ふうこ竜飛岬を目指すPart1

Hwooko in cape Tappi

昨夜もなんか忙しくて、準備もなかなかできなかった。2泊のドライブ旅行なのでそれほど荷物が多いわけでもないが、帰ってきたのが遅いこともあり、なんだかんだで寝たのは0400過ぎ。それでも4時間は寝られるだろうか・・・青森まで行くのだから、1日を有効に使いたいし、夜中に出れば高速の深夜割引が使えるのだが、今日も同居人は夜通しクラブでオール、帰ってくるのは明け方だ。出発は必然的に早くても0700過ぎになる。
ずっと青森、東北地方の天気予報を見ていたのだが、土曜は絶望的で、中日の日曜は昼頃に止んで月曜にはなんとか回復するらしい。しかし、その予報も見る見るうちに悪い方に転んできて、日曜も一日中雨のような観測になってきた。こんなんで行く意味あるのか!? しかし、宿も取ってしまったし、元々の旅行の目的はインドアの展覧会だ。私が我慢すればいいこと・・・朝起きたら、同居人が洗濯をしていた。時計は0730。初電で帰ってきたらしい。こちらも起きて、ちょっと早いがふうこの朝食。車を出してきて荷物を積み込む。
307CCは、屋根を一切開けないつもりなら、トランクにはかなり高さがあり結構な荷物が入るが、やはりオープンカーを走らせるなら屋根を開けたいのが人情、ルーフ分のマージンを取ると(皆さんが予想するよりはあるが)それなりの容量になってしまう。我が家は犬関係の荷物も多い。レンジで釧路に帰るときなどはいつもラゲッジスペースの大きさにまかせてケージまで解体して積み込んでいたが、307CCではそんなことは望むべくもない。しかし、2人で2泊の旅行なら、後席も利用してそこそこの余裕をもってドライブ旅行を楽しむことができる。
0815出発。すでに加須0900前通過が条件となる通勤割引の適用も微妙な時間なので、急がず浦和まで下道で行くことにした。出発時はバタバタしているので屋根は閉めたまま。0900前に東北道に乗るが、3連休の初日だというのに、東北方面は最悪の予報だけあって目立った渋滞はない。というわけで、スムーズに那須高原SAに到着、ふうこの散歩タイムとする。

ここの下り線にはドッグランがあるので、あまり先行きのんびりもできないが、多分この後散歩できる機会はなさそうだ。トイレも済ませてとりあえず一安心。ふうこは落ちていた長〜い葉巻をくゆらす(笑)
30分ほど休憩の後再出発。ここでかなり天気が良くなってきたこともあり、屋根を開けて諦めていたオープンドライブを楽しむが、案の定20kmも走らないうちにフロントガラスにポツポツと雨滴が・・・しばらく様子を見ていたが、ある時からザーッときた。慌てて路肩に停めて屋根をクローズ。前方の空を見れば文字通り先行きは暗い。帰ってくるまで屋根は開けられないかな、それも予定通りか・・・さらに、道路情報の電光掲示に目を疑う文字が!「福島西―国見間 雨 通行止 国道13号栗子峠 雨 通行止」!? いや、そんなに降ってるか〜!? 雨といっても、それほどの降りというわけでもない。それとも、この先でとんでもない事になっているのか・・・? 一度高速を降りる羽目などになったら、あっという間に1時間2時間はロスしてしまう。夕方までに弘前に行かなければならんのに・・・
その後、通行止めは福島西の一つ手前、福島飯坂―国見となったが、福島西を通過すると、すでにインターを出る車の列が長く続いていた。電光掲示には「福島飯坂 渋滞6km」となっている。ここで降りなきゃ・・・と思いつつも、いつもの悪い癖でタイミングを伺っていたら降りる時宜を逸してしまい、まさか出口の車線にねじ込むわけにも行かず、泣く泣く福島飯坂へ向かう。6kmか・・・福島西で3割方降りたとはいえ、全通行量が2・3個のブースに殺到したら出るまでに1時間位は覚悟しなければならないかも。ちきしょ〜、ETCつけてるのに何の意味もないじゃん!ちゃんとETC車は別レーンで誘導しろよ、こういう時!果たして、前方にハザードが見えた、カーナビで確認しても、福島飯坂までは確かに6km・・・
10分ほど、本当にノロノロの渋滞で、それでも1.5kmほど進んだところで、ア〜レ不思議、車列はス〜ッと動き出した。さては通行止めが解除になったな、あ〜福島西で降りた奴は可哀想に。以前、清水の体験航海に向かう時、東名で同じ目に遭ったことがある。余裕を持って1時間早く出たら2時間遅く着いたという・・・こういう時のドス黒い怒りといったら、本当に今なら人も●せると思うほどだ。民営化したんだから、サービス向上策でこういう時は払い戻す(無料通行)とか規定を整備しないと、いつか本当に誰にも相手にされなくなりますよ。しかも、やはり先程まで通行止めだった区間を通っていても、それほどひどい土砂降りだった感じは見られない。私なんか、中央道でなんども車に乗っているのか潜水艦に乗っているのかわからない!というような超土砂降りを経験しているのに、民営化でかなり基準を厳しくしているのが見え見え。山越え区間だからって、こんなんでいちいち止めてたら全然大動脈の役割果たせないじゃん・・・
昼飯は道中、仙台で牛タンを食うか、盛岡で冷麺を食うかその場の進行状況で考えることにしていたのだが、そんなこともあり若干ペースが予想より遅いので、仙台で済ませることにする。白石を過ぎれば電光掲示には「山形道 雨 通行止め」山形は太平洋側からは孤立してしまったわけだ。しかし、菅生を過ぎる頃にはこちらは雨もやみ、若干薄日が差すほどに回復、仙台宮城で降りて繁華街、国分町へ。
仙台牛タンといえば、発祥の地は「太助」と言われている。以前、そう13・14年程前、仙台に良く来ていた頃には食事といえば太助に行ったものだったが、2001年だったか、最初に「きりしま」に乗った夏の横須賀地方隊体験航海の折、仙台在住の同居人の友人に連れられて行った「利休」がかなり良かったのと、その頃「太助」はいつ行っても長い行列ができていたので、足が遠のいていたのだ。今回はまだ同居人が一度も行っていないし、たまには目先を変えて・・・と思って、最初から「太助」狙いで。
すっかり天気も回復し青空も覗いてきた仙台の街を、ふうこには車で留守番してもらって店を目指す。もちろん、地図を見るまでもないが、私が来ていた頃はアーケードからスーパーのような店の店内を通って裏に出たところが店だったはずなのだが、そのスーパーが見あたらない・・・多分、このパチンコ屋がそうなんだろうな、と思いつつ、一つ向こうの路地まで行って回り込んだら、やはりそうだった。昼時にはちょっと遅くなってしまったが、三連休だというのに行列もなく、最近はそれほど繁盛もしていないのかな?牛タン業界ももうずっと逆風が吹き荒れているしね・・・

しかし、恐らく11年位ぶりとなる「太助」の牛タン定食は、昔と変わらず美味であった。1.5人前の4枚盛定食1人前1,600円也。テールスープには大きな牛テールの塊が入っており、食い応えもなかなか。カウンター席はボチボチといった感じであったが、後の座席はほぼすべて埋まっており、食べている間にも続々と客が入ってくる。

おいしく頂いてから店を出たら、いつの間にか店の前には長蛇の列ができていた。やはりタイミングで待たされることもあるのである。いい時に入ったもんだ・・・
さて、あまり時間の余裕もない。いそいそと再出発することにするが、天気も回復してきたので、屋根を開けて走り出した。仙台西道路の長いトンネルを抜けて高速に乗ったが、10kmも走らないうちに再びポツポツと・・・それはまたあっという間に本降りになり、再び慌てて路肩に停めて屋根をクローズ・・・日頃の行い、なんていう言葉が本当に陳腐に思えるほどのタイミングの悪さ。なんのためにオープンカー買ったんだか・・・しかも、また電光掲示に目を疑うような文字が躍る!「松尾―安代 雨 通行止」!? オイいい加減にしろや〜! 着かね〜じゃね〜か!
しかし、いくら悪態をついても状況が好転するわけでもない。どんどん大雨の中心を追いかけているのはわかっているので、今度こそ通行止め解除を期待するのは無理というものだろう。前沢SAで一服しながらハタと考える。ならば!とここで機転を効かせ、夕方の通勤割引を適用するべく水沢で一度降りる。その後、盛岡を通過する頃日は暮れたが、いずれにしても岩手山など見えるはずもない。さすが奥の細道だけあって通行量は福島辺りとは比べるべくもなく、前後に1台もいない状況で岩手山SAを通過、これなら1つ手前で降りたりする対策も必要あるまい。果たして、前方にハザードが見えてきたが、すでにインターの直前であった。

それでも5分ほど行列に並んだ挙げ句、もうこちらも何年も来たことのないR282、安比高原への登り道へ向かう。日もとっぷり暮れ、土砂降りの雨の中、前も後も他県ナンバーの同志の行列だ。皆今日の宿にたどりつけるのだろうか・・・大場谷地峠、安比へ向かう頂上の交差点にあるコンビニに寄って、下り始めたところで燃料警告が点灯した。赤坂田のスタンドで給油。51.5リッター給油でメーターは598km=リッター11.6kmとまずまずの数値である。うちの307CCは、どんなに悪くても9kmを割ることはほとんどないが、逆にどんなにエコランを心がけてもこの辺りが限界である。
インターでいえば一つ分、安代からまた高速に乗るが、ここでなんと3回目!「鹿角八幡平―碇ヶ関 雨 通行止」いい加減にしろやゴルァ! すでに1800を過ぎている。本来なら宿に着いている頃で、ペンションなのであまり遅く着くと食事の時間もあるし、宿に迷惑がかかってしまう。さっき前沢で遅れそうだとの電話はしているが、これは本格的に遅れそう・・・なんとか2000には着きたいが、まだ100km以上ある。しかも鹿角八幡平の料金所までの取りつきが異常に長く、ここだけで10分を浪費!だから、ETCは先に行かせろって!暴動起こるよお前ら・・・
鹿角からはしばらく町中を通ることもあり、思うようにペースも上がらず、十和田から先はR282は通ったことがなかったので、坂梨峠のスパルタンさにびっくり。これで割と幹線国道とは・・・いい加減、トンネル掘った方がいいのでは!? しかし、多分普段通れば真っ暗であろう山深い峠越えも、時ならぬ他県ナンバーの大渋滞で大賑わいで、そのまま敗残兵の列はR7に合流したのである。このY字路も信号もないのにびっくり。R282の末路はなかなかすごいもんだな・・・
碇ヶ関からは1区間だけだが、もう一刻を争うので再び高速に乗り、大鰐弘前で降りたのは1930になろうとする頃だった。宿は弘前といっても市内にあるわけではなく、岩木山の麓、まだ30km程はある。カーナビに住所入力で目的地設定。実は私、昔から弘前と所沢には弱い。地理には人一倍強い自信があるのだが、この地は何か変な磁場でもあるのか、いくら地図を見ても地形や各施設の位置関係が頭に入らないのだ。まさに弘前市内のためのカーナビといったところで、指示通りに弘前城の前を通り、結局仙台以来一度もやむことのなかった大雨の中、ラストスパートをかけ、2000にペンションに到着した。
307CCオーナーの方なら誰でもおわかりかと思うが、大雨のなかでドアを開け、トランクを開けて荷物を下ろすのは憂鬱・・・食堂をはじめ共用スペースには犬は連れ出しは禁止なので、ふうこには夕食を与えて部屋のキャリーで留守番してもらい、人間様もやっと夕食にありつけたが、上には上がいるもので、本日飛行機で着くはずの他のグループもまだ到着していないという。こちらはビールで乾杯して、ちょっとせわしなくなったけど、おいしい料理を頂いて部屋に引き上げた。このペンション、風呂は温泉で24時間入浴可能とのことだが、一度布団に寝ころんでしまったらもう起きる気もせず、そのまま寝入ってしまった。明日は竜飛まで行くつもりだけど、ひょっとしたら一日中宿で本でも読んでいた方がいいかなあ・・・