錦繍山の男たち

Photobook of ”Kumususan palace”

本日、仕事納め。午前中パパっとやって、午後からは出入りの人間も混じって職場で酒盛りである。
私生活でもそうだが、仕事もいつもとサイクルが違うので、ちょっと引っかかるとなかなかペースを戻すのが難しい。実際の手空き時間より気分で左右されることが大きいので、年賀状も刷りあがりつつあるのだが手につかなくて・・・まあ、本日はそんなことはスッパリ忘れてガバガバと飲ることにする。
1530前にはあらかた酔いも回り、散会となったのだが、本日は気になることが一つ。昨日、ここ数日何度となく通った某制作会社に、ふうこの水飲みを忘れていると電話があったのだ。こちらも本日で仕事納めなので、取りに来てくれないと来年になってしまいます、というので、帰りがけに取りに行くことにする。
水飲みだけなら来年でもいいんだけど、他にも早めに引き上げたかったものがある。平壌金日成国家主席の遺体を展示している錦繍山記念宮殿の貴重な写真を満載した豪華カラー写真集、その名も「錦繍山記念宮殿」。庶民にはなかなか手の出ない高価なものだが、先日資料として白山のコリアブックセンターで購入して渡しておいたのだ。使用後はもらえることになっているので、これを早く持ち帰りたかったのである。
地下鉄を乗り継いで1800過ぎ、制作会社に顔を出す。ずっと働きづめだった担当のK氏は昨日が納会だったとのことで、帰るところを私が来るまで待っていてくれたらしい。こちらも世話になったのでお礼を述べ、今後もいろいろ協力できることがあったらよろしく、ということで一式もらって帰ってきた。
今回のこの企画、錦繍山記念宮殿参詣経験者で内部構造を詳細に記録している、ということで私に引き合いがあったのだが、本館には記述はあるもののすでに訪問から2年半、もちろん細部の記憶は若干あいまいになっている。そこで、他の経験者に連絡を取り、いろいろ話を聞き出すも、各人とてつもない猛者揃いながら今回主題となる肝心の部屋についての記憶は私が一番詳しかった。あれ〜?
しかし、皆の名誉のため言っておくと、まるで最初に役割分担を示し合わせたかのように、エレベータや動く歩道、果ては電気スイッチのメーカーを覚えている野郎、衛兵の服装や肩章を覚えている野郎、勲章の展示品を詳細に覚えている野郎、説明の音声が誰かを覚えている野郎と、全員が集まればあっという間に錦繍山エンサイクロペディアができそうである。さすが私の人脈だけに、どいつもこいつもただ者ではない!
その中で、統括係というわけでもあるまいが、2年半も経って全体の行程についてはかなり詳細に覚えている自分にも驚いたが、今回の企画に当たって、皆の声を久しぶりに聞いて、昨今風当たりの強いマニアックな趣味でこのような素晴らしい知己を得たことを、改めて喜びたい。
人は財産。今回は私の背後に、最強の男達4人の姿を背負って出演させて頂いたことを、ここに記しておきたい。彼らの協力なしには成し得なかった企画である。
Photoは豪華写真集「錦繍山記念宮殿」の参詣用路面電車紹介頁。これ、チューリヒ市電を譲受したもので、共和国では珍しい西欧スタイルの可愛らしい電車である。