伊豆を見て死ね

307CC on the Izu skyline

日・月曜で伊豆に泊まりがけで遊びに行ってきました。
ひんしゅくを買いながらも有休を取って、大渋滞とホテルの週末料金を避けてのドライブ旅行だったのだが、天候が・・・今書いている青森旅行とは正反対、久々の青空を満喫してきました!!!
日曜日、0420起床でまだ真っ暗の0530過ぎ出発、本当は夜中発で全下道をチンタラ行こうと思ったのだが、それではいくらなんでもあまりに早く着き過ぎてしまうので、程々の時間にとなったもの。しかし、今度はあまり遊んでもいられない。三京―横新―辻堂で134号に入ったが、すでに三京に乗った時点で多摩川の橋から富士山のシルエットが見え、辻堂の駅前ロータリー、雲一つない空がすっかり明け切って見ると、なんと異様な姿が・・・富士山の、山頂付近だけに日が当たって明るくなっているが、8合目位から下はまだ暗いのである。なるほど、日の出直後ではこんな風に見えることもあるのか、しかし、正月休みでもあるまいし、こんなに澄み切った青空があるものだろうか・・・!? 134号に乗れば、正面にその富士山が。こんな風に見えるんだ、初めて見たよこんなアングル・・・歩道橋では、朝の散歩の方々がやはり見とれている。こんな風景、年に何回見られることやら。

まださすがに寒くて、西湘では屋根も開けられないが、富士山に心が惹かれて海沿いではなく勢いで箱根に駆け上がる。先週来たばかり、2週連続の箱根だが、そのまま新道を上がって行くのも芸がないので1国を行くことにする。早朝にもかかわらず(まあペースの遅い車のせいだが)それなりに混んでいたが、0800に芦ノ湖到着。

これが、まず今回ツアーの一発目。箱根町の海賊船乗り場からの富士の姿である。

次は、芦ノ湖を下に見たアングルでと大観山に上がってみる。と、あれほどの雲一つない晴天だったのが、見る見るうちに雲が沸いてきて、すっかりの曇天に。なんだよ、話がうま過ぎると思ったんだよ、俺のドライブでこの晴天は出来過ぎだよなあ・・・こんな天気では車も犬も全然映えないので、写真は諦めて戻る。が、途中、大観山からほんの2分ほど、富士見峠と呼ばれる山の鞍部にある展望台に初めて車を停めてみて、びっくり。芦ノ湖を通してみる富士山のアングルも、大観山よりこちらの方がバランスがいいし、反対側を見たらなんと太平洋が見えるではないか。沖には大島も・・・山の下に見える町は湯河原か。

その後、最近すっかりおなじみの十国峠にも寄ってみたが、ここでまたびっくり! 相模湾に沿ってずっと先、三浦半島の辺りまでが見えているのだ。それでは、あの高い建物は江ノ島・・・?いや!あれはランドマークではないか。いやいや、それどころじゃない! もっと左に視線を沿わせていけば、あのビル群は新宿副都心!!すでに直線距離でも優に100kmは離れている。

ケーブルカーは開業50周年の記念ヘッドマークを掲出していた。今、それまで2,3度ほどしか見たことのなかった十国峠ケーブルカーは、なぜか私に一番身近な鋼索鉄道になっている(笑)

ここからはやっと日も差してきて、標高1,000m近い場所にもかかわらずかなり暖かくなってきたので、屋根を開けて伊豆スカを南に下って行く。進行右側を見れば、下に三島・沼津の街を見て駿河湾、遠くは清水、御前崎と思しき突端まで見える。いや〜、こりゃすごい。こんなオープン日和があるものか、昨日は土砂降りだっただろうだけに、日頃の私のカーライフにはありえない展開に、逆に事故でも起こるんではないかと戦々恐々・・・
そして、伊豆スカ随一のビューポイント、滝知山展望台。春に来たときは霞がかかってうっすらとしか見えなかった大島がくっきり。

ほぼ丹那トンネルの直上に位置するこの展望台、見下ろすと熱海の市街が一望できる。ここは熱海から1つ三島方の隣の駅、来宮。電留線に熱海止まりのE231系が引き上げてきた。何度も渡りを通るので、まるで地震の後の立ち往生した列車のようにフニャフニャに見える。なおこの駅、ホームがあるのは右側に見える伊東線の線路のみで、東海道線には駅は存在しない。

本日は先を急ぐので、そのままの勢いで伊豆スカを通過、伊豆高原から一度135号に降りて海鮮の昼食の後、再び戻って大室山に登ってみた。こういうのは私一人ではやらないし、実際来たことがなかったのでどういうもんか知らなかったのだが・・・なんか、人工物の匂いのする、築山のような円錐形の山を、リフトで登って行く。ちょっと札幌のモエレ山を思い出すような・・・

しかし、大室山は人工物ではなかった。なんとこの造形で(といっても全景を撮らなかったのだが)天然、かつて火山だったそうである。火口はすでに埋まってしまっていて、山頂のリフト駅から見下ろすとアーチェリー場になっていた。そして、カルデラの外周約1kmが遊歩道になっている。これがまた、なかなか面白い。東を見れば、また相模湾国府津の辺りから熱海、伊東、そして直下の川奈、城ヶ崎の辺り、そして洋上には大島だけならまだしも、その後に神津島、新島といった伊豆七島のいくつかが見える大パノラマ。そして、相も変わらず富士山が顔を覗かせている。ダメ押しで、三浦半島だと思っていた所はなんと房総半島だった。ということは・・・あの辺が館山!?

さっき、十国峠の頃からずっと考えていたのだが、2003年、抜群に天気の良かった観艦式の、特に予行、24日の時には、観閲海面の背後には高い山々が聳えていた。それまでずっと悪天候(かドン曇り)の観艦式しか知らない私は、こんなに陸地が近く見え、そして遠くまで連れて行かれることを初めて知ったのだった*1。その辺りではすでに大磯辺りの沖にさしかかりつつあるのだが、これだけ相模湾が一望できるということは、十国峠でも大室山でも(天気が良ければ)観艦式を見ることができるのではないか。いや、ここからなら観閲・受閲全艦を空の上から眺めることができるうえ、引いた視点から祝砲、ボフォースなどは発射から着弾までを手に取るように、さらには航空観閲まですべてが視界に収まるはずである。観音崎東京湾フェリーだなどとケチくさいことを言わずに、チケット外れたら(そして予報が抜群に良かったら)、観艦式は山の上で見よう!

本日は河津のホテル「四季の蔵」泊。いつもならギリギリまで遊んでとんでもない時間にチェックインするのが我々の旅だが、今回はゆっくりすると決めているのだ。というわけで、チェックイン開始の1500には現地到着、ここでホテルにふうこを預かってもらい、海沿いにある露天風呂、サンシップ今井浜にひとっ風呂浴びに行く。ここは初日の出を露天風呂に浸かりながら拝めることで有名な、海岸の岩場に造られた露天風呂がある温泉。本館とはちょっと離れており、水着(無料貸し出しもあり)着用で行き来しなければならないのがちょっと面倒くさいのだが、露天風呂から眺める太平洋はかなり秀逸。もっとも、こちらからの眺めがいいということは「アチラ」からもいいということで、国道の車からでも女湯が見えているのではないかと同居人は言っていたが・・・まあ、望遠鏡で覗けば見られる露天風呂なんて、良くあるよねえ*2

ふうこを預かってもらっていることでおわかりのように、ここは犬OK、というか犬連れ客メインの宿。無料で使える各種ドッグランやなんとドッグスパ!まで完備で、大型犬でも館内すべてOK、ディナーも犬と一緒に食べられる。ふうこは小さいので持参した膝掛けを椅子に敷いて上に置かせてもらい、おいしいと評判のイタリアンのフルコースを頂いてきた。確かにこの宿、犬泊まらせてもらえるならサービス・人間のエサは二の次で結構、という宿とはわけが違う。普段フルコースなど頂く機会の滅多にない不肖Blueforceだが、料理は味・量ともに大満足でした。アルコールも、ビールは野暮だろうということで、本日は白の"Roero Arneis"フルボトルをオーダー。

実は、今回の旅行、10日が同居人の誕生日で、13日が結婚記念日なので、それのお祝い、というか、ちょっと贅沢をしたかったらしいのだが、先月も結構な贅沢をした気がするんですが・・・ただでさえ鄙びた漁港町の河津市街から遠く離れた山の中、空には満点の星が光り、物音ひとつしない静寂の中(時折犬の鳴き声がするが)、すっかりいつもと違う会社のハイオクが入ったこともあり、ご機嫌で1時間ほどのディナーを楽しませて頂きました。

*1:2003年の予行―10月24日―あそこまで晴れて、空気が澄み渡ることは稀 だから、観艦式が天気さえ良ければ陸上からも十分見られるということを知る人は少ない

*2:いや、私はやったことないっすよ!