ナビ移植&地デジ・青歯装着

Blueforce2007-03-22

「マギには母さんの3つの人格がインプットされているの。科学者としての自分、母としての自分、女としての自分・・・」
307CCオーナーの方ならご存じとは思うが、前期形―T5には、純正オーディオとしてMDプレーヤーがついている。
初代の廃車が避けられない情勢となり、次期車種が何になるにせよ、無事であった(と思われた)カーナビを取り外して移植したいと思ったのは当然のことなのだが、これがすんなりとは話が運ばなかった。結局、自前の車両保険を使って車両価額分を補填したのだが、そうすると車自体は保険屋が持って行ってしまうというのである。
これはまったくの初動のミスで、万が一これから事故を起こしてしまう方は私の轍を踏まないように気を付けていただきたいのだが、本日は事故の経過を綴る日記ではないので、詳細は省略する。とにかく、後付のナビは査定価額には加算されず、かといって取り外してはいけません、とのこと。
保険屋やってる友人や、ナビを取り付けてもらった大塚電装機器さんなどに相談したのだが、ディーラーで車を買った時に込みで保険に入っていれば融通利かせてもらえるのだが・・・とか、保険屋によっては交渉次第で(価値がないと判断されれば)持って行ってもいいですよ、と言われることもある、ただし、すでにディーラーが{その時点では良かれと思ってやっているのはわかるのだが)、ナビ付きと保険屋にも伝えてしまっているので、万が一のことを考えて外さない方がいい、とのアドバイスがあり、泣く泣く諦めたのだ。この頃、相手方・当方の保険屋やディーラーすべてがまるでハイエナのように、私の所からいいようにあらゆる物を持って行ってしまう印象があり、相当頭に来ていたのだが、車を持って行かれた辺りから反撃に転ずることにした。
その頃、どうやら次期車種にも決着がつき、2代目が来る算段になりつつあったのだが、そうなると問題はオーディオ。なにせMDである。昔はプレーヤもレコーダも持っており、一時期はそれなりに皿も増えたのだが、その後はレコーダが壊れ、20世紀中で増殖が止まってしまった。「ハヤリモノspecial」とレーベルの付いたディスクに「アジアの純真」とかが入っているのだorz
なんで純正でMDなんだよプジョー意味わかんね〜・・・取り替えるといっても、今時純オーディオのヘッドユニットでもあるまいし、そうなればカーナビを取り付けるしかなかろう。しかし、今新製品を買うとなれば、まさに地デジの夜明け、当然地デジ内蔵モデルを選びたいところである。しかし、現行ラインナップである2006秋モデルでは、地デジを実装しているのはパナのみ、カロは一歩出遅れて、楽ナビで本体装備はまだなく、別売チューナーとセットでお得な価格設定(それでも単体のパナよりは高め)ということになっているらしい。

すでに1年近く楽ナビで来ているし、カロに慣れてしまっているので(代車についていたソニーのXYZ、最後まで違和感が消えなかった)、新しく買うなら今回もカロにしたいのだが、明らかにパナから一歩遅れているモデルを買うのもどうかと・・・カーナビのモデルサイクルは大体6月・11月なので、数ヶ月待てば地デジ実装のニューモデルが出ると思うが、大塚さんに相談したところ、カロは次期製品でも地デジ搭載はないのではないか・・・という予想。
そうなると秋まで? いや、じゃあその間は手持ちの20世紀ヒットコレクションを聞き続けろってか? なんかトムキャットみたいな話で、「近い将来、スーパーになって帰ってくる予定」といっても、10年も20年も乗るわけじゃなし、この8カ月が全所有期間の何パーセントになるのか、と考えると、後日装備を待ち続けるカーライフのクオリティとはなんぞや?と首を傾げてしまう。手放す前日にフル装備になっても遅いのだ。
完全にモデルサイクルの隘路に挟まれた形になってしまい、ここに至り分遣隊司令部は初代の奪回作戦を立案した。
潜入作戦は少数精鋭、熟練のSEAL隊員1人で行われ、巡航ミサイル搭載・特殊部隊水中母艦に改装されたオハイオOhio級原潜から発進したSEAL輸送潜水艇―ASDSで作戦水域に近づいた隊員は夜陰に乗じて浮上、サブマシンガン1丁を抱えてウエットスーツを脱ぎ、ハンディGPSで位置を確認してオイオイ!もうええちゅ〜に!
まあ、その潜入隊員とやらは、まだ生きているナビをはじめ、ETC、ビーコンユニットをすべてきれいに取り外し、無事生還した。ざま〜見ろ!保険金ももらっちまったし、奪還しちまえばこっちのもんだぜ〜!

このユニットは、秘密裏に大塚電装さんに運ばれ、2代目に移植手術が施されることになった。首尾良くコトが運んだおかげで、作業にかかれたのは名変翌日。CAN-BUSとの絡みで取り付けに手こずったT6の初代と違い、T5はヘッドユニットをそのまま外せばいいので楽なもんである。しかも大塚さんには、私のせいで去年嫌というほどやらされた307CC(笑)、目をつぶってもできる作業のはずだ。
これで、オーディオの問題は一件落着したのだが、取り付けだけでは商売にならず、大塚さんにも悪いし、以前から地デジはぜひ見たかったので、この機会に着けてもらうことにした。また、当初「後日装備」となっていたBluetoothも、晴れて対応の携帯を買ったので(事故らなければ早晩初代にも取り付ける予定であった)、こちらもお買い上げ。ということで、明細は・・・
ナビ取付工賃     ¥36,750
配線キット:     ¥2,100
フィルムアンテナ   ¥9,030
Bluetooth:ND-BT1 ¥15,750
地デジ:GEX-P7DTV ¥73,500
IPバスケーブル:   ¥5,250
地デジ取付工賃     ¥10,500
ETC取付工賃     ¥7,350
ETCセットアップ   ¥2,625
合計         ¥162,855
ケーブル類やフィルムアンテナなど、再利用できないものは当然新規となる。見積もってみれば結構いいお値段になったが、まあ地デジですから・・・しかも、カーナビに負けず劣らず、毎週末三京・首都高を使う我が家としては、ETCも重要装備なので・・・

1泊お泊まりで取り付け完了。307CCに合わせて大塚さんお手製で銀色に塗装されたフィッティングパネルも無傷で回収されたため、そのまま流用することができた。早速テレビをつけてみると、オオ!これは噂に違わぬ鮮明な画像。今まで、車のテレビなんて、「なんとなく見える」位なもんだと思っていたのだが、地デジでは小さなテロップの文字まではっきり読める。ちなみに、この画像は偶然やっていた、毎年同居人の実家に行った時必ず行く釧路、春採湖畔の「なごやか亭」紹介のシーン。感度を上げてもなお若干ブレているが、それでもなお店名と営業時間がはっきり読み取れると思う。その後、ミュージックサーバに切り替えてみたら、事故った時に聴いていた真心ブラザースの「スピード」が、ちょうど曲の途中から再生された。しばし茫然・・・そして、先代の魂が今、2代目に宿ったことに、オープンカーを運転しながら一人、しばし感慨にふけった。
地デジチューナー、Bluetoothユニットともにインパネの裏にきれいに仕込まれ、外見からはまったくどこに入っているかわからないさすがの仕上がりだが、地デジはカーナビとは別に独立したリモコンが付属していて、これがまるで外国のテレビのような色とりどりのボタンが並ぶ大きな代物、家の中だけでなく車の中までリモコンで埋め尽くされてきた。ナビ一体形のパナだと1個で済むのだろうが・・・また、このリモコンの受光部が、これまたナビとは別の機器なので、どこかに独立して取り付けなければならず、写真のようにナビ画面の右上に収まることになった。大塚さんが私にお伺いを立てることなく独断で位置を決めてしまったことに恐縮していたが、特にうっとおしいわけでもなく、使い勝手も変わりませんけどね・・・
しかし、一応すでに全国で放送は始まっているものの、受信状態にはかなりムラがあるようで、電波状態が悪くなると自動的にワンセグに切り替わるのだが、気がつくとワンセグになっている時が結構ある。もちろん、ワンセグでもドットが粗くなるものの、画像自体は従来の地上波のようにビロビロ〜ンとムラが入るような映り方ではないので、「今何が映っているか」は明瞭に判り、地上波よりは百万倍マシだが。最新機種では走っていて違う局を受信すると自動的に切り替わるらしいが、この機種では手動で設定(スキャンするだけなので難しい作業ではないが)しなければならないようだ。このスキャンをまだ覚えていないせいか、城ヶ島辺りまで来るとワンセグも映らず、受信ができなくなってしまった。また、カロの地デジは、割と私には致命的な欠点が一つあり・・・これはここで書くと若干問題アリかもしれないので、導入を検討されている方は個人的に連絡下さい(笑)。ただ、私としては今回の導入について、まったく後悔はしていないし、毎週末快適地デジライフを楽しんでいる。もっと洗練された新製品が出る秋まで、このクオリティを我慢するのが損得勘定で得とは思えないからだ。
さて、先代の魂が宿った唯一の形見、カーナビを無事取り付け、家に帰る途中、しばらくして「車速パルス異常です 接続を確認して下さい」という警告が出た。初代の取り付けの時にも書いたがプジョー車の車速パルスは他のメーカーとちょっと違うので、安定するまで時間がかかるのかな、と思っていたのだが、その後も5分位に何度も出続ける。位置検知は文句なしに正確なのだが、トンネルや地下道に入るとピタッと止まってしまい、地上に出た所ですかさず現在位置に修正されることから、100%GPSで追っていることがわかる。現在の最新ナビは、GPSはほとんどバックアップで、通常は99%車速で自車位置を検出しているそうなので、逆にこれで現在、バックアップのはずのGPSがフル稼働し、しかもいかに正確かがよくわかる。そりゃJDAMも当たるはずだよ・・・
結局、警告はその後も収まることなく、週末の城ヶ島七里ヶ浜行き、秩父墓参でも数分おきに出る警告の確認ボタンを押し続ける羽目になり(まるでデッドマン装置だなや〜)、再度入場することになった。やっぱり、見た目ダメージないようで、事故のショックで壊れちゃってるのかな、最悪ハードの修理に出さなければならないのでユニットをもう一度取り外してお預かり・・・ということになるらしい。

しかし、とりあえずボンネットを開けた大塚さん、思うところがあったらしい。307のT5では車速取り出し口は複数あり、現在はプラスで取っているが、マイナスからでも取れるそうだ。こちらにつなぎ替えて、パルスの出具合と学習状況を調べる。店内で1mほど前後させた後、ちょっと走り込みをということで、オープンカーに男2人が乗って夜のドライブ。着いた所は新宿2丁目・・・ではなくて、2〜3kmぶらついて帰ってきたが、運転中大塚さんはナビの設定画面で学習状況のチェック。うん、大丈夫ですね、順調に学習してます、ということで、ハードの故障ではなく一安心であった。これまた、大塚さんは恐縮していたが、いわくつきの機器につき、1度や2度再来店になったところで全然問題ないですよ。
ということで、やっとこちらも一段落。1996年最新ヒット「アジアの純真」を聴かされる羽目にならずに、本当に助かった。大塚電装さん、決死の奪還を敢行したSEAL部隊隊員、本当にありがとうございました。そして、初代・・・以て瞑すべし。