オシアナツアー 第2の失敗談

a waffle maker of hotel in Norfolk

今日は何書こうかな・・・そうだ、昨年、トムキャットお別れツアーでオシアナに行った時の大失敗談をお話ししよう。
伝統的に、大西洋・太平洋の2つの大洋に艦隊を組織しているアメリカ海軍は、航空部隊も両洋に大別した配置となっており、その中でも戦闘機、1970年代以降はF-14トムキャットを装備する戦闘飛行隊は、大西洋はバージニア州ノーフォーク近郊のオシアナ、太平洋はカリフォルニア州サンディエゴ近郊のミラマートップガンで有名な基地)に集中して配備されていた。空母が母港に停泊している時はこの陸上基地で訓練を行い、次の半年におよぶ航海に備えるのである。
定数12機(+2〜3機の予備機)を抱える飛行隊が、最盛期には両洋合計で現役24個(さらに予備役4個と機種転換2個)飛行隊を数えていたのも今は昔、冷戦終結に伴う航空団=飛行隊削減と、空母搭載機のマルチロール化=F/A-18化と、自身の陳腐化・老朽化でF-14飛行隊はその数を減らして行き、太平洋ではミラマーは閉鎖(海軍部隊は撤退したものの海兵隊部隊が移駐してきた)され、攻撃機の基地であったカリフォルニア州のリムーアに集約、東海岸もオシアナは一時閉鎖が取りざたされるほど、それぞれ「ファイタータウン」と言われたかつての栄光は見る影もなくなってしまった。
そして、いよいよトムキャットが見られる最後のチャンスということで、日本人が大挙して太平洋を渡った昨年9月、私もご多分に漏れず機中の人となっていた。飛行機のチケットや宿の手配は付き合いのある旅行会社に任せたが、ツアーと違い初めてのアメリカで1人、いろいろ四苦八苦させられることになる。

宿はノーフォーク空港から至近の位置にあり、オシアナの基地までは車で30分ほどの距離。2日にわたるエアショーの会期プラスノーフォークの軍港巡りをするために、ホテルには3泊したのだが、連日朝起きれば0630にはホテルを出なければならないようなスケジュールで、朝食など摂っている暇はない。まあ、↓の観閲式で書いたように、夢中になっていればメシなどどうでもいいのである。大体、どこで何食ったところでここはアメリカ、メシなぞ楽しみでも何でもなく、カロリー補給以外の意味を見いだせないのだから・・・
そんなわけで、3日ともホテルには寝るだけに帰ったようなもので、メシをどこで食えるのか、そもそも食わしてくれるのかどうかも知らなかったのだが、日曜の夕方、何もかも終えて、トムキャットと最後のお別れもして、燃え尽きたようになって帰ってきたところ(この時点で、最大の悲劇の幕が開きつつあることをまだ知らない幸せなボクちゃん)、明日も飛行機の時間は早いけどメシ食う時間位はありそうだな、どうせ宿代に入ってるなら食わにゃ損損と、フロントを覗いてみて隣に小さな食事のスペースがあるのを発見(アメリカのモーテルは部屋が全部駐車場に面して屋外に扉がついているような構造なので、フロントにはチェックインの時しか用事がないのだ)。

翌朝、チェックアウトのため荷物をまとめ車に積み込み、空港までは15分ほど、最後くらいゆっくりホテルで朝飯食うか!とフロントに向かった。畳5畳ほどの小さなスペースには先客はおらず、一人でさて何食おうか・・・と思っても、パンもなんかまずそうな菓子パンが2切れほど、あとはクッキーがある程度で、まともな食い物なんかありゃしない。これで・・・全部!? ハムとか期待してたんだけどなあ。まあいいか、ここはアメリカ、ここはアメリカ・・・と心の中でつぶやきながら、その数少ないパンを取って、食っては見たものの案の定ボソボソ。これでなんで皆あんなデップリになるのかな〜、などと考えて半分上の空で自動的にアゴを動かしていたのだが、あ、スープがあった。
細い鉄棒で区切られたコップのホルダー(食堂の洗い場で見るような30〜40個仕切って入れられるやつ)に、プラの使い捨てコップが10個ほど、中にコーンスープが入っている。ま、タダだからこれも頂かなきゃ損だ・・・と持ってきて、一口飲んだ。が!
!!!なんだコレ!? コーンスープ!? いや、違う。改めてその液体を見てみると、ちょうど醤油を少し垂らしたとろろのような、ちょっと泡立ったクリームのような質感。で、舌触りが・・・なんかピリピリくるのだ。それもちょっととろろに似ている。が、ここはアメリカ、まさかとろろがホテルの朝食にあるはずもない。大体、味はなんとも言えない甘い感じなのだ。甘さベースに、ちょっとしょっぱい感じ、その割合は大体9:1ほど。
でも、これ飲めるものか〜? いくらアメリカ人っつたって、これ平気で飲んでたら地球人じゃねえよ、しかし、ほんの一口飲んでしまってあと9割方残っているが、出された食べ物を残すのは私の人生で一番やってはいけないこと、ここは何としてでも飲まねば・・・と、意を決してもう一口!オエ〜!
なんとか半分までは来たけれど、さすがにもう限界、残しちゃおうかな。あ〜食い物残すなんて一生の不覚、そ〜っと元に戻しちゃおうかな(いやさすがに減っているのがモロバレなので無理)。
そこへ、ビジネスで滞在中と思しき向こうのオヤジ1人登場。まずジュースをコップに注いで、クッキーを数枚皿にとり、オヤ?なんかスプレーを手に取ったぞ。マジ○クリンのようなスプレー容器である。何に使うのかこのオヤジが来るまでわからなかったのだ。そのスプレーを、ワッフル焼き器にシュッ、シュッとやって電源を入れた。上下を合わせて挟むとワッフルの凹凸ができるアレである。しかしオヤジ、ワッフルがどこにもないではないか。その次の瞬間、私はあまりの驚きと恥辱に打ちのめされたのであった。
オヤジはやおら問題のプラコップを手に取ると、手慣れた手つきで中身をワッフル焼き器にぶちまけたのである。は?オ?ナニ〜!(すいませんいつもこんなんばっかりで) あのとろろの正体は、そう、ワッフルの原料だったのだ〜!
子供の頃、ホットケーキを焼く親の横で、まだ溶いただけの粉をペロペロ舐めるのが好きだったが(みんなやりましたよね?オレだけ?)、あれに似ていればわかったのだろうが、それとも似ても似つかない味だった。しょっぱさとあのピリピリ感が・・・というわけで、手元には半分だけ残ったワッフルの原料が。しょうがねえなあ、焼いてみるか、とプレートに流し込んでみたが、どうにもフルスケール1枚焼ける分量があるはずもなく、ごらんのようなハーフサイズが出来上がってしまった。ここでオドオドしていると、オヤジにおのぼりさんであることがバレてしまうので、あくまでもナチュラルに。でもどう見ても半分しかないんじゃ言い訳もできんわな〜。
ワッフルって、もう焼き上がってる厚い生地があって、それをあのデコボコプレートに挟み込んで作るのかと思っていたのだ。こんな何でも知ってるようなこと言う癖に世間知らずなオレ様を、皆さん笑わないで〜、いや、笑って〜!
今年は、こういう赤っ恥をかかないようにしたいと思います。