・・・

この後、まだ直で帰るのには早いので、榛名湖を経由して前橋に出ることになった。本当は草津に行きたかったのだが、さすがに着くのが真っ暗になってしまい、年寄りも連れての道中では強行軍過ぎると判断し、そこからは関越に乗っておとなしく帰る。あまり関越・東北常磐方面には足を運ばない我々、榛名湖に来たのも初めて。すでに夕方なのでこんなものなのかもしれないが、人気もなく、うら寂しい雰囲気に、こんな所だったのか・・・とちょっと驚き。

この後、来たときの伊香保温泉経由と違い前橋に直接出る県道を通って降りてきたが、軽井沢から下仁田に出る道と同じようなきついつづら折れの山道で、こちらもそこそこのペースで走っているのに、後ろから来たウイングロードのペースが以上に速い・・・こちらは年寄りも2人乗っており、あまり無理もできないのだが、頭に来て譲らずに走っていたところ、なんと短い直線で抜いて来やがった!このヤロ〜、ふざけやがって・・・と、その後をついて走るが、あんなワゴン車で速いこと速いこと。地元ナンバーだし、コーナーもわかっているし、勝てるわけないか・・・と自分に言い聞かせるも、ちょっと悔しい。しかし、街まで降りて来て、交差点で左折した車を目で追ったら、なんとコイツ曲がった先で手を出して別れの挨拶! なんだよ、向こうもバトルしているつもりだったのか!? ちきしょ〜キザなことしやがる、この時は年寄り乗せてたから無理できなかったけどな〜、お前も実はいっぱいいっぱいだったんじゃねえのか、今度は負けないぞ!
本命に振られて仕方なく行った代替案のドライブだったが、予想外に楽しく、天気もいいし(屋根は今日も開けられなかったけど)、梅雨の晴れ間を有効に使った一日であった。本日の走行距離は381km、やはり一日400kmが首都圏からの日帰りドライブでは一つの目安であろう。で、307CC燃費レポコーナー。6月11日に横須賀まで出かけるにあたって、帰りまで持ちそうにないので早めに給油をしたが、514.1kmで49.19リッター=10.45km。最近、ほどんど上下がないですね。