惜別第2海堡上陸作戦

No.2 Sea fort of Tokyo bay

東京湾浦賀水道航路の真横に位置し数多くの艦船ファンと釣り人に親しまれた第2海堡が、周囲の崩落によりいよいよ危険となったため、渡船が6月一杯で廃止されるとのことで、最後の記念に行ってきた。
本当は土曜に行くつもりだったのだが、先週以来横須賀に停泊したまま動きがないエセックスがそろそろ出るのではという期待もあり、ここ数日ずっと東京マーチスの巨大船情報をチェックしていたところ、結局土曜は出ずじまいで見送りとなってしまった。本日も望み薄なのだが、勤め人としては本日が実質最終日なのと、最近はセキュリティ対策で軍艦の通過情報がアップされるのが直前となり、ギリギリで出てくれないかな・・・との淡い期待も。
昨日はまた同居人が堂島のライブで新潟まで行っていて、帰りが夜行バスで0500着、寝ていたら突然起こされて、0630過ぎ起床。例のごとく結構面倒なのだが、行かないとまた後悔するんだからサッサと出てけ!と0710家を追い出される。しかし、0830発の渡船にはギリギリ・・・それでも三京―湾岸をすっ飛ばしてなんとか金沢の村本海事船着き場に間に合った。
駐車場はすでにいっぱいで、周囲は家族連れや松方弘樹みたいなオヤジ達、大学の探検部のようなでかいザックを背負った若者グループで黒山の人だかり。ありゃりゃ、さよなら需要ですか・・・仕方がないのでちょっと離れた野島公園の駐車場に入れる。荷物一切合切を持って受付に着いたのが出港5分前。ギリギリで前にあるコンビニで食事と飲み物を仕入れ、すぐ出ますからと誘導されて乗ったはいいが、船室内は満員で船尾の露天デッキでしがみつくようにして出港。
入江を出たところでものすごいしぶきを上げてスピードを上げ始めた。いよいよやっとの思いでしがみついている感じ。住重横須賀造船所を回り込んだところの野島防潮堤で数人を降ろして、いよいよ東京湾内横断に入ったら、折から入港中の「ましゅう」形補給艦の2番艦、「おうみ」の沖留めの姿が目の前に! エセックスと並んでの「ここは佐世保か!?」と見まごうばかりのツーショットを波しぶきを被りながら撮影するが、船が揺れて揺れて・・・とてもISでカバーできる範囲ではない。ファインダーからはみ出さないようにするのが精一杯で、大体、ちょっとでも気を抜いたら暴れ馬から振り落とされてしまう。
30分で第2海堡に到着。船にめっぽう弱い私としては、揺れた割に酔いもせず、とりあえず島の中央、船着き場の裏にシートを敷いてベースとした。早速「海の忍者」と称されるパッと姿を消すことのできる軍艦が南航して行くので逃さず撮影。その後島内を散策するも、まあ狭い敷地内に人がわんさかと。テントを張っているグループも結構いる。女性の2人連れとか、なかなか物好きですねと感心する人もいる。あと、こういった「棄景」に必ずわいて出てくるのがレイヤーの方々。写真撮るのに邪魔なんだけどなあ・・・この暑いのにあんな黒い服着ちゃって・・・
さて、島じゅうで風景撮ったり船撮ったりして1230の便で帰ることにする。さすがに夕方までいるのはちょっと・・・水も飲み干してしまった。というわけで船着き場に来てみると(といっても裏っ側に数メートル歩くだけだが)、こんなにいたのか!?と驚くほどの人数が。もちろん、ここへ来るのは渡船が唯一の手段なので、プラマイゼロのはずなのだが、0700の第1便の人間も皆これで帰るのだろう。というわけで、船は半分を積み残してさっさと出ていってしまった。と、その後ろからもう1隻が現れ、この続行便にのることができた。
帰りは行きよりさらに水しぶきが激しく、上半身はずっと霧を被っているよう。その中で、なんとか「おうみ」を・・・としぶきが途切れる隙を見てカメラを掲げるも、行きより雲も厚く、思うように撮れない。エセックスもいつ出るんだか・・・ま、今日目の前を通って出港なんて出来すぎだわな。暑さと汗と塩でヘロヘロになりがら、続行便のため予定より遅く1330に帰ってきた。
もちろんこのまま帰るはずもなく、横須賀に寄って在泊艦チェックを怠らない私だが、なんのことはない、「おうみ」が一番きれいに撮れたのがこのいつものポイントからでした・・・