カールスクローナ出港

Carlskrona leaves Tokyo port

1週間と異例の長逗留を決め込んだカール君だが、本日ホノルルに向けて出港である。
というわけで、入港時果たせなかったレインボーブリッジからの俯瞰ショットを撮るべく、0800出発で撮影に。虹の橋の遊歩道は夏期は0900開門なのだが、冬季―3月一杯は1000と遅いため、入港時は上空からの撮影ができなかったのだ。しかし、本日とて開門時刻と出港時刻が同一というきわどさ、車や鉄道じゃないからビュ〜ンと行ってしまうわけではないが、フネだって実は一度離岸してしまえばその後は結構早い。
今週末は用事があったり、予報では天気が悪いらしいので、合わせ技でふうこの散歩をするべく連れてきたので、まず橋を渡ってお台場で走る。先週もそうだったが、平日の朝にお台場を散歩している奴など誰もいない。天気も良く暖かかったので、服を脱がせて40分ほどみっちり走らせた後、0930にお台場を出、竹芝側のアンカレイジに。簡単にUターンができなかったりで15分ほどかかってしまったが、0950にはアンカレイジ横の駐車場に車を入れる。さてさてセッティング・・・見ると遊歩道のゲート付近にはマニア諸氏がビッシリと屯している。その数、私を入れて18人。年度末も年度末の31日に軍艦などホイホイと見に来れる人数としてこれが多いのか少ないのか・・・恐らくフネとは全く関係ないと思われる観光客とおぼしき家族連れなどは、何事かという感じ。
役所仕事というかさすが日本人というか、警備員のオヤジらも、機転を効かせてちょっとでも早く開けてやろうという気配は全く見せない。ま、こちらもそんなことはこやつらには期待していないので、さして緊迫した雰囲気ではないながらもロープを挟んでのにらみ合いが続く。待っている場所からは晴海の様子は見えないので、今カール君がどこまで来ているかはまったくわからない。そうこうするうちに1000が近づいてきた。さあ各馬一斉にゲートイン!
スタート!ロープが外された瞬間、18人の戦士は一斉に順路を駈けだした。なだれ込むようにアンカレイジ内部のエレベータホールに向かう。ところが!エレベータは上に上がっていた「なんで上に行ってるんだよ!」と皆で悪態をつく。こんなことでと思われるかもしれないが、50mの高さで大して速くもない展望エレベータである。これだけで簡単に1分近くの余裕時分を食いつぶしてしまう。
エレベータが降りてきた。「全員乗れるかな?」「大丈夫、大丈夫!」見知らぬメンバーでもフネキチ仲間である。私のような新参者は2回目になっちゃうかな、と諦めてはいたのだが、さすが入れ物はでかいようで全員が第1便に乗ることができた。ちょうどマニア軍団が乗り終えたところで、一般客が追いついたが、ためらうことなく戸閉ボタンをプッシュ!プッシュ!
上に上がって晴海方を見たら、カール君は離岸したところである。先いも述べたが、フネって遅いようで結構速い。午前中は竹芝側からは逆光なので、最低でも中央部まで400mを走らねばならない。これが今年一番のキツさ!機材を持っているので思うようには走れないのだ。しかも、私の好みとして、形式写真風のなるべく横がちになったパースが欲しいので、1mでも遠くお台場側に距離を稼がねばならない(お台場側からはアンカレイジまでの取り付きが長いので、吊り橋の中央を過ぎてもまだ竹芝側からの距離が全然短い)。
ヘトヘトになりながら、やっと場所を確保、レンズを通せる隙間はくるぶしの辺りの低さなので、全員四つん這いになって尻を突き出したポーズでレンズを通している。車で通りかかった人間は何かと思うだろう。前衛パフォーマンス?
もちろん、道路を渡って反対側に行けるわけでなし、レンズも振り回せるわけではないので、アングルも時間も限られ、いいところ2分ほどで泣いても笑っても終了である。都心で桜の開花が発表された今日、カールスクローナはその桜を見ることなく、世界一周公開の後半戦に向けて、私の足元をホノルルに向けて旅立っていった。
また来年も来てね。