横須賀サマーフェスタ2006

The Navy port Yokosuka

夏休みのしめくくり、横須賀サマーフェスタ(旧ちびっ子ヤング大会)に行って来ました。
今年は車で行くつもりであったので、いくらかは楽できるかな、と目覚ましを0640にセットしておいたのだが、興奮していたわけでもないけれど全然眠れず、完徹も考えたのだが朝方うとうとして、起きたのは0700。この20分が生死を分けた・・・
前夜風呂に入っていなかったので、ザッとシャワーを浴びて家を出たのは0730だったが、三京―幸浦線で八景島から15分ほど、こちらも昨年と同じスケジュールの花火大会で朝から慌ただしい雰囲気である。
心配していた駐車場もガラガラで、いくら昨今の海モノ人気といってもまだまだ空にはおよばないのか・・・とJR横須賀駅前に出たところ、うわ〜! 吉倉の門の方からダイエーの方に向けて、一直線の行列が。仕方ないから列の後ろにつくべくどんどん逆行して歩くが、いつまで経っても後端が見えない。戻ること100m以上、やっと尻尾をつかんだ。
しかし、まあ並んでいる連中、ほとんど全員が読○旅行のバッジを着けている・・・すごいなー、最初はニッチ商売だったろうに、大成功ですね。今やどこに行っても、そう日本に留まらず海外までも席巻しているもの。確かに楽なんだけどね〜。そういうわけで、ほとんど駐車スペースのない横須賀駅前には、どんどん観光バスが押し寄せ、その度ごとに行列はどんどん伸びて行く。で、進み具合といえば、なにせ昨今は手荷物検査があるものだからノロノロ、ノ〜ロノロ・・・

やっとゲートを通過したところで「あまつかぜ」のスクリューが置いてあるものだから、列から外れて撮影。またまたこれがあかんかった・・・手荷物検査を受けたところで、今度は館山からSH-60Jが飛来して港内でデモフライトを行う。昨年までは「しらせ」飛行科のS-61だったが、ついにロクマルに変わってしまったか、などと思いながらここでまたレンズを交換して撮影。これでダメ押し・・・

その先に、午前と午後で2回催される体験航海の乗艦券配布があった。もう半分諦めていたのだが、妙に人だかりができている。これはひょっとして、可能性ありかも!?と人混みに混ざってみたが、その寸前、十数人前で終わってしまっていた。

しかし、嗚呼人間模様、最後の境目でもめるもめる・・・怒号やら近くにいる自衛官に説教し出す爺様や、どんなにしっかり段取りをつけても仕方ないのかな。爺様興奮してもう何言ってるのかわからないし。「自衛隊は軍隊じゃない!・・・そうだろう!」とか顔真っ赤にして怒鳴ってるけど、もう全然関係ない話になってるし。自衛官の人も大変だ、神妙な面もちで聞いていたけど・・・

なくなってしまったものはしかたないので、その先にある交通艇での港内遊覧に並んでみた。こちらは随時実施されているので、20分ほど並んで救命胴衣を着込んだら出発。交通艇は一番狙っていた、ハーバーマスターピアwestに停泊中の離日が近いチャンセラーズビルUSS Chancellorrsville CG-62に向けて一直線! おかげでかなりの至近距離で最後の姿を収めることができた。これが一番の収穫っすよ・・・ヒヒヒ。

午後に天気が良くなってから「ときわ」のブリッジに登ったらこんな感じで撮れた。ちなみに下に見えるファランクスは隣にメザシでつけている「いかづち」のもの。

本日の吉倉碇泊艦は、Y1に「いかづち」DD107,「ときわ」AOE423、「しらせ」AGB5002がメザシで(予定では「きりしま」DDG174も加わるはずだったが当日は不在)、


Y2に唯一の潜水艦公開艦である「やえしお」SS598、

Y3に体験航海担当艦「しらゆき」DD123、同じく体験航海艦「はたかぜ」DDG171、「あすか」ASE6102、「たかなみ」DD110、

Y4には「うらが」MST463、「すがしま」MSC681。まだ乗ったことのない「ときわ」や「たかなみ」を重点的に攻めてみたいところだが、どの艦にも長蛇の列ができている。そして私は、サマーフェスタといえば、どちらかといえば併催の第2術科学校オープンスクールが主な目的なのである(昨年の日記参照)。
昨年の経緯があるだけに、今回は早々に2術校に行ってしまうことにして、両会場の間を結ぶシャトルバスに乗った。昨夜から雨が降り、急に気温が下がったこともあり、朝方は寒いほどで、来るときは久々に屋根を開けて走ったが、昼前になり天気も回復し、気温もそれなりに上がってきた。真新しい海自のマイクロバスに乗り込むと、冷房が気持ちいい。これで、いつもは見ることのできない吉倉地区の岸壁のちょっとした見学ツアーが楽しめる。たとえば、普段は姿を見ることのない特務艇迎賓艇、「はしだて」ASY91

なども、このように写真を撮ることができるのだ。
軍オタ、というより実は乗り物オタの私は、あらゆる乗り物の運転について異常に執着している。だから、軍艦も艦橋での操艦や、操縦室でのエンジン操作など、あまりフネ好きが興味を払わない分野が大好き。そんないわゆる「3分隊マニア」には、第2術科学校はうってつけのワンダーランドなのだ。しかし、この操縦についての解説を本日やり始めると切りがない。もともと本隊の独立コーナーでやろうと思っていたテーマだし、1日や2日の分量で解説できるものでもないが、観艦式に向けてちょっとでも触れてみたいので、日を改めて解説します。

さて、券をもらいそびれた体験航海だが、午前と午後の2回実施され、2隻×2回で合計2,500名が東京湾内の1時間半におよぶクルーズを体験できたらしい。1隻1回あたり625名・・・?ちょっと多すぎるような。体験航海では大体1隻あたり400名前後の収容人数かと思われるが、短時間ならもうちょっと詰め込むのだろうか。朝方の涼しいながらもドンヨリの天気から一転、快晴で気温も上がった午後、1530に遊覧を終えて戻ってきたミサイル護衛艦「はたかぜ」。沖泊めの「おおなみ」DD111の脇を通って入港してくる。

続いて戻ってきたのは横須賀といえばこの艦というほどおなじみの護衛艦「しらゆき」DD123。就役以来横須賀を離れたことのない生え抜きではあるが、今となってはふた昔以上前の汎用護衛艦である「はつゆき」型の同艦は主力である護衛艦隊ではなく横須賀地方隊の所属で、定係港はここ吉倉ではなく一つ北側の入江、第2術科学校がある船越になる。

入港する護衛艦「しらゆき」を「ときわ」の艦橋レベルから見る。中央に見えるのは「しらせ」の後部ヘリ甲板。南極観測船*1である同艦では艦内至る所に南極観測の資料やパネルが展示されるが、ここヘリ甲板には毎年南極の氷が展示され、子供ばかりでなく大人にも大人気。

色つきの放水デモなどを行う曳船タグボート)もこの日ばかりは裏方でなく主役として脚光を浴びることもある。YT79の船上で手を振るのはきれいどころのWAVE*2自衛隊のイメージキャラクター、パセリちゃん

その曳船による放水デモを「ときわ」のブリッジウイングから見る。隣の「いかづち」*3をこのような上から眺めるのは初めてで、煙突後部のSSM-1B(90式艦対艦誘導弾)のキャニスターのさらに後ろ、赤いキャップのシースパロー用Mk48VLSの全体像を見たのも初めて。

Mk48のアップ。当発射機は世にも珍しいシースパロー専用のVLSで、結局後に続く「たかなみ」型は汎用性の高いMk41で統一してしまったため、海自艦艇としては後にも先にもこの「むらさめ」型でしか採用されなかった装備である。四角い筒にシースパローが1発ずつ仕込んであるのだが、スペース効率も悪そうだし、何よりこんな身も蓋もない発射機があっていいものだろうか・・・ちなみに、横の円い筒はキャニスターからUの字を描いてつながっている発射時のブラスト逃がし用のパイプ。赤いカバーにはガムテープに「いかづち」と書いて貼ってあるのが面白い。
さて、こんなところで、本日は1600の終了に合わせて会場を後にし、高円寺の阿波踊りに行くので至急帰ってこい!という指令のため、急いで車を走らせたのであった。

*1:海自での類別は砕氷艦

*2:海自の女性自衛官のことを指す

*3:ちなみに、「いかづち」は映画「亡国のイージス」劇中でパープーンの攻撃を受け撃沈してしまう「うらかぜ」を演じている