新宿職安通り「宋家ガムジャタン」

Korean restaurant ”Gamuja-tan”

新宿職安通りのコリアンタウンにあるガムジャタン(ジャガイモ鍋)専門店。
韓国ではポピュラーなこのジャガイモ鍋、普通は「カムジャタン」と濁らずに発音するが、この店ではあえて「ガ」と表記するところが独自の味と職安通りの専門店で随一の歴史を主張する。最近は界隈の他店でもメニューに「ガ」ムジャタンがある所が増えてきて、ここでしか食べられない、というわけでもなくなってしまったが、味の確かさと店長の接客で行列が途切れることがない。店内には日本の芸能人はもちろん、ryuやパク・ソルミといった韓流スターのサインも所狭しと貼られている(パク・ソルミのサインはナミソムの「恋歌の家」に展示してあったのと同じ、花を描いたデザインで一目で分かった)。とにかくいつも混んでおり、行列が途切れないので、このたび現店舗の隣にもう一軒を借り、2つのスペースに拡張された。
メインのメニューはシンプルにガムジャタンのみで、小2人前が2,100円、中3人前が3,150円、大4人前が4,200円。具はジャガイモと長ネギ、それにゆでた豚の骨つき肉のみのシンプルさ。他の店で出すいわゆるカムジャタンとは違い、具が少ないのが特徴である。これを唐辛子などで味付けした辛いスープで煮るのだが、このスープが絶品。相当辛いはずなのだが、味わい深くいくらでも飲めてしまう。辛いの苦手、韓国料理苦手の人でも比較的ハードルの低い味付けになっている。しかし、とにかく腹がいっぱいになるし、後で混ぜご飯を食べることになるので、よほど大食いの人でない限り人数分以上頼むのは危険。
メインは骨付き肉。はっきり言ってくず肉である。身を取った残りの骨なのだが、しかしここからこそぎ取ったり、チュパチュパ吸ったりして集めた肉がまたうまい。コラーゲンたっぷりのゼラチン質もそのまま残っており、美容にもいいはず。恐らく圧力鍋で煮ているのだろう、骨もある程度柔らかくなっているので、ガシガシかじっても噛み切れるほどである。スープは少なくなったら継ぎ足してくれるのでどんどん飲んでしまっても心配ない。また、付け合わせでカクテキとモヤシのナムルがつくが、これはお代わり自由。黙々と豚骨に付いた肉をほぐして食って、最後に混ぜご飯750円を注文すると、残りのスープの中に油で味付けしたご飯を投入、混ぜてチャーハンにしてくれる。1,150円でキムチ混ぜご飯もある。これだけ食って、1人あたり酒を2杯飲んでも1人2,500円前後という安さ!犬連れでなくても行ってみたい店である。犬カフェではないので、犬用メニューがあったり水が出るわけではないが、ここだけの話、店長がゆでた豚骨をくれることがある。これは人間様用のものを好意で分けてくれるだけなので、こちらから催促するのはやめて下さい(常連になったらくれると思うので通うこと)。
犬OKの外テーブルは1席のみ、椅子は5脚あるがスペースが狭いので、犬連れで5人は無理、できれば2〜3人がいいだろう。この界隈の店舗に時々見られる外テーブルは混雑時の入店待ち椅子代わりだったり、仕込み用スペースだったり、半分物置代わりだったりするので、基本的に飲食を想定していない造りが多い。最近は本当に人気があるようなので、必ず犬がいることを告げて外テーブルを予約すること。ただし、冬の間は外テーブルはなくなってしまうので注意のこと。また、テーブルは店の縁にあるちょっとした段差の上に設けられており、すぐ横の路地は車の通行もそれなりに多く、テーブルの上に鍋がグツグツ煮立っているので、きちんとマテができる犬でないと落ち着かない、というより危ない。
駐車場は職安通りに面して50mほど明治通り方に行ったところにそこそこの大きさのものがあるが、裏技としてはすぐ近くにあるドンキの駐車場に入れてしまうというのもある。ちょっとした買い物をすれば2時間は無料なので、車で来たついでに買い出しをしてしまおうという手もありかと(運転手は酒を飲んではいけませんよ!)。全員で酒を飲みたいなら、大江戸線東新宿駅徒歩約4分、職安通り北側の歴史的建造物風の白壁が目立つ焼肉屋「高麗」と肉のハナマサの間の路地を入ってすぐ左側にある。JRだと新大久保から徒歩約10分ほどだが、土地勘がないと難しいかも。地図はググれば他のサイトにいろいろあるので、そちらを参照して下さい。