今日のロナルド君

Blueforce2008-07-28

もちろん、今回の旅の終わりは下関ではない。1駅だけの超短距離運転となる下関2001→門司2007の261Mに乗車し、2月のニミッツ撮影ツアー以来約半年ぶりの九州上陸、いかに冷房の効いた車内にいたといっても汗でデロデロの体をさっぱりとすべく門司駅前の立ち寄り湯で風呂&仮眠(といっても結局あまり寝られず・・・)、0泊3日の弾丸ツアー本番は門司駅前から始まる。
今回は、まあいろいろあったのだがw、総勢5人で北九州出発となる。燃料費高騰の折、低速道路でまず鳥栖を目指すが、すべて初めて通る道、訪れる場所で、夜中ということもありどこを走っているのがまったくわからない。鳥栖からは長崎道に乗り、さらに武雄で西九州道へ、もうすっかり通い慣れた道になってしまった。
もっとも、いつもは身を切るような寒さの中、今日は昼間に比べればマシとはいえ、ぬるま湯の中を泳ぐような気だるい暑さの中・・・金立SAで休憩、さっき飯食ったばかりだと思っていたら、すでに時刻は0300、10時間近く何も食べていない!? ちょっとミニサイズの角煮丼310円也を頂く。

いつもの進行通り、夜中の佐世保駅前でさらに1人追加、広いミニバンとはいえ車内は6人+撮影機材などでかなりパンパンになってしまった。まあ、それも私の段取りが悪いからなのだが・・・冬の撮影行なら、まだ当分夜は明けず、それどころか空母が来る時間になっても薄暗かったりするのだが、行程が遅れ気味なこともあり、最終休憩&買い出し地点のコンビニですでに空は白みはじめた。
前回のニミッツの時は、三連休の最終日ということもあり、撮影地点には車30台、人数は150人ほどが押し掛けたが、今回は平日、しかも月曜とあって、予想ではかなり少なかろうと見積もっている。だが、相変わらず前夜21時過ぎに場所取り&徹夜続きのため睡眠を確保すべく現地入りした「例の方」が、今回も一番乗りだと思っていたらすでに先客が2台!いると連絡してきてびっくり、果たして、我々が着く頃にはすでに最前列には三脚が林立していた。まあそれでも、間違ってもロクイチが走るお召のようなことにはならないので、その合間に陣取らせて頂く。

まだ、本命の通過までには3時間近く間があるが、すでに周囲は冬の季節の通過直前位までに明るくなってきている。初めて来たときは、着いた時には真っ暗で目の前の景色がどうなっているのかわからず、徐々に明るくなっているにつれてその驚愕のロケーションに腰を抜かした覚えがあるが、今回初めて来た人たちは、その感動はないわけか・・・あの、手を伸ばせば届きそうな満天の星空も、乙なもんだよな〜、死ぬほど寒いけど・・・などと、セッティングをしながら考えていると、湾内からものすごい数の巡視艇が外海に向かってドバドバ出て行く。写真は巡視船「あまみ」PM95。

こちらは、観閲式でもおなじみスクロールするメッセージ用LED表示器を舷側に備えた巡視艇「あいかぜ」CL-133。

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2007年2月、最初のレーガン入港時には同時に随伴艦レイク・シャンプレインが入ったが、ニミッツの時は単艦での入港となり余録がなかった。今回は、レーガンCSG構成艦のうち直衛となるアーレイ・バークミサイル駆逐艦ハワードUSS Howard DDG-83が、王将に先だって入港。天気もいいし、最高のロケーションだ、さあ、2008年夏、寄船空母祭り開幕!

しかし、それに続く空母が、一向に沖に姿を見せない。ホントに今日来るんかね〜? まさか1日延期とか・・・恐怖が真綿のように私の首を絞め始めた頃、上空警戒任務のHS-4所属SH-60F(NK611/Bu.No.164074)が沖に向かって飛んで行った。まだ見えないけれど、あの飛んで行く先に確かに空母はいるのだ。しかし、ヘリの機内からなにやらこちらをカメラで撮っちょるね〜。

それに先立つこと、0720に「ちょうかい」が出港して通峡、沖に出ていった。

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今までこの場所で自衛艦を見たことはなかったが、佐世保といえば半分は海自のもの、平日それも月曜の朝ともなれば通常の課業となるため、寄港艦だけでなく佐世保母港の各艦艇も動きが活発だ。しかも順光(午後には逆光になってしまうが・・・)、両側に陸地が迫っておらず、お立ち台も金網に邪魔されずと、東日本のどこかの公園とはえらい違いで、こういう所が近所(と、あまり贅沢は言わないけれど車で2時間位までの距離)にあればな〜、と思ってしまう。

毎度おなじみ、平家船の皆さんもスタンバイです(^^;)

そして、0835、いよいよ今回の本命、昨年2月24日以来2度目の来日となる原子力空母、ロナルド・レーガンUSS Ronard Reagan CVN-76が沖に姿を見せた。予想された時刻より30分以上遅れている。この遅れが、お立ち台に集う人々ひとりひとりの運命を静かに、しかし容赦なく変えて行く・・・

空母は、いつも南西からやって来る。沖に浮かぶ大島の陰からまず右向きに姿を現すと、岩礁が点在する水域を避けてまず北東の方向に行き過ぎる形となり、長い時間をかけて右回頭、今度はUターンして左舷を見せながら左へ向かって進んで行く。
そして、南西から北東に向かって伸びる寄船・高後の間の水峡に針路を合わせるべく、再び左回頭・・・いつも、巨大な船体が外側に傾くほどのタイトなターンだ。ここからがいよいよ勝負だ、来いや〜レーガン!。

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まずは接近戦一発目、真っ正面からのショットを。っしゃ〜調子出てきたぜ!・・・と意気は上がりつつも、若干違和感が・・・そう、どうも甲板上に色気がないのだ。
昨年の薄味空母航空団から、部隊の構成はまったく変わっていないが、各ダブルナッツは直前に発売された雑誌を見ると尾翼全面塗りの機体が増えていくぶん派手になっているようだ。そうした報道にもかかわらず、色気がないのは、フライトデッキにダブルナッツを出していないから???

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う〜ん、ままま、それはいいから、まずは空母に集中だ、搭載機は後から後から・・・と撮り始めたがここで我々に恐ろしい魔の手が忍び寄っているとは、集う一同の誰一人として気づく者はいなかった・・・というのはウソで、内心恐れていたのだが・・・

ギャ〜!なんじゃこりゃ〜!
一番いいアングルのところで最悪の事態に。まさに全長333.2mの巨体が真っ白と真っ黒の真っ二つ! レーガンオワタ・・・
この後は、こんな真っ黒写真量産してもしょうがないから、早々に搭載機アップに狙いを切り替えて、デッキ最前列から撮り始めるが、こちらとて真っ黒で見栄えがいいものではない。まあ、2回目だしどうせ今回も薄味なんだから(爆)諦めもつくか、と。
搭載機紹介編は艦船シリーズが終わってから、後日アップ予定です。

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さて、これにて本日の演目はすべて終了・・・かと思いきや、全然そんなことはなく。
実は沖合にはずっと海自護衛艦群が入港の順番待ちをしており、「こんごう」と「しまかぜ」が夜明け過ぎから行ったり来たりしていたのだ。レーガンの入港に続いてこの2隻も入ってくる。ただし、前に橋梁の桁?のたくさん乗せた曳船のひっぱるバージがのろのろと進んでおり、狭い水峡を塞いでいたので、なかなか前に進めなかったのだが、やっとそれが湾内に入って・・・

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こんごうを先頭にして増速、原速で入ってくる。バックにはしまかぜが続く・・・アングルといい天気といい、このような写真は年に何回も撮れるものではない。この時点で空母の失敗はすでに忘却の彼方に飛び去った私の脳内であった(笑)

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続いてしまかぜも通峡。こちらはマーク半速ですね。う〜ん、いいよいいよ〜

▲クリックで大きくなり・・・ませんw
巨艦に混じってこんなものも通ります。交通船YF2127。

▲これ以降は、ラスト前の1枚を除いて全部クリックで大きくなります!
次に港内から出てきたのは、なんと!最新鋭イージス護衛艦「あしがら」DDG178! 昨年3月に、三菱長崎で艤装作業中のところを撮影して以来、就役後は初めてとなる。
最近は、命名の由来となった場所の周辺には日常的にうろつくようになり、だからこそどの護衛艦よりも親しみを感じているフネなのだが、なにせ母港が佐世保ではなかなか見る機会がない。先日就役後の顔見世興行か、横須賀にも来ていたらしいが・・・せっかくの相模の国ゆかりの艦名なので、横須賀母港にして欲しいなあ・・・あ、無理ですかそうですか・・・

あしがらを艦尾から。やっと、後部VLSとヘリ格納庫の様子をクリアーに捉えた写真を(思いがけず)撮ることができました。

あしがらに続いては、米軍のドック形揚陸艦、ハーパーズ・フェリーUSS Harpers Ferry LSD-49が出港。どうなってんだ・・・
ドック形揚陸艦は、当日記でも紹介している海自おおすみ型や先般来日したフランス海軍のミストラル級のような、全通形飛行甲板を備えヘリ空母的運用も念頭に入れている強襲揚陸艦*1とは異なり、エアカバーの下上陸作戦に必要となる大量の物資や車両、もちろん兵員を揚陸艇やLCACなどで上陸点に輸送する艦種。当艦は1985年にネームシップが就役した、ウィドビィ・アイランド級の9番艦で、1995年就役、現在は僚艦のトートュガと並んで佐世保を(事実上の)母港としている。

ドック形揚陸艦の特徴である艦尾ウエルデッキのドアを見る。ウィドビィ・アイランド級は1980年代初頭、実用化に向けての開発が進んでいたLCACを運用することを当初から念頭に置いて建造された最初のクラスで、1〜8番艦まではこのウエルデッキに4隻を搭載することができた。ところが、当艦からは貨物の載貨能力を増強して、その分ウエルドックを縮小してLCAC搭載数を2隻に減らしたので、分類上は当初ウィドビィ・アイランド級(CV)―CVはカーゴ・バリアントの略―、現在ではハーパーズ・フェリー級として独立して呼ばれることもある。もちろん、ヘリの運用能力を持たないわけではなく、恒久的な搭載設備・格納庫こそないが、ご覧のようにウエルドックの上面はヘリ甲板になっている。

ハーパーズ・フェリーに続いては、再び海自「ゆき」型の「あさゆき」DD132が出港。
もう、空母寄港レポでもなんでもなくなってますね・・・

あさゆきは、前々回2003年の観艦式で私が2日間お世話になったご縁のあるフネ。まあその後彼女にもいろいろありましたけどw、今更それをあげつらうような無粋な真似は致しますまい。元気でやってるようですね。

昼も近づいた1148、休む間もなく今度はミサイル艇「しらたか」PG829が通峡。終わらねえよ・・・

同艇は全6隻が建造された「はやぶさ」型の高速ミサイル艇佐世保に集中配備され(2008年からは退役が始まったミサイル艇1号型に代わって余市―桟橋工事が行われているため当面は大湊―に転属している)、関東では観艦式の時位しか見ることができない、比較的縁遠い艦種だが、同艇はちょうど前回2006年の観艦式で大活躍していた。写真は観閲艦―すなわち内閣総理大臣座乗艦で、露天艦橋に当時の内閣総理大臣の姿が見える―を務める護衛艦「くらま」DDH144と私の乗る観閲付属部隊の「まつゆき」DD130の間を高速で追い抜いて行く晴れ姿。

今度はなんですか・・・

まだ続くんですか!? もちろん艦名は不明ながら、正午過ぎ「おやしお」型潜水艦が通峡。どうやらこれで終わりらしいが・・・
いい加減、帰りの時間のこともあるので、エンドレスで入出港されてもまさにありがた迷惑w。一区切りついて、周りを見渡せば、空母、というか上モノ狙いの方々はすでに大方撤収しており、残っているのは集まった人数の2〜3割になってしまっている。さて、今回はいろいろ事情があって、ここまで乗り合わせで来た全員がバラバラに離散してしまって、私も一人ぼっち。先日会社の近くで酒飲みながら沖由佳雄の件で盛り上がった方に同乗させていただいて、佐世保市街を目指す。

やっと行ってくれたか・・・寄船は外海方向には見晴らしが開けているが、振り返って湾内を見ようとしても、奥に向かって右に曲がっており、見通しがきかない。車で来た道を戻ると、このような光景が見えてくる。港内に入り、写真の潜水艦のように左の入江に入っていけば、その先が佐世保港となる。

そして、湾内目の前には、なぜかこんなのもいます・・・

*1:海自おおすみ型はあくまでも「輸送艦」で、「強襲」揚陸艦などでは断じてないから良い子の皆さんはその辺にいちいち突っ込まないでネw