メモリアルモニュメント除幕式

”TOMCAT SUNSET”ID Ticket

軍港巡りを1300に終えた私は、タウン・ポイントパークのマーケットプレイスで昼食を食べ、一度ホテルに寄ってからいよいよオシアナに向かう。
すでに"TOMCAT SUNSET"は日程としては2日目だが、ファンに関係のある催しとしては本日夕方、1600からのメモリアルモニュメント除幕式、"モニュメント・デディケーション"がトップを飾るイベントとなる。ノーフォークの市街からでは直接行けば40分ほど、さすがに早過ぎるのでホテルでシャワーを浴び、新しい服に着替える。とはいえ、あまりのんびりもしていられない。慌ただしく機材の準備などをして再出発。

遊覧船は半袖短パンでは寒い位であったが、ひとたび内陸に入れば乾燥した空気に暑い日差しがジリジリと降り注ぎ、暑いほどだ。1530にゲート前、NEXの駐車場に到着。受付の看板がこちらに誘導しているので、入ってみたが、さてどこでやっているのかな・・・

駐車場には地元と海軍のテレビ局中継車が来ており、PAOらしき制服のお姉ちゃんと数人が屯していた。日本人も1人。良かった〜、これでなんとかなる・・・早速話しかけて、以降もよろしくと挨拶。こちらの方は今回プレスで来ているようなので、先にPAOが用意したバンで基地内に入ってしまうみたいだが、それでも、というかそれでこそ、勝手のわからない私にとっては強い味方だ。
駐車場の隅に設置された、車で牽引するブースのレセプションで名前を告げ、チケットを受け取る。名簿のチェックにはちゃんと私の名前が印刷されていた。当たり前のことなのだが、スゲ〜、これで1人前の参加者と認めてもらえたんだ、と感動。ここで会期中の各要申込イベントの参加券(タイトルPhotoに使用しているもの これがイベント分だけ違うデザインで用意されている)がセットになった封筒と、公式パンフレットをもらう。
これを提示したらもう基地内に入っていいというので、早速車に戻りゲートで参加券を提示して通過。ゲートから伸びるトムキャット・ブルバードを走ること500mほどの所にある「アビエーション・ヒストリカル・パーク」へ。メモリアルプレート除幕式はここで開催されるのである。

ここはO'Clubの隣、ゲートからエプロンまでの道の中ほどにあるちょっとした公園で、普通ゲートガードとして飛行機が何機か展示されているところを、歴代の海軍主要戦闘機・攻撃機を集めた施設である。といっても雨ざらしで、それほど珍しい機体があるわけでもないし、コンディションが良かったりするわけでもないが・・・

昨今は極東の某基地でも、ゲードガードの機体に施されるマーキングの考証がいい加減だというご批判をよく見かけることがあるが、これなんぞはいい加減を通り越して滅茶苦茶な例。ダグラスF4Dスカイレイの塗装が、なんとVFA-103である。何を一つ取っても考証の辻褄が合っているものがないという、まるで縁日で売っている車輪つきの子供のオモチャのような代物。ま、こういうものにいちいち目くじらたてて正論を垂れるのも程々にしておいた方がいいのかもしれないけどね・・・

なんといってもメイン展示は、トムキャット・ブルバードの角に置かれたF-14D(Bu No.164604)。これが今から行われる除幕式の主役である。

このトムキャット、各スコードロンの希望が多いのか結構頻繁に塗り替えられているようで、今回は明日本物とご対面(できるはず)のVF-31ダブルナッツ、AJ100の塗装が施されている。同隊の塗装には以前は見られなかったブラックテールで、私はスコードロンカラーの赤を生かしたマーキングが一番似合うと思っているので今ひとつなじめないのだが・・・それでも、アメリカ海軍有数の歴史を誇る同隊と歴史を共にしてきた「フェリックス・ザ・キャット」のイラスト、黄バックのエンブレム通りのデザインならばこちらの方が映える。爆弾の中に書かれた「E」は戦闘褒賞、バトル・エフィシェンシー・アワード受賞を表す。下のマークは右から「EAWS」(名目不明)、アーレイ・バーク・フリートトロフィー2005、CSFWL(大西洋打撃戦闘航空団司令)による賞(詳細不明)、ゴールデン・アンカー・アワード2005の各受賞を示している。私、アワード系は苦手なので、各賞の詳細をご存じの方はご教示下さい。

反対側はVF-211となっている。私にもなじみの深い飛行隊で、チョイス自体は嬉しいのだが、機体下面のベントラルフィンにはなんと「VFA-211」の文字が・・・ここだけで台無しに。なんで無理矢理今の飛行隊名を入れたがるの? 現役隊員の圧力でもあるのか!?

ちなみに、2005年には左右ともVF-143の塗装でした。これは考証もしっかりしており、誠に美しいマーキング。このままにしときゃ良かったのに・・・

こちらは昨年VF-31塗装だったF-4B?N?ファントム。今年はVF-11となっているが、昨年吠えたシリアルなどのいい加減さはまったく直っていない。ま、雰囲気雰囲気・・・

昨年VF-101塗装と極めつけのいい加減さだったF-8E?クルーセーダーはファントムと並んでVF-11塗装。
ここで、お式が始まるまで若干の時間がございますので(笑)、ヒストリカル・パークの展示機をざっと紹介してみましょう。

グラマンF9Fパンサー。

マクダネルF2Hバンシー。

有名なF-86セイバーの海軍形、ノースアメリカンFJ-3フューリー。もともとセイバーシリーズは直線翼のFJ-1が海軍向けの戦闘機として開発されたもので、これは大成しなかったが、当時折からの後退翼採用による改良ブームのなかで後退翼とし、空軍向けのモデルとしたものがF-86となる。つまり、セイバーの系列は海軍形がオリジナルなのだ。この後退翼モデルは逆輸入のようにFJ-2、FJ-3として海軍に採用されたが、空軍形のようなベストセラーモデルにはならなかった。

1957年から68年まで、9年の長きに渡って使用されたブルーエンジェルスの塗装を施したグラマンF11Fタイガー。

ベトナム戦争まで活躍した最後のレシプロ艦上攻撃機、ダグラスA-1Hスカイレーダー。この辺になるとやっと私もそれなりのコメントが書けるようになってくる(笑) 塗装はVA-15"Valions"のもの。

ダグラスA-4Eスカイホーク。塗装はVFC-12"Fighting Omars"。

ヴォートA-7EコルセアII。塗装はVA-37"Bulls"。ブルズの塗装は定番らしく、いろいろな所で見かける。

グラマンA-6Eイントルーダー。塗装はVA-34"Blue Blasters"。ここまで来るとほぼ今の時代のマーキングとなっており、全面グレイのロービジである。なお、各機ともシリアルについては記入されていることは記入されているのだが、あまりにいい加減で本当の番号かどうかわからないのであえて表記はしていません。

青く澄み切ったバージニアの空の下、Gアベニューを通行止めにして椅子を並べた除幕式会場。入場直後は閑散としていたが、三々五々集まった人は最終的には300人ほど、ほとんどがエビエータのOBや家族と見受けられるが、ファンと思しき出で立ちの人も結構いる。東洋人は見たところ私を含めて3人だけ。

1600、セレモニーが始まった。

レイク・テーラー・ハイスクールの生徒による行進、国旗掲揚の後、同校生徒の合唱によるアメリカ国歌斉唱。

Cheryl McGuiness女史(殉職したエビエータの家族?)による開会の辞。

"TOMCAT SUNSET"実行委員長、"Bad Fred"Lewis退役少将によるスピーチ。

トムキャットの機首には、昨年訪れたときには見あたらなかった黒い台形の塊が・・・

1625、いよいよLewis退役少将とモニュメントの製作を企画したArex"RATTLER"Rucker退役中佐、オシアナ基地司令の3名によりプレートを覆っていた黒いカバーが外される。

姿を現したモニュメント。

モニュメントプレートのアップ。

機体前部の地面には、モニュメントを頂点としてV字形に名前の彫られたレンガが敷き詰められている。これは有料で名前や好きなメッセージを入れてくれるブロックで、今回の企画に賛同した現役・OBエビエータの名前が部隊やコールサイン入りで並んでいる。個人名に混じってノースロップ・グラマンレイセオン、GEなどのメーカーのものも。
なお、このブロック、1個100ドルで一般の人も購入可能。自他共に認めるトムキャットバカのあなた!1スペースを埋めてみませんか? えっ?私? ウイングマークやコールサイン入れたりしなきゃならんし、さすがに気が引けたので遠慮しておきました・・・

基本的に個人名が並ぶので、あまりアップの写真を上げるのも気が引けるのだが、一ついいのを見つけた。最後のトムキャットスコードロン、VF-31のクルー全員によるブロック。ウイングマークはエビエータとNFOの2種類入り。

その直後、南東の方向からトムキャット2機がローパス! 皆から歓声が上がるが、気がついたら私が一番大きな声を上げていた。パスを行った機体はAJ100と102。すでにフライアブルなトムキャットは数機しか残っておらず、当然VF-31の機体である。作戦航海に出ているわけではないし、どのみち機種転換を控えた年度末の時期なのだが、VF-31はこのイベントのために本業をそっちのけであちこち飛んだり忙しい。だが、それもあと数日のこと・・・この後2機で接触しそうなほどに接近して切り返し、左にバンクして消えていった。

皆、機体の側を離れがたく、思い思いに集い、旧交を温め語り合い、ブロックに自分や家族の名前を探して歩き回ったり、すっかりトムキャット同窓会の様相を呈している。この後、O'Clubでは1700より夕食パーティー、"key West Night"が開催される。人々は少しずつ駐車場を横切って、O'Clubに向かっていった。さて、私ももちろん参加の申し込みをしてある。本日はカジュアルな服装でOKのパーティーなので、短パンで士官クラブに乗り込むことにする。