日本最長坂本ケーブル

しかし、車で山頂まで行くような芸のない事をする私ではない。わざわざ琵琶湖まで出たのは、坂本からケーブルカーに乗って登るのが目的。もちろん酔狂だけではなくて、年末には雪も降ったという一帯で、山頂が雪道だったらという一抹の不安が残るせいもある。
三が日とはいえ、こんな小雨の天気では訪れる客はまばら。以前石山坂本線に乗って坂本までは来たことはあるんだけれど(何しに来たのかって?乗り鉄に決まってるじゃないですか)、比叡山は初めて。どんな感じなんやろか〜

1927(昭和2)年の開業の比叡山鉄道、通称坂本ケーブルは路線延長2,025m、日本最長のケーブルカーで、搬器は1992〜93年に実施されたリニューアル工事で置き換えられた1号車「縁」と2号車「福」。

西日本、特に関西には比較的大規模な索道路線が多い。距離の長い坂本ケーブルは、途中にほうらい丘、もたて山の2つの駅が設置されているほか、トンネルも2カ所存在する。こうして見ると、普通の鉄道路線のよう・・・でも実はすごい斜度です。

対向列車とすれ違う路線中間地点を過ぎ、2つ目の比較的長いトンネルを抜けると、いよいよ同線最急勾配、333.3‰(パーミル)の勾配標が見えてくる。‰とはその字面通り、%の10分の1、すなわち1,000分の1を表す単位。この場合は1,000m・1km進むと333.3m登る坂であることを示している。ちなみに、日本のケーブルカーで一番の急勾配は意外にも東日本にあり、高尾山ケーブルの608‰とのことである。