祝成人 カレーの王子様

307CC & Takatano-baba street

昨日、横田の帰りに1人で夕飯を食おうと思い、新青梅街道の店をずっと眺めながら帰ってきたのだが、相変わらずの優柔不断さで時宜を逸してしまい、都内まで戻ってきてしまった。環八の内側に入ってしまえば、駐車場つきの飲食店はもうない。駐車場に停めてまで飯食うのも・・・だから早く入れば良かったのに。でも、なんとなく吉牛とかには入りたくなく、さりとて1人ではファミレスにも入りにくいのである。本当はトンカツが食いたかったんだけど・・・
で、結局馬場に出て、どこかトンカツを食わせてくれる店をと探したのだが、そんなことわかっていたのに、馬場にトンカツ屋なんてあるわけない。どのみち駐車場に入れるしかなく、停めてから手近の、久しぶりとなるラージプ−トに入ってみた。
本当、飲食に関しては保守的で、めったに新しい店を開拓することはないので、まあ○○の一つ覚えというところである。日曜の遅い時間ということもあってか、店内は空いており、1人でも大テーブルを占領することができた。目の前には、ムスリムの若者たちがたまの会合か、皆でお食事会。パキスタンのビデオクリップを眺めながらなんだかんだと楽しそうに騒いでいる。
この店は以前の日記カレーの王子様や!前編で触れたことがあるけれど、日本人の女主人が向こうで知り合って結婚した旦那さんと2人で始めたパキスタン料理屋で、私も生活が変わってしまい最近は訪れる機会もなくなってしまったのだが、もともとのカレー好きの嗜好を開花させてくれた店である。迷うことなく看板料理のクライチキンセット1,400円を注文。辛さは昔は無闇にレベルの高いのを頼んでいたのだが、今回はチョイ辛のベリーホットにしておいた。ほどなく、サフランライスが出てきたが、ここの大盛りがすごいのを忘れていて、出てきたのを見てびっくり。こんなに食えるのかよ・・・しかも、これに加え大判のナンもついてくる。以前はナンはなかったように記憶しているが・・・
大盛りにヒーヒー言いながら食っていると、店の主人が話しかけてきた。「前によく来てくれたことがありましたよね?」ええっ!? 覚えていてくれたのか? 前といっても、もう15〜16年もの話である。前の日記で書いたように、当時はバイトが終わったらここというほど通いつめて、そうね、週に2〜3回も着たこともあったかね。だがしかし、15年も訪れていない客の顔を覚えているとは、まさに客商売の鑑!
同居人に話したら笑われた後に、まあ至極当然という反応をされた。私の顔は、大方の人にとっては一度見たら忘れられないものらしい(そしてふうこもそれを受け継いだ)。しかし、印象が良い悪いはまた別問題で、人によってはかなり受け付けない人もいるみたいだが(話もしないのにいわれなく嫌われることもよくある)、まずは営業上はつかみはOK!でしょう。それで仕事上得をしている実感はないが、同業者や取引先で私の噂話をよくしてるんだよ、という話は良く聞く。
こちらとしても嬉しかったので、日本語がすっかり達者なマスターと話をしたところでは、奥さんは体を壊して今は関東近県の実家?に帰ってしまったそうだ。私が覚えている、当時4〜5歳位だった息子さんも、母親の元で暮らしているという。「今おいくつになったんですか?」と聞いたら、20歳だそうだ。あんなに小さかったのに・・・時は流れて、マスターも私も年をとった。でも、この家族の話って、聞いちゃいけなかったのかな? 「店が明治通りの向こうにある頃から知ってますよ」「そうだね〜、もう店開いてから20年になるもんねえ、いや、顔見たときにちょっと見覚えがあったからさ、前は髭がなかったから今とちょっと印象違うけど、そうかな〜と思って」ウハハハ、そんなことまで覚えていらっしゃったか。そうねえ、今ちょっとムスリムっぽくなったかな?この風貌で米軍の戦闘機や軍艦追っかけてるわけですけれども(もちろん、そんなことは言いませんでしたが)・・・
U-2坊主の横田に落胆した一日の終わりに訪れた、15年の時を隔てた小さな邂逅。クライチキンは当時とまったく変わらぬ味で、おいしく頂きました。