見切り品ハンター

a Japanese Sushi

デパートの、地下食品売り場に降りて、びっくり!!
何事も大げさな人間ですので、当日記に「我が目を疑う」なる表現は随所に出てくるのだけれど、今度ばかりは本当に我が目を疑った。洋菓子コーナーに、蟻のように群がるおやじ・・・
オヤジ・・・
親父!
ななな、一体何が・・・!? もうすんでの所で喉の奥から「ああ・・・あっ!?」と妙な声を出してしまうところだった。それはそれは凄惨な光景。フロア中が、中年以上の男共で占められているのだ。デパ地下ですよここ。こんなことがあっていいものだろうか?
頭の回転が鈍い私は、事態を把握するのに十数秒はかかったろうか、「ああ、ホワイトデーだったか」。あっしには関わり合いのねえ話でござんす故、すっかり頭の中から抜けていた。しかし、世のナイスミドル共は大変やのう・・・
なんで平日に通勤ルート途上にないデパ地下なんかにいるのかというと、ちょっと我が家に来た早々、車をさる所に預けに行った帰りなのだが、ちょうど閉店間際に乗換駅に寄ることになったので、では本日の狩りを・・・と顔を出してみたのだ。この見切り品狩り、実は私、近所のスーパーで最近毎晩のようにやっていて、結構な戦果を上げているのだ。
2030も過ぎた頃、あらかた冷蔵ケースも空いてきた魚と総菜コーナーを、飢えた狼のような鋭い眼光でうろつく一人の男。
・・・大トロのめばちまぐろ刺身(クロアチア)が40%引き! かつおたたきが半額! カキフライが半額! ホッキ貝やイクラなどのネタ入りの寿司8カンセットが30%引き! とにかく、目についた見切り品をどんどんカゴに放り込んで行く。それでレジに持って行っても、1,000円ちょっとと、驚くほどの安さ。時として結局高くついているような気もするが・・・それこそスーパーの思う壺だが、美味いものを安く食べられるのだからそれはそれでいい。
いつもは近所の生活感溢れるスーパーで、半値とはいえ元値もたかが知れている品だが、本日の戦場は庶民派とはいえデパートの地下。元値も1,390円とおいそれと手の出るもおんではない。が・・・じっと獲物が動くのを雌伏して待つ・・・こと5分!
いい感じにしわがれた店員の親父がついにふた品をまとめ始めた! それを固唾をのんで見守る数人、コーナーキックのようにお互いを(時として手も出る勢いで)牽制しながら、ベストポジション待つことしばし、ついにその瞬間は訪れた〜!「ハイ2個で千円、2個で千円〜」
すかさず!手を伸ばし、12カン盛り合わせと平目(養殖)5カンが合体したところをゲ〜〜〜〜ット! この後、ローストビーフ1,000円→800円になっていたのをさらに一歩進んで半額になったのと、サーモン、環八もといカンパチの刺身も同様に半額でゲットし、意気揚々と引き上げたのであった。これで地下鉄の乗り継ぎ時間制限30分を超えていたら間抜けだが、ギリギリながら間に合った。
見切り品を選ぶデメリットといえば、当然だがカタギの方の夕餉の時刻には間に合わないというのがあって、私は子供の頃から夕食は遅かったので2100過ぎとかでも問題ないのだが、同居人が1800頃でないといかんので、見切られる時間まで待てないのである。しかし、我が家は最近これを逆手に取って、「1日ずらしローテーション」というのを開発した。そう、買った物は翌日の夕食用にと1日ずつずらして行くのだ。「本日中にお召し上がり下さい」のラベルもなんのその、冬の間中はこれで行けるかな・・・