懐かしき艦名の復活を喜ぶ

USS Cowpens CG-63 in yokosuka

昨今のご時世ですっかり役に立たなくなった晴海埠頭などの船舶入出港情報に対して、相変わらず詳細な予定が掲載され重宝している"SeaWaves Magazine"サイト上で、イージス巡洋艦タイコンデロガTiconderoga CG-47の退役日程がアップされている。

1983年、画期的な艦隊防空システムであるイージスシステムを搭載した世界初の艦船として大西洋艦隊に就役してはや21年、当時そのあまりの未来的な艦影(デキの悪い積み木細工と言えなくもないが)に魅了されたものだが、アメリカ海軍の未来を担う新鋭としての位置づけからすでにすっかり中堅となり、その座もアーレイ・バークミサイル駆逐艦に明け渡しつつある。

イージスシステムやタイコンデロガ級の詳細についてはいろいろなサイトで紹介されているので、単なる日記である当サイトでは改めてグダグダ述べるつもりはないが、キティホークエンタープライズがすでに艦齢40年を超えているのに対し20年そこそこで退役とは、若干もったいない気もする。今や空母任務部隊に攻撃を仕掛けてくる爆撃機や対艦ミサイルよりも弾道ミサイル対処がイージスの主な存在意義となった現在、ミサイルディフェンスに狙いを定めた最新のスペックであるベースライン7を装備するアーレイ・バーク級が続々就役するなかで、タイコンデロガ級もミサイルディフェンスのテストベッドを務めたレイク・エリーLake Erie CG-70など後期建造艦はアップデートが図られつつあるが、VLSも装備せずいわゆる"ベースライン1"のままの初期建造艦は確かに使い道がなかろう。12月には2番艦のヨーウタウンYorktown CG-48の退役も予定されている。

この他、今月は横須賀を母港とするスプルーアンス級も、5月に一足先に帰国したオブライエンに続いてカッシング(最近はクッシングと表記する例が多いようだが)Cushing DD-985も退役のため本国に帰還するようで、これでついに1984年のオルデンドーフ Oldendorf DD-972配備以来横須賀にあったスプルーアンス級の歴史は終わりを告げた。スプルーアンス級は本国でも退役ラッシュが続いており、間もなく全艦が鬼籍に入ってしまうだろう。トムキャットもそうだが(しつこい?)もう私が知っている海軍はどこにもないのであった。この他にも、来年春にかけてサクラメント級高速戦闘支援艦、長らく中東海軍部隊(現第5艦隊)の旗艦を務め、現在地中海の第6艦隊旗艦であるラ・サールLa Salle AGF-3など大物が続々退役、なおいっそう寂しい・・・

そんな中でちょっとというか、かなり嬉しいのは、これから就役するアーレイ・バーク級の艦名がなつかしのシリーズとしてツボを押さえたラインナップとなっていることだ。人名が原則で名付けられているこのクラス、一時期あんまり有名でない人が続いてそういった面でも興味がもてなかったが、今後就役する艦にはフォレスト・シャーマン、ファラガットなどアメリカ海軍の歴史を彩る艦名がリバイバルで採用され始めた。一番感動したのはDDG-96のベインブリッジ! 初の原子力ミサイルフリゲイト、DLGN-25(後に巡洋艦 CGN-25に改め)の名を継いでの8年ぶりの復活である。ムヒョ〜!カッコイイ!この他にもシーウルフ級3番艦のジミー・カーター(なんでこのフネはJames Earlと正式名でないの?)、遂に潜水艦になってしまったがヴァージニア級の1番艦、ヴァージニアなど注目の艦名が目白押しである。

もうこういうことでしか希望を見いだせないので、次は空母を、早く政治的配慮ミエミエの現代大統領シリーズからリバイバルに戻してくれ!CVN-78はサラトガとか、コーラルシーとか、シャングリラとかでどうかひとつ!

写真はミサイルディフェンスにはそのままでは若干?役不足のイージスシステムベースライン3を装備するタイコンデロガ級の17番艦、カウペンスCowpens CG-63。今年の6月20日、横須賀で撮影。
http://homepage.mac.com/izunton/