来襲!おフランスの蒼きライオン

TGV-Atlantique No.375 at gare de Le

友人が、そのまた友人から聞いた話。つきあっていた彼女の親父に言われたそうである。
「女を10人抱いた奴でなければ、うちの娘はやらん」。
逆説である、そして、格言である。やれ娘が帰ってこない、男とも女とも知らない奴と旅行に行くと言って、心穏やかでない親父が、そんな押○学のような野郎に娘を喜んでくれてやるはずがない。しかし、女を抱いたこともない、あっても心許ないほど経験の少ない奴に、どうして大事な娘の一生を託すことができるだろうか・・・
昨年後半もほとんど厚木に行けず、貴重な祝日ということで、一応厚木に行く心づもりだったのだが、夜通しのライブで遊んできた同居人に朝起こされても、当然のごとく布団が恋しくて(昨日の酒―マッコリが抜けていないせいもある)、ふうこと籠城。さすがにまずいと思って起きたら1430だった。
これはいくらなんでもまずい・・・明日からふうこも久しぶりに普通の留守番サイクルに戻るし、散歩に行かないと、といいうことで、なんとか支度を整えて出発したが、カタネにパンを買いに寄ったりして(しかも休み)もうお台場には間に合わず、代々木公園で日没直前のひととき、慌ただしく歩かせてきたが、寒いこと寒いこと!それでも、冬の夕暮れ、まるでセントラルパークのように(行ったことないけど)サックスの練習をしている人や、2人の世界を築いちゃってる人達、はしゃぎ回る親子連れなど、風情のある光景に、これはこれでいいな〜なんて思いながら一周してきた。ふうこも落ち葉に半身埋まりながらはしゃぎ回って、結構いい散歩になったようだ。
車に戻って、さてこれからどうしたらいいかと考える。いよいよ正月休みも終わりだし、さっさと帰ってもいいのだが、それにしてもまだちょっと早いかな、と。「プジョーに行ってみないっすか?」
今売っている「CREA」の犬特集、141ページを見ていただきたい。「至福のDOGリゾート極上案内」というホテル・車のタイアップ紹介のコーナーで、ホテルのコテージの前に停まっているマイチェンしたプジョー307CC、最初に見たときから気になっていたのだ。買えるもんならハマーが欲しい私と、常からパンダが欲しいという同居人だが、この時ばかりは珍しく好みが合ったらしい。やはりちょっと気になっていたというのだ。
レンジがあるのに、なぜ車を物色しなければならないのだ、というご質問は、今は勘弁していただきたい。話には順序というものがあるし(いやそれなら先にそちらを話すのが順序なのでは・・・)、心の整理やらもろもろの算段がついていないので・・・さて、話は戻るが、ではプジョーはどこ?と思っても、皆目見当がつかない。確か246の桜新町辺りの上り線沿いにあったような気がしたので、いずれにしても世田谷方面へということで走り出した。途中、電話ボックスに寄ってタウンページを開いたが、なぜか駒場近辺なのに目黒・品川版が備え付けてあり、碑文谷とのこと。猫飯の近くか・・・ああ、そういえば目黒通り沿いにあったかねえ。
というわけで、「遠いんじゃないの?」という同居人の声を無視し三宿、五本木を抜けてあっという間に到着したが、いきなり入るのはちょっと・・・なぜかというと、犬の散歩だけのつもりの小汚い格好で、車は泥だらけ、車内は毛だらけ、それで店の角を折れれば、「お車、ここでお預かり致します。」ほらキタ〜!パンフもらうだけじゃ帰してくれるわけないじゃん! というわけで、受付に案内されて名前住所の記入(笑)
早速展示車を見て回る。しかし、307と言われても、プジョーと言えば205T16、405、905と末尾5シリーズ(しかも公道を走れないようなのばっか)しか知らず、近年のモデルなどまったくわからない私としては、これはいつからある、どのようなセグメントのモデル?となんとも現実感の薄いシチュエーションである。2階に案内されると、これは私でもわかる206CCと、フラッグシップの407、あと、307の7人乗りワゴンが置いてあった。乗ってみると、実は結構これがイイ・・・屋根が超ガラスルーフで、後席は中央のシートバックが倒れてカップホルダーに。今まで「まともな」車に乗ったことがないので、実は私はこういうのに弱い。シートは全部セパレートで取り外し式、全部取れば何でも載りますよ〜、とのこと。
とにかくガラス面積が大きく、Aピラー直後の三角窓部、インパネなど気に入った所も多く、実はこれがいいんじゃね〜か、と思いかけたのだが、そんな私の心情変化を知ってか知らずか、これなら別にプジョーでなくてもいいだろ、という同居人に引きずり出された。というわけで、もう一度307CCの算段。4人乗る機会もそれなりにあり、盗難や車上荒らしは絶対に避けなければならないので、2シーター・幌屋根は候補から除外せざるを得ない。鉄屋根で完全自動、後席もそれなりの居住性でファーストカーとしても十分使用可能という話。外観やインパネ、シートは206の方が超スパルタンでいいのだが、いかんせん後席が・・・ふうこでも狭いと文句を言いそうだ。人間の座れるスペースではない。
ディーラーの方には悪いが、外装と内装の組み合わせで大いにもめて、閉店時間を大幅に過ぎて店を辞した。もちろん、これ以外にもいろいろ交渉はあったのだが、進行中の事案なので現状で書くのは控えさせていただく。しかし、今回は本当にボディカラーの選択に死ぬほど迷っている。レンジは中古だったから迷うこともなかったが、それ以前でも今まで色や内装で悩むなんて考えたこともなかった。「そんな人もいるもんかいね〜」なんて思ってたのだ。
外身を取れば中が気にくわない、中本位で選べば外の色が希望と違う・・・しかも、さすがドライビングカーだけあって5MTもラインナップされているが、これがベーシックから50万円高。昔と違って、今はマニュアルが贅沢品なのだ。やはりどうせここまで傾くのなら左ハンドルのマニュアルまで行っちゃいたいところだが、同居人がこれなら乗れるんで免許取りたいけど、マニュアルは嫌だ!と。いやいや、あんたマニュアルは難しいなんて根拠のない俗言ですよ、ほとんどの人が現代日本で必要ないからAT限定にしてるだけ!って説得している最中です。
Photoは私のライブラリーにプジョーの車なんてあるわけねえので、905の主戦場、ルマンの駅に停車中のTGVアトランティック375編成を。