ご長寿!沖縄の荒鷲

USAF F-15C EAGLE fly over Yokota AB

10月4日、沖縄本島南約230kmの海上で訓練中のアラスカ・エルメンドーフ空軍基地所属、3FW/12FSのF-15C2機が空中接触事故を起こし、嘉手納基地に緊急着陸したそうな。

http://www.ryukyushimpo.co.jp/news01/today/041005a.html

3FWはかつてピナツゥボ火山噴火をはじめ諸要因でフィリピン、クラーク空軍基地を撤退した3TFWの伝統を受け継ぐ航空団、12FSはこちらもかつては嘉手納の18TFWに所属していた(当時12TFS)おなじみの部隊だが、最近ちょくちょく里帰りしているらしい。最初3FWというのでストライクイーグル(E型)かと思ったが、塗装がグレーだし、ああ12FSのC型かと納得。

嘉手納の18TFW―現18WGは1979年、C型イーグルを最初に受領した実戦部隊だが、かつて3個12/44/67の3個飛行隊を擁していたときはこの最初のモデルである1978会計年度のブロック21で揃っていた。事故を起こした機体の尾翼シリアルを見ると、会計年度は判読できず末尾はかすかに「098」と読める。う〜ん、78会計年度は400〜500番台のはずだが・・・シリアルリストを調べてみたところ、1985会計年度のブロック39であることが判明。ネットで探してみると、便利な世の中になったもんで部隊ごとのシリアルリストも結構見つかって、確かに12FSの欄に85-0098があった。この機体、湾岸戦争の時には空中戦撃墜トップスコアの記録を持つフロリダ州、エグリン空軍基地の33FW所属だったようである(同機自体は撃墜の実績なし)。

では旧12TFS所属機はどこへ行ったかというと、どうも各航空団に少しずつばらまかれたらしい。損耗などの補充用に使われたらしいが、今さらながら驚くのはイーグルの寿命の長さだ。嘉手納のC型はすでに四半世紀を超えて、毎日毎日飽きもせず飛んでいることになる。1978年といえば、鉄道界でいえば九州ブルトレの牽引機がPFに代わった年だ。そう考えると、もうはるか昔で気が遠くなる。いったい総飛行時間はどの位になるのだろうか。

それに引き換え、どうしても比べてしまうがトムキャットの寿命の短さはどういうことか。嘉手納のC型よりも10年も後に生産されたスーパートムキャが続々と退役してしまうのだから・・・トムキャの方が使用条件が過酷、環境の激変に伴う陳腐化という背景があるのはわかるが、嘉手納にいたらいい感じに潮風を浴びてるだろうし、制空一本槍のC型が沖縄に居座り続ける必然もないような・・・大体イーグルはそれ以前のA型もまだANG(州航空軍)で現役なのだ。海軍はよほど物持ちが悪いんですかね・・・それともメーカーの仕事量維持のためにホーネット作り続けなけりゃいけないから、トムキャが貧乏くじを引いたんですかね・・・

ま、尾翼3分の1も吹き飛ばされて、200kmも良く戻ってきたもんだ、大したサバイバビリティだと賞賛の嵐のようですけど、双尾翼だしラダーは壊れてないし、油圧がやられなければ何とかはなるわな。ママゴトじゃなくていつでもガチのアメ空さんなんで、こういう事も起こるんでしょうけど、気をつけてくださいよ〜。最近ちょっと続いてるんでね・・・

写真は1986年(多分)の横田オープンハウスで素晴らしいデモフライトを見せてくれた、18TFW/67TFSのF-15C(シリアル78-0548)。今は横田ではこういうフライトは見られなくなってしまいました。しかし、このブログ、カテゴリ[海軍]ばっかりになると予想していたのに、私らしくない[空軍]のオンパレード・・・ど〜いうこと!?
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