ノーフォーク軍港巡り観光船

U.S Navy Super Carriers

本隊掲示板にお越し下さった、オシアナ(というかウィスコンシンの前)で出会ったどら猫さんから、ノーフォーク軍港巡りの観光船で撮影した空母3隻並びの写真を頂いた。お許しを頂いたので、こちらで紹介。
大西洋艦隊司令部の所在するノーフォークは世界最大規模の軍港であるが、この巨大な基地に停泊する艦船群を間近に見られる観光船が3月〜12月の期間中、市街中心部の記念館として保存されている戦艦ウィスコンシンの横から出ている。
ツアーは1回約2時間、1100と1400の2回(3・11・12月は1400のみ、5月最終月曜日のメモリアルデーの週末から9月第1月曜日のレイバーデーまでは1730もあり)出港する。乗船券は大人1人15ドル、乗り場では売っておらず、隣の海洋博物館、ノーティカス1階の入館券売り場隣接の窓口で売っているので、出港間際に慌てないように。149人乗りの「ビクトリー・ローバー」は上部が露天のデッキとなっているが、往路はずっと右側に岸壁と停泊艦船が来るので、ちょっとでも近くで撮影したい人は右側に座ろう(もちろん復路は来た道を引き返すので、帰りは左舷が岸壁に面する)。乗船時には軽く荷物チェックがあり、長玉では撮ってはいけませんと一応注意される(あまり厳しい雰囲気ではないのでご安心を ただ場所柄あまり張り切り過ぎない方がいいかも)。
まずはダウンタウンに面する、ちょっと横須賀のヴェルニー公園周辺に似ているクラフォード・ベイを軽く一周、ここにも浮きドックに載っているカーニバルラインのクルーズ客船や、メンテナンス作業中の艦船がいたりするので目を離せない。その後速度をぐんと上げ、ハンプトン・ローズにつながるエリザベス川を一路北上、30分ほどは港湾施設コンテナ埠頭を見ながら進むと、北西の突端に位置する海軍基地が見えてくる。
まず最初にアルゴル級の車両貨物輸送艦が停泊しているピアを過ぎると、いるわいるわ、アーレイ・バーク級とタイコンデロガ級が数え切れないほど・・・中程には、ロサンゼルス級原潜が停泊する潜水艦桟橋も。東海岸の潜水艦基地というとグロトンをまず思い出すが、ここノーフォークにも相当数が配備されている。お次は揚陸艦艇、タラワ級・ワスプ級オースチン級などが停泊する合間にヘンリー J.カイザー級給油艦の姿も。
そして真打ち、空母は最北端のピア12・14に停泊している。今回見ることができたのはドワイト D.アイゼンハワーDwight D.Eizenhower CVN-69(写真右)、ジョン F.ケネディJohn F.Kennedy CV-67(同中)、カール・ビンソンCarl Vinson CVN-70(同左)の3隻。ケネディは類別上は練習空母となっているが、隻数に余裕がないので通常の員数に加えられている。また、同艦の本来の母港はフロリダ州メイポートである。カール・ビンソンは本隊で観音崎通過をレポートしたとおり、就役以来太平洋艦隊の所属であるが、11月から約3年半におよぶ炉心交換や各部オーバーホール(RCOH:Regular Complex Over Haul)のため、ノーフォークの対岸にあるニューポートニューズ・シップビルディングス・アンド・ドライドックCo.へのドック入りを控え大西洋に回航されてきたもので、いわば里帰りである。ちなみに、現在米空母の主力であるニミッツ級原子力空母のような超大型艦を建造できるのは、世界中でこのニューポートニューズ造船所しかない。
太平洋艦隊は空母の母港が比較的分散しており、最多隻数のサンディエゴで3隻だから、恐らく3隻並びを見ることは不可能。1隻で地球上の面積の80%を破壊することができるとも言われるアメリカ海軍の空母が3隻並ぶ光景を見ることができるのは、世界中で恐らくここだけと思われる。
カール・ビンソンの前まで来たところで、船は反転し今度は左右が逆に。行きに撮り逃した艦船を狙う最後のチャンスである。ノーフォーク基地には滑走路もある。上空にはノーマークなのが残念だがC-2が延々タッチアンンドゴーを繰り返しており、一度はF/A-18も2機で降りてきた。
ここまで暑いバージニアの空の下、露天デッキで頑張ったので、ちょっと一服と下に降りてみる。1階デッキは空調も効いており、興味ない同行者連れの場合も安心して寝てもらうことができる。売店ではビールやジュース、軽食のほか、絵はがきや記念各種グッズを売っているが、ラミネートアメリカ海軍艦船早見表は5ドル。ノーティカスの土産物屋では3.95ドルで売っているので、ここで買ってはダメ!
2時間というと飽きるほど長いかと思っていたクルーズも、あっという間にウィスコンシンの姿が見えてくる。この後はノーティカスで土産物をみつくろって、金曜だったらホテルには帰らずにオシアナのトワイライトショーに向かおう。そのためには1100の便に乗船するのが必須。
この他、もう1隻、"Carrie B.ハーバークルーズ"という業者が同様な軍港巡りの観光船を運航している模様だが、こちらは今回確認できなかった。乗船場所はビクトリー・ローバーよりももう少し東側に行った所で(多分インターステーツ264の橋のたもと辺り また、観光客にはあまり関係ないが対岸のポーツマスからも乗れるようだ)、こちらは2時間半と30分長い。パンフレットはどちらの業者ともノーティカスから続くタウン・ポイント・パークにあるマーケットプレイス前の遊歩道にある。
「ビクトリー・ローバー」のサイトは
http://navalbasecruises.com
まで。