307CCに似合うカーナビを考える

Center console of 307CC

ふた月もカーナビのカタログを穴の開くほど見つめていると、最初はチンプンカンプンだったのが、いっちょまえの口もきけるようになってくる。
もともと道と方向感覚には自信があるので、レンジにもカーナビはつけなかったし、今回もどうしても欲しいというほどのものでもない。だから、ナビ機能とかはそれほど重視しておらず、欲しいのはミュージックサーバー。釧路に行く時など、今まではCDを40枚位持って、それだけでカバンが1つパンパンになって、重さも容積もバカにならないのだ。これを出先でいちいち6枚組みのチェンジャーに入れ替えるのが面倒だし、スマートでない。307CCにはスペースの余裕もあまりないし、ハードに曲がどんどん貯まっていってくれれば便利である。
思えばレンジでテレビを取り付けたとき、5年ほど前だが、ざっとカーナビも研究してみたものの、まだHDDはおろかDVDもほとんどなく、全国のデータを収めるだけでCD-ROMが7枚組位になってしまい(しかも行く地方によってそれを抜き差し)、それで25万もしたのである。今は30GBでメーカーによっては4,000曲も入るとか、隔世の感がある。あと5年したらどんな機能が実現するのだろうか・・・すでにBluetoothで手持ちの携帯のハンズフリーた音声指示ダイヤルなどは搭載している製品も見られる。今後はETCや地デジチューナー内蔵の方向に向かうのだろう。
で、307CCだが、この車には大きな問題があった。純正のヘッドユニットが、近年の欧州車のトレンドである統合データバス、CANの回路の一環を構成しているため、取り外せないというのだ。どうでもいいような吊しのヘッドユニットである。普通だったら真っ先に取っ払って、2DINのインダッシュをぶち込みたいところだ。が、それをやると、あのピアスの穴の都市伝説みたいに・・・キャ〜(絶叫)
いろいろなオーナーさんのブログや情報掲示板サイト、専門店などを回って研究してみるも、マイチェン前のモデルではCAN-BUSに接続していないので取り外しが可能で、2DIN一体型インダッシュが主流、ディーラーオプションにさえ設定があった。今回はオプションカタログにもT6型、マイチェン後のうちのモデルにはつきませんと断り書きがしてあって、プジョーの日本法人としても四苦八苦している様子が伺える。カーナビもクルマ命の金持ちマニアの道楽から、必需品のようになってしまった現在、これで車種の選択自体を諦めてしまう人も出てきてしまう。
オンダッシュは、せっかく本革のきれいにうねったトリムなのに、そこにステーを両面テープで接着など絶対やりたくないし、中央の奥にあるマルチファンクションディスプレイが見えなくなってしまう。では空いている1DIN分に万力のような市販取付金具を用いてモニタをつけ、本体は座席の下にでも置けば・・・オンダッシュでもインダッシュでも、純正を勘定に入れれば3DIN分のスペースが必要で、どれか一つがダッシュボードからあぶれてしまうのである。合計「3」をめぐる足し算引き算の攻防。
その後、別に純正を使わないのなら、配線はつないで置いてこれをシート下に置いて、2DINインダッシュをはめればいいのでないか、と気がついた。セキュリティやオートワイパー、ライトなどの設定はすべてこの純正ヘッドユニットで行われるので、移設は無理かと思ったのだが、納車されてみれば、最初に設定してしまえば後はほとんどいじる機会がない。これならどこにでも・・・と思ったが、307CCのシート下はかなり狭く、本体が大分はみ出してしまうらしい。ダッシュボード内設置という技もあるが、現物合わせで業者に見てもらうまで私の一存ではどうにもならない。CAN-BUSの配線は1cmたりとも延長できないらしいので、取り回しの余裕分でダッシュボード内まで延ばせるかも見てもらうまでわからない。
そもそも、カーナビにアンプが入っている製品は、これを純正と並列でつなぐことはできないので、最初から候補にならないのだ。ただし、純正のオーディオ機能だけ殺して、モニタリング・設定機能だけを生かすことができれば問題なく、事実そのようにしてアンプ・チューナー入のモデルを組み込んだマイチェン後のモデルもあるようである。だが、その配線はどのようにすれば・・・ディーラーに聞いても今ひとつ明確な返事がもらえず、さりとて純正を外すのは絶対にやめて下さいとの一点張り。ま、これは仕方ないが・・・CAN-BUSは現代の車ではまさに中枢神経、これをむやみにいじったらコンピュータがパンクして、最悪動かなくなってしまう。レンジも結構な光りモノ仕掛けだったが、307はさらに上手を行っているようだ(その差10年だから当たり前だが)。取付業者の間でも、欧州車のデータバスはかなり頭を悩ます問題になりつつあるようで、逆にそこがビジネスチャンス、いち早く取り組んでそれを売りにしているショップも出てきている。そうねえ、ピアスの穴開けより難しいやね、フグの調理みたいなもんかね〜
人によってはどうしてもカーナビ、マルチファンクションディスプレイなどどうでもいいという考え方もあるし(その方が多いだろう)、純正ブッた切っても大丈夫だった、という猛者もいらっしゃるようだが、あまりゴテゴテさせたくないし付いているものは美しく表示させたい私は、それならカーナビイラネという結論になってしまう。星の数ほどある製品の中から、インダッシュで純正と仲良く共存できるのはただ1機種、世界初の1DIN完結カーナビであるイクリプスのAVN075HDのみ。これもアンプ内蔵なので、純正のオーディオ回路を殺すことができるか確認が必要であるが、施工例はあるようなので、紆余曲折の末第一候補になっている。もっとも、春のニューモデルでアンプ・チューナー抜き仕様が出るとか出ないとか噂があるので、さんざん話に付き合わせてしまったアキバの某店には悪いが様子見か?
秋になれば、このCAN-BUS対応のアンプ・チューナー抜きモデルって結構出揃うんだろうなあ。それまで待つか・・・