追悼 ロック岩崎氏

Mr”AirRock” Takahiro Iwasaki

すでに報じられているように、本日1120頃、兵庫県但馬空港にて今シーズンに向けての練習飛行中のロック岩崎こと岩崎貴弘氏が愛機ピッツS-2Cで墜落、間もなく死亡した。
ピッツと言えばクラリオンカラーの新妻東一氏の方がおなじみの世代だし、ここ10年ほどはオープンハウスもほとんど行っていなかったので、デビュー9年目のロック氏によるショーを見たのは恐らく2回だけのはずである。 もともと現代ジェット軍用機にしか興味がないので、正直な話、レシプロ複葉機のアクロというのは神業だというのはわかっていても添え物程度にしか思っていなかったし、写真もほとんどない。
血塗られた軍事航空の世界でないと萌えない人間が思うに・・・イーグルライダーとしてのキャリアを捨てて、茨の道である日本で民間アクロを立ち上げた彼の、「空を愛する」というパッションって、どのようなものかな。マッハ2.5の世界最高の戦闘機では見られない景色って・・・
本館の日記でもずっと前に同じような事故を報じたことがある。東邦航空の篠原秋彦氏も、ヘリレスキューの第一人者だったが、ある日なんということはない救助の現場で突然事故死してしまった。両名ともに、まさか事故で亡くなるとは夢にも思わない経験とテクニックの持ち主である。しかし、現実に事故は起き、2人はもうこの世にはいない。
救助した遭難者さえもド突いたという伝説を持つ強面の篠原氏とは対照的に、ロック氏はいつも笑顔で航空祭でもファンに対してサインや握手のサービスを絶やさなかったという。私も昨年、百里航空祭でエアロックのブースの前を何度となく通ったが、氏はちょうど席を外しておりご本人に直接お会いしたことはなかったのは、こう言ってはなんだが・・・幸運だった。直接お目にかかっていたら、とても人ごとのように日記など書けなかっただろうと思うからだ。
Photoは私が見た最後の姿、ブルーも目玉のサンダーバーズ悪天候で飛ばない中、一瞬の天候の好転の隙にデモフライトを行うべく愛機に乗り込むロック氏である。
合掌。