「弟」最終回

CV-62 in Otaru port

暑い日だったことをはっきり覚えている。
大学1年の、夏休みだったがその夜は学校近くの部室(じゃないんだけどそういう類のもの)でなんともなしにダベッていた。と、20時過ぎ位だと思うが、突然先輩が階段をドスドス上がってきて、「おい石原裕次郎死んだぞ!」と我々に怒鳴ったのだ。
芸能人に興味があるようなメンツじゃなし、ましてやアイドルでもないのに、そんなに息せき切って死んだのなんのと噂をしたのが当時妙に違和感があった。そんなにすごい人かいと・・・でも、今にして思えばその瞬間の記憶が鮮明に甦るのだから大したものだ。
結局5夜全部見通してしまったわけだが、予想以上の出来であった。単なる豪華キャストに終わらず、それぞれ良くにた役者を探し出して来た。全然似てないはずの渡哲也が、時々ドキッするほど慎太郎に似ていたのが驚き。同居人は髪形が似てるだけだろうと笑うが・・・徳重聡を、何年も寝かされやっと日の目を見て良かったね〜と笑う口の悪い同居人も、彼が若き日の裕次郎に確かに似ていること、寝かされた挙げ句演技も結構いい所まで行ってることに驚いていた。
美男子はダイコン、という定説を作った元祖の三浦友和も、顔は似てないけど迫真の演技は堂に入っていた。もうちょっと顔色が悪くてもいいかな、とは思うが・・・渡氏はじめ石原軍団の面々は、すべて実際に体験した場面ばかりだから、臨終の場面などは万感迫るものがあったろう。本日もちょっと泣いちゃいました。グスン。
初日のSL登場シーンにケチをつけてはみたものの、スカ線の70系に大井川の元西武351系を使ったり、考証はかなりこだわっていた。しかもこれ、スカ色にわざわざ塗り変えたの!?これはアイデア賞ものである。スタッフに鉄ちゃんがいなければ思いつかないだろう。また、裕ちゃんが小樽に逃亡するシーン(ノリさんのボケにも笑った)、乗っていたのは10系寝台車!これには参った。普通なら平気で24系とか使う所である。これは横川鉄道文化むらのオハネ12 29かな?用意できるところで精一杯にこだわった、その努力がうれしい。45周年記念ドラマ、堪能させていただいました!
本日のPhotoはまたまたゆかりのシーンをということで、1997年9月、故郷小樽の石原裕次郎記念館前、勝納埠頭に停泊する空母インディペンデンスIndependence CV-62。海と船を愛した裕ちゃんが、こういう種類のものも愛したかどうかはわからないが・・・
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