主役メカ交代!? 806登場

Blueforce2007-09-22

連休第一発目、東京湾フェリーから空母を撮る会例会を終えて午後は自宅で一休みした私だったが、夜には再び出かける用事があった。
本日22日は、春秋恒例の墓参なのだが、307CCでは大人4人が乗るには快適ではないと、毎度わざわざラクティスをレンタカーで借りたりしているところ、今回はPJ氏に806を貸していただくことになったのだ。
これは、2台目を譲っていただく時に一応特典?として提示された条項なのだが、当時ムルティプラとかアヴァンタイムとか、後席もゆったり乗れる車を考えていた私に、CCはどうかと言われ、若干難色(というほどでもないのだが)を示した私に、人を乗せるときには806を使っていいから・・・という話になった。氏は実はプジョー車2台のオーナーだったのだ。
当初の話し合いでは、どちらでも好きな方を持って行け、ということだったので、アイポイントの高い車好きな私としては(ミニバン好きというわけではないのだが・・・この2つ、微妙にニュアンスが違うwww)、では806を・・・と言ったところ、やはりユーティリティの高い車を持って行かれるのは困るようで、CCにしとけとまとめられてしまったのだ(笑) もちろん、それはそれで楽しいオープンカーライフをまだまだ満喫できるのだし、願ってもないご厚意だったので有り難くお気持ちと現品を頂いたが、なかなかリアシートで窮屈そうにしている親を見るにつけ、横浜位ならまだしも墓参りはきつい。かといって、自由に使っていいからと言われて額面通りにハイそうですかと何度も貸してもらうのも厚かましい。その葛藤の中で、自分的には年2回の墓参プラス、親を乗せてちょっと遠出を1・2回と決めて、使わせて頂くことにした。
というわけで、22日は朝が早いので前日に車を受け取りに行くことにし、そろそろいいですかと連絡したのだが、まだ麻布十番辺りで飲んでいるとのこと。2100位には家に帰っているので、その位に来てくれと言うので、帰ってきてからずっと寝ていて、夕飯も食っていなかったので、どこかで飯食って・・・と走り出した。
さて飯を食っていると、ちょうど2台目の面倒を見て頂いているお店の社長と一緒に飲んでいるので、ちょっと顔を出さないか、とのメール。それならちょうど着く頃には解散だろうから、ご自宅まで送っていけばいいか、と麻布十番に向けて走り出した。ヒルズの前を通って一の橋の交差点の手前まで来たら、PJ氏が路肩に立っている。そのまま乗るのかと思ったら、ちょっと顔出して行け!?とのこと。だって、俺車ですよ!? まあまあ、顔出すだけだし飲むわけじゃないから、それに萌え系の人もいるよ(???)・・・というので、駐車場に車を停め、お店に。
地下1階にあるそのお店は、造りの違ういくつかのボックスに、ピアノの生演奏のあるチョ〜お洒落なお店だった。こちらは汗びっしょりの空母撮影ミッションから帰還してシャワーをざっと浴びただけ、顔も洗ってないし髪はボサボサ、服はヨレヨレ、おまけにサンダル履き。こんなんで十番の店に来ていいのかよ・・・そして、盛り上がっていたメンバー諸氏に挨拶。以前ご一緒させて頂いたPJの同僚の方や初対面の方、そしていろいろと武勇伝?を事前に伺っていたディーラーの社長さんに初めてお目にかかり、ここではとても開陳できない抱腹絶倒、複雑怪奇な外車業界の裏話をたっぷり聞かされた。
と、ノンアルコールカクテルを飲みながら若干今の私には場違いな雰囲気に戸惑いつつ話していると、急に知らない女の人が乱入してきて、私の隣に。ななな、この方はどちらの方!?他のグループのお客さんだよね、なんでこんなに親しげに???? すごいハイテンションだし、この方がさっきPJ氏が言っていた「萌え系」の方!?と思ったら、お店のオーナーさんでした。しかも、存じ上げなかったのだが今大変乗りに乗っている有名な方!?。お仕事が乗りに乗って無茶苦茶忙しい中、夜は自分のお店もちゃんとマネージメントしていらっしゃるとはすごい! 帰りにはオリコン1位の嵐のCDまで頂いて、ありがとうございました! このお店、本当にお洒落で雰囲気もいいのでお勧めです。皆さんもぜひ行かれてみて下さい。
結局、2時間ほども喋っていたろうか、電車もなくなる頃解散となり、他のメンバーは十番・六本木界隈でオールらしいが、PJ氏は撤退・・・ということでCCで男2人、オープンで帰宅。
さて、ここでついに初めてとなる806へとマシンチェーンジ!! 簡単なレクチャーを受けて、恐る恐るスタートしたが・・・これはいいね〜!面白いね〜!

プジョー806は、フランスPSA・イタリアフィアットグループが共通でラインナップするいわゆる「ユーロバン」のプジョーバリエーションとして1994年にデビューした7人乗りのミニバンで、日本には正規輸入されなかったため日常ではまず見かけることのない、かなりの珍車である。

なにせ日本市場のマーケティングなど真面目に考えてくれないフランス本社のこと、左ハンドルのマニュアルしかラインナップになければ日本人の誰が買うのかという話で、プジョー・ジャポンでも当時一応導入を検討し50台ほど日本に持ってきてはみたものの、さすがにこれでは勝算はないだろうということになり、送り返すわけにもいかず希望者に配ってしまった(もちろん有償ですが・・・)というのだ。というわけで、好き者が平行で輸入したものは何台かあるのかも知れないが、これは稀少なプジョー・ジャポン幻の正規車というわけ。ちなみに、並行輸入というのはご存じの方はこんな解説釈迦に説法かも知れないが、業者に相談すれば難しくないそうで、たとえばプジョーでも4007などは目先も変わって結構狙い目とのこと。

以前から車庫に停まっている状態では何度も目にしたことはあり、シートにも座らせてもらったこともあるが、外形の印象としては懐かしのプレーリーに似ている。特に趣味性が高いわけでもなく、突出したセールスポイントもないので、日本で正規販売しても台数は出なかったろうが、なかなか使い勝手は良く、おっかなびっくりで走り出して数km、すっかり気に入ってしまった。
見た目に反して実はサイズもあまり大きくなく(もちろん3ナンバーではあるが)、車庫にも無理なく入り、さて翌朝。今日も狭いCCか・・・と覚悟して座布団を持参してきた親は目を丸くしている。とにかく広いので、戦闘機のコクピットに乗り込むような困難さはないが、乗降にあたっては一つ落とし穴が・・・意外に車高、というかフロアレベルが高いので、年寄りが乗り込むには踏み段でも用意しなければという難儀さ。

シフトはインパネから生えており、同様の形態のムルティプラを検討していたので、どのような操作感なのだろうと興味があったのだが、まったく違和感はなかった。ただ経年のせい?かシンクロが弱いのか、若干ローとバックの入りが悪く、特にバックはいっぱいにクラッチを切らないと「ガガガガ」となってしまう。一度入ってしまえば2速以上のつながりは良く、パワー・トルクともに必要充分。カーステは1DINで、プジョー・ジャポンのお家芸!?MDプレーヤーのみ。しょうがないからもう何年も使っておらず、どこにしまったかわからないMDを引っぱり出してくる羽目になった。サンルーフは前後分割で2枚となっており、前席は手動チルト、広大な面積の後席は電動スライド式。サンシェードはどちらも手動のロールカーテン式。

シフトレバーはコラムであるから、当然フロントシートはウオークスルーで、アームレストもつく。レンジで慣れていたのに307CCではアームレストがなくなってしまい、ちょっと肘が寂しかったので、これは嬉しい装備。パーキングブレーキは左側、つまりドアの側につく。ただし褒められる点ばかりではなく。そこはヨーロッパ車、小物の収納スペースがいっさいない・・・携帯一つ、財布一つ置いておく場所がない。携帯はコンソール左下のちょっとしたポケットに入れてみたものの、深さが足りずすぐに落ちてきそうだし(実際何度か落ちた)、財布は本当に置く場所がない!仕方ないのでメーターパネルの所に置いといたが・・・もちろん、カップホルダーなどというものもないので、ペットボトルはコンソールの左上、Aピラーの所に転がしておいた。これでは大方の日本人には見向きもされないだろうな〜。シートの出来はかなり良いらしく、今回お借りした期間中に同乗した方からかなりの高評価だった。ホールド性を云々する車種ではないけど、硬さは絶妙かもね。

シートアレンジは2+3+2の3列で、最大7人乗りだが、今回お借りしたときは4人乗車ということで3列目を外しており、ラゲッジスペースは凶悪なほどに広大。

というわけで、0800自宅出発、それでもオール下道のため4時間近くを要し、墓地に到着。まあ、あまり窮屈な思いをさせないだけ運転手も楽である(307CCだと最悪エコノミークラス症候群になりかねないので・・・)。

親がお盆に来なかったというので、猛暑もあり雑草がすごいのだが、親に言わせれば予想していたよりは少ないだろうとのこと。やはり暑さも限度を超えると雑草でさえゲンナリしてくるようである。しかし今日も暑い・・・とても彼岸とは思えない酷暑に、あっという間に汗だく、着替え持ってくれば良かった・・・

分遣隊長は掃除もサボッて、日陰のいい所を見つけて休憩中。

放擲された蜂の巣がありました。蜂蜜残ってるかな?
あまりの暑さに早々に掃除を終え、分遣隊長もしっかり手を合わせて線香を供え、本日の主目的は終了。ここでまだ昼過ぎのため、お得意のぶどう峠経由で清里に向かうことにする。これも806だからなせる業、意外にワインディングでも軽快に走る車を適度に振り回し志賀坂峠を越え、当日記ではおなじみの上野村ふれあい館で一休み。ところがここで・・・

サンダル履きの私は、車から降りて歩き出した途端、縁石に右足の小指を思いっきりぶつけ、爪が割れて大出血!! 地面に血がポタポタ垂れて、うわ〜このままでは何か事件が?と騒ぎになる。皆で慌てて血痕を拭き取り、当方の怪我はしばらくしたら出血も止まったので、予定通りぶどう峠に突入したが・・・
ほどなく、峠の入口で「落石のため通行止め」との掲示が。まあ林道ではこの手の警告は珍しくないし、特に気にせず進むことにした。途中で停まっていた地元の人らしき車に「向こうまで抜けてます?」と聞くと行けるとのこと。ということで、志賀坂よりさらにきつい山道ながら勝手知ったるルート、快調に走っていたところ、ナビの見当で峠から3kmほど手前の地点で大崩落! あ〜あ、100m位下まで見事にズザザザ〜ッと落っこっちゃってるよ・・・
この間の台風が猛威を振るったのだろうか、そういえば長野で孤立しちゃった村もあるとかニュースでやってたからなあ。路面はなんとか普通乗用車が通れるだけの幅が残っているので、行けるかな?とその先まで歩いてみたら、さらに路面に土砂がうずたかく積もっている所もあり、ジムニーとかなら行けるのだろうが、806では無理と判断して、泣く泣く引き返した。しかし、途中で品川ナンバーかなんかのミニとすれ違ったのになー、あの車は全部通ってきたのだろうか。もうショックで、写真撮るのも忘れて引き返してきてしまったが、あの崩落どうやって復旧するのだろうか。秩父経由で清里へ行く酔狂者の皆さん、今シーズンはぶどう峠は無理だと思います。来季もこんなんでは直せるのだろうか・・・ここは福田新首相の最初のお仕事、ぜひ最優先で復旧工事を!都民(の極一部)が困っています!wwwww

仕方ないから、来た道を引き返し、こちらもおなじみ天空回廊スカイブリッジに立ち寄って、我々はもういいので親たちだけ往復。

そこからはまた志賀坂を通るのはかったるいので、本庄まで出て関越道、鶴ヶ島からは圏央道を経由して青梅ICまで、そこからは青梅街道経由で帰ってきた。高速に乗ったのはここが初めてとなったが、806は法定速度+α(いや、本当は+γ位!?)位の巡航はなんなくこなし、室内の静粛性もまあまあ、というかかなり静か。これはかなり惚れた・・・ちょっと後半はなんだかなーというグダグダの行程になってしまい、ドライブとしては今ひとつフラストレーションの残る一日だったが、806のせいでかなりそれも緩和された。まあ本来の目的は墓参なので、充分それは果たしたのだが・・・

しかし、806は充分過ぎるほど期待に応えてくれ、正直返したくなくなってしまったwwww このままバックレてどこかに逃げちゃおうかなあ・・・・(車1台で人生棒に振りますか!?) 明日はいよいよ今連休のメインイベント、横須賀マリンフェスタである。家に近づくにつれて、メールも電話も明日の段取りについて通信量が増えてくる。人も大勢乗ることが予想されたので、このまま連休中は貸していただくことで了承を得て、車関係の読者の皆様も引き続きヨーロッパの香り漂う806ライフをお楽しみ下さい。