買いか?EOS20D

JASDF Iruma AB 3.11.1986

本館の日記でこれまでも何度か話題にのぼっている一眼デジカメであるが、今週末ついに当面の決定版と目されるキャノンのEOS20Dが発売される。

すでにカメラ屋、いや最近はカメラも総合家電量販店やバッタ屋で買うものなのでカメラ「を売ってる店」の店頭ではかなりテンパッたおじさん方と店員の間で熱〜い闘いが交わされているようだ。現状では18日に一斉発売開始と言われているので、私も展示品が見たいと思い某店まで行ったところ、発売当日まで現品は来ないと言われてすごすご帰ってきたのだが、その際カウンター越しで見ていたところ、いつごろ入るのか、今から予約して確実に手に入れられるのか、今にもつかみかからんばかりの勢いで聞いているおじさんが。

店員も厳戒態勢といった趣で、入荷台数も最後の日までキャノンさんと交渉中で、正確台数はいま私どもでもわからないんです、とか、聞いても聞いても何一つ確定したことは出てこない。いや、一つあった。現状では何一つわからない、ということだけは確定しているのだ。

カメラで、こんなフィーバー(死語)って、何年ぶり、どの機種以来のことだろう。この1年ほどで一眼の主力は確実に銀塩からデジタルに移ってしまった。昨年10月の観艦式にまつわる戯れ言を書いたときからでさえ、予想の範囲ではあるが情勢は大きく動いている。キャノンは中堅機の10D、エントリー機のkissデジタルと新製品を立て続けに出したが、今回ほどの騒ぎにはならなかったように思う。我々は今まさに、一眼デジタルが高価なマニアのカメラから広く一般の「家電」へとテイクオフする瞬間を見ているのだ。

20DはD30―D60―10Dと確実に進歩してきたテクノロジーを盛り込んだ、EOSの正常進化版で、現時点で手にしうる最高のスペックを持っているとは思うが、20年、30年後に「名機」と呼ばれるかどうかは疑問である。ま、カメラなんてもう何年も前から単なる耐久消費財なんだけど・・・そんなことを考えながら思い起こせば、これがかつて同じキャノンのヒット作(名機ではない)、AE-1によく似ていることに気づく。カメラ雑誌ではkiss-Dに似ていると指摘されていたようだが、昨今店頭に立てば、現象としてあの「一大ブーム」の風を感じるのである。皆が浮き足立っている。18日を一日千秋の思いで待ち、発売日に何としても手に入れたいと思っている。そんなことって、キャノンさん、いい商売はしてるけど、何年もなかったんじゃないですかね・・・

韓流ブームではないけれど、「現象」といわれるような大きな流れは意図して起こせるものではない。これが1年前でも1年後でも、性能だけでは皆ここまで熱くはならなかったろう。20Dはまさに一眼デジタルが大きな果実として一般大衆の上に落ちてくる、その瞬間に生を受けた、幸運なモデルである。AE-1と同じく、末永くキャノンの社史に語り継がれるであろう。

な〜んてもったいぶった文章を書いておきながら、皆がいきり立つのには思い当たるフシがある。各掲示板でも運動会シーズンだから・・・という書き込みがあって、子供の晴れ姿を最新デジカメで、という気持ちはわかるので、夏の終わり頃に出せば皆もうちょっと気持ちの余裕もあったのだろうかと思うが、一番いきり立っているのはヒコーキ業界の方々である。前述の通りサンダーバーズがショーを行う百里オープンハウスが発売翌週、26日に迫っているのだ!

18・19日を逃せば、平日にはなかなか店には足を運べないから、あとはネット通販か前日の25日に店に行くしかない。前日に買ったって、バッテリーの充電はあるしマニュアルを読まなければいけないし、まさに昨年私が頭を抱えたトムキャット離日騒動の時と同じ非現実的な慌ただしさ。千載一遇のチャンスだけに失敗は許されないし・・・カメラ業界の上得意の中で、ヒコーキ屋が占める割合は決して無視できるものではない(なんと言っても客単価が高いですからね)。キャノンの営業はサンダーバーズの極東ツアーのスケジュールまで把握していなかったのかな?

そんな騒動とも無縁の私がやけくそで上げる写真は、1986年11月3日の入間オープンハウス、撮影会でT-33の翼の上に座ってポーズをとっていたモデルさんの部分アップ? 私が今まで見てきた数々のモデルさんの中で一番可愛い人でした。現在応募中の百里オープンハウス駐車券が当たったら上半身を公開させていただきます。ハズレたら・・・このまま闇の中に葬ります。
http://homepage.mac.com/izunton/