速報!イージス巡洋艦シャイロー来航

USS Shiloh CG-67

本日、ニュース等で周知のとおり、アメリカ海軍のイージス巡洋艦シャイローUSS Shiloh CG-67が来日、横須賀に新たに配備となった。
というわけでして、これは最初にビシッ!とお迎えしておかないとけじめがつかない(?)ということで、多忙の間を縫って撮影に行ってきました。
日程は事前に報道されているので誰でも知っているのだが、時刻まではコネなし一般人には知る由もない。厚木の方ではよく朝一の離陸を逃すことがあるので、なるべく早く出てオンステーションしておきたいところだが、フネも無闇に早く来るものではないので、大体0900位を目標にして0550に目覚ましをセット。しかし、昨夜の帰りが遅かったため、今回も例によって徹夜かどうか悩みつつ、0400前にとりあえず就寝。布団で寝てしまったのでそのまま夢の国・・・となるかと思いきや、同居人にたたき起こされた。
そうそう、なんつったって初のMDの撃ち手、1999年の米海軍による初試験以来、長らくSM-3の発射試験に従事し、まだ数少ない発射能力を持つ3隻のうちの1隻(他の2隻はレイク・エリーUSS Lake Erie CG-70とポート・ロイヤルUSS Port Royal CG-73といわれる)である。もちろん、以降は横須賀常駐艦となるのでいつでも撮れるっちゃー撮れるんだが、初配備の貴重な記録、ここで取り逃がしてなるものか・・・と奮起した。0610過ぎ出発。本日は朝が早いこともあり、分遣隊長は司令部詰めとなる。
まず代田でほとんど空のガスを入れ、平日のそんな時間に通ったことのない環七を南下してすでに始まりつつある渋滞に巻き込まれながら、目黒通り―三京―幸浦線のおなじみのルートで金沢へ、中2日の同じ道である。俺もようやるよな・・・カーナビの軌跡を忠実にトレースして行く。
0730前には現着したが、基地内を見たところさすがにまだお越しでない様子。今日はセレモニーも行われるらしいし、お偉いさんをあまり早くから起こすわけにも行くまい。というわけでここからは炎天下、我慢の待ちに入る・・・もし1500位だったらどうしよう、7時間待つのはさすがに辛いぜ。この辺がコネなしの辛さ・・・大体、平日ということもあるが、同業者の姿がまったく見当たらない。観音崎の方で撮ってるのかと思うが、あそこはさすがに巡洋艦クラスとなるとちょっと小さい。しばらくするとT○Sのクルーが2人でやってきた。本日はこの2組での撮影となりそうである。

0900過ぎ、港内からタグが数隻、外に向かって出ていった。そろそろかな? 本日の撮影ポイントからでは、大きな半島となっている海軍基地地区が浦賀水道方向にを塞いでおり、まったく動向がつかめないのだが・・・ふと見ると、上空には多数のヘリコプター。来たぞ来たぞ・・・0930、シャイローは唐突に、そしてかなりのスピードで姿を現した。

浦賀水道航路を逸れて横須賀本港の入口の灯浮標を回り込むようにしてやってくるシャイロー。報道のヘリは都合7機、在京キー局と大手新聞社の保有機が入り乱れて飛んでいた。順光の光線状態、迎えに行ったタグがこの時点でとりついておらず、私としてはかなりいいコンディションでの撮影に、早起きして来た甲斐があろうもの・・・とニヤニヤする。

左回頭を終え、横須賀港内に進むシャイロー。回頭も結構突っ込んでからグイっと回り、なかなか度胸の操艦を見せる。この後、港外泊中の「はたかぜ」DDG171(土曜日のサマーフェスタで体験航海を実施した艦)と消磁所で消磁作業中の「おやしお」型潜水艦の間を通って結構なスピードで岸壁に近づいてきた。
シャイローは世界初のイージス艦であるアメリカ海軍のタイコンデロガ級ミサイル巡洋艦の21番艦で、1992年7月就役。横須賀には最初に配備されたバンカーヒルUSS Bunker hill CG-52、モービルベイUSS Mobile bay CG-53、ヴィンセンスUSS Vincence CG-49、チャンセラーズビルUSS Chancellorsville CG-62、カウペンスUSS Cowpens CG-63に続いて6隻目のタイコンデロガ級となる。

バンカーヒルUSS Bunker hill CG-52
艦の前後部甲板にフル規格となる61発収容のMk41・VLS(よい子のみんなはもうわかっていると思うけど垂直発射システムのことね)を装備(8×8=64セル 残り3セルは再装てん作業用のクレーン収容部となる)*1、一定量はトマホークや対潜ロケットであるアスロックを入れていると思われるが、鳴り物入りで配備された「海上MDランチャー」ともいえる同艦には、多数の弾道弾迎撃用ミサイルである(現状では)スタンダードの最新型、RIM-156・SM-3が仕込まれているはずである。

キティがお留守のために、堂々空母岸壁のバース12に乗り付けたシャイロー。いろいろ歓迎式典があるので、手狭なバースでは具合が悪いのだろう。見たところ、バースの突端にも大勢の報道陣が横並びになっていた。そしてその隣には例のハンドリング用のおんぼろトムキャットが(この写真ではわからないが、シャイローの艦首の所に置かれている)・・・
右側のハーバーマスターピア・westには土曜日に引き続き、シャイローと入れ替わりに離日が近いチャンセラーズビルが(艦尾ヘリ甲板に白いテントが張られている)、そしてその奥のバース6には珍しく佐世保のドック形揚陸艦、トーテュガUSS Tortuga LSD-46が停泊していた(チャンセラーズビルの後ろのぬりかべみたいな艦)。この時点で0945、姿を現してから15分ほどで接岸した。本日の仕事はこれにて終わり〜。

*1:このクレーンはあまり使う機会もなく3発分無駄だということになったらしく、順次撤去されるようである