北鎌倉「Pooch」

Chickin curry of ”Pooch” at Kitaka

鎌倉は東京から70km程、ドライブを兼ねて犬の散歩に行くには手頃な距離で、季節を問わず歩ける温暖さと、砂浜あり山登りありとバラエティに富んだコースで最近はつい毎週のように行ってしまうお気に入りの地である。
その中でも、適度なアップダウンと人里の近くとは思えない位の山の中感で、お勧めの源氏山・裏大仏ハイキングコースを歩くにあたって、お勧めの犬OKレストランを紹介しよう。
裏大仏ハイキングコースは、途中源氏山公園で二分され、鎌倉駅銭洗弁天経由の道でショートカットもできるが、全行程を踏破するには長谷、大仏の前を通り過ぎ500mほど歩いたトンネル脇の細い登山道入口から北鎌倉、浄智寺の脇まで、おおよそ2kmちょっと、ゆっくり歩いて40〜50分の山道だ。もちろんどちらから登ってもいいのだが、今日は北鎌倉発で行ってみよう。・・・と、その前に腹ごしらえ。

北鎌倉駅を降りて、いつも混んでいる駅前の道を鎌倉方面へ向かって200mほど、左側にあるのが「cafe meshi Pooch」。英語の俗語で犬を意味する単語を店名に冠するだけあって、もちろん店内まで犬OK。まだ開店して新しく、店内外とも非常に新しく清潔な感じのするお店です。

外にもテーブルが3脚あり、もちろんこちらに座ることもできる。寒くても膝掛けがあり、逆に日差しが強い時でもテントが伸びるのでかなり快適なのだが、終日渋滞している狭い道に面しているわけで、排ガスが煙たかったり鬱陶しいわけではないが、正直ロケーションは今ひとつ。

店内は若干バリ風?のインテリアで、木製のテーブルが6脚ほど、壁に面した方はベンチシートになっており、荷物や脱いだ上着の置き場に困ることはない。もっとも床も非常にきれいなので、キャリーなどは足下に置いても問題なし。スペースは広く、大荷物で犬を連れていてもせせこましい思いをすることがないのも助かるし、備え付けのクッションが多数置いてあるのも重宝する。暖かいシーズンになれば、デッキとのドアも開け放され、店内でも結構オープンエア感が楽しめるはず。ちなみに、デッキの方にはリード用フックも備え付けられている。
で、この店、決してドッグカフェとは銘打っていないけれど、見たところ訪れるお客も9割方犬連れなわけで、客観的に見ても分類上は立派なドッグカフェ&レストランだと思うが、正直、ここ数年で出来た観光地のドッグカフェというのは、結構料理など「?」な所も正直あるわけで・・・ところがこの店、本業の方にも抜かりないのである。

ランチメニューのなかで、一番のお勧めメニュー、「プーチプレート」。サーモンのグリル柚子胡椒ソースをメインに、その時で変わる肉料理、サラダ、付け合わせが2種類、ライスは押し麦入り御飯。1,300円でドリンク別と若干お高目なのだが、これね〜、犬OKの飲食店でここまでのモン、なかなか食べられませんよ正直。
しかしこのメニュー、1日の用意数が少ないようで、昼過ぎの遅い時間に行くと確実に売り切れとなっている。行くならぜひこのプレートを狙いたい所なので、なるべくオープンの1100に近い時間に訪れるのをお勧めする。

こちらはタイ風グリーンカレー1,200円。タイ風といっても、いわゆるココナツミルクベースの味付けとは違う塩味なのだが、見て下さいこのボリュームと野菜の盛りつけ! いや、確かにこれは大盛りにしてもらいました、しかしそれにしても、正直完食は無理か!?と危惧させるほどの量。また、写真ではわかりにくいが、エビ、イカムール貝と魚介もたくさん入っている。野菜は適度に焦げ目をつけながらも炒め過ぎず、かなりの歯ごたえが楽しめる。この他、タイトルPに掲げた骨付き鶏モモ肉がゴロンと入っているチキンカレー、限定10食の和風オムライス1,200円、オープンサンド1,100円などがメインメニュー。冬の間は期間限定で牡蛎カレーや豆カレーもラインナップされていた。
ケーキセットは750円、生ビール550円、ソフトドリンクは安めの価格設定で、コーヒー各種をはじめ梅ジュース、黒胡麻ラテ、ハイビスカスフルーツティーなど400〜450円。下に述べるようなスタッフの体制なので犬メニューはないが、水は出してくれるのと、犬用クッキーを1つプレゼントしてくれる。看板犬で黒ラブが1匹いるのだが、最初に1度見ただけで、常駐しているわけではないようだ。ラブがいる位なので、大型犬もOKだし、事実結構入ってくる。だから、大型犬が苦手な小型犬は十分注意してください。
とにかく料理が本格的で、「犬連れだから飯のクオリティはしょうがない・・・」と諦めていた向きにはぜひお勧めしたい画期的な店なのだが、注文をつけたい点もいくつか。各料理は本格的なキャリアを積んだシェフ1人で盛りつけまですべて担当しており、2〜3組が一度に訪れると料理が出てくるまでにかなり時間がかかる。これは店でももちろんわかっているようで、「お時間かかりますがよろしいですか」と聞かれるので、予想外に待たされてイライラ・・・というトラブルにはならないが、それにしてもこれほどとは、と待ちくたびれるかも。同じグループでも、最初に来た人と最後の人ではかなり差ができてしまい、これはマジで困る。
あと・・・最近どこでも流行りなのかな、他の店でも感じることが多いが、味付けがちょっと濃くて、塩辛い。薄味が好きな人には若干受け付けられないかも。食材と煮る焼く炒めるの料理法、盛りつけには全く文句のつけようがないのだが・・・もうちょっと薄くして欲しいです。
営業時間なのだが、日没で終了?のようで、夜メニューは当然ないのだが、そのせいもあってか、ランチの全メニューが事実上の限定のようになっていて、昼過ぎに行くと常時数種類がすでに売り切れになっている。それで不本意ながら頼んだ第2希望メニューで失望させられることは絶対にないが、やはり「プレートが食べたい!」と意気込んで行って売り切れだと凹むのも事実。その辺、これだけの物だから(そういう言い方も語弊があるかもしれないが)売り手市場、食べさせて頂く、というような力関係になってしまっているのも、まあ仕方ないかな? あ、誤解のないように言っておきますが、接客は決して「売り手市場」ではなく、美人のホールのお姉さんは愛想も良く、犬にも気を遣ってくれて申し分ございません。
とにかく、絶妙な焼き目と火の入り加減のサーモン、色とりどりの付け合わせ、普通盛りでも充分男も納得のボリューム、広くて清潔なトイレなど、犬連れで鎌倉に来たらぜひお勧め!のお店なのであります。あまり皆に押し掛けられても困るから、本当はあまり教えたくないかも。

車でのアクセスだと、駐車場は通りの斜向かいに4〜5台収容のコインパーキングがあるが、恐らく近所にはここだけ。しかも、週末には悪名の高い鎌倉女子大前*1から若宮大路まで続く大渋滞の鎌倉街道、駐車場がふさがっていても引き返すこともできず、にっちもさっちもいかなくなる可能性あり。だから、散歩かたがた鎌倉からハイキングコースを歩いてくるのをお勧めする。

*1:念のために申し上げておきますが、鎌倉女子大学が悪名高いのではなくて、その前の道路の渋滞が悪名高いのでそこの所お間違えのないように