分遣隊長九州初上陸

Blueforce2008-02-10

0400起床。昨夜は鹿児島から上京したしらのさんを歓待してごつさんと馬場で大雪の恐怖に怯えつつ、遅くまで飲んでおり、帰宅してやっとのことで支度を整えたら風呂に入るのが面倒になってしまい、そのまま寝てしまった。しかし、布団に入ってしまえば昼頃まで寝てしまう危惧があり、居間で毛布を1枚かぶっただけで寝た甲斐あってか?3時間半で無事起きることができた。
大雪が降った夜の明け方、風呂に入って体を温める。5時過ぎの一番電車に乗るべく、カメラバッグ、三脚まで持った超重装備で家を出る。ほら!分遣隊長、寝てないで行きますよ!
暑がりの私、風呂を上がったばかりでダウンのジャケットなど着たら全然風呂に入った意味がなくなってしまう。Tシャツ1枚で、雪が積もった真っ暗な路地を往く。すれ違う人もいないが、相当奇怪な姿に見えることだろう。身を切るような寒さで充分冷やしたはずなのに、地下鉄のホームにたどり着いた頃にはうっすらと汗が滲んでいた。それほどの重装備なのだ。
東京駅には0540に着いた。本来、今回のツアーは北九州空港までのスターフライヤーを予約してあったのだが、直前に思い直して新幹線で行くことにした。今回は分遣隊長が現地指揮を執るのだ。分遣隊長は飛行機には生まれた直後、東京のペットショップに来る時に乗ってはいるが、バリケンで貨物室に入れられ、騒音と揺れなどでどうなるのかがちょっと心配。その辺の神経が太いのはわかっているのだが、代替のルートが確保できるところで無理に飛行機に乗るでもなし、しかも高い高いと敬遠していた新幹線も、片道4000円のペット料金と、乗り換えなどがあるので空港まで車で行って駐車場に停めるのを考えると、今からキャンセル料を払ってもまだ値段は変わらない。というわけで、3日前にキャンセルしてしまった。キャンセル料は往復で約7,000円。

代わって考えるのは新幹線、しかもここはやはり最新鋭のN700系を狙いたいところだ。本題だけを考えると、夕方までに北九州に着けばいいのだが、せっかくの連休、現地で歓待してくれるtamo太郎さんといろいろと遊びたいので、0600発の一番列車、のぞみ1号に狙いを定めた。ただし、始発駅から乗車ということもあり、あえて指定席を取るでもないだろう、0600東京発の列車に乗ることができる人はそういないのだ・・・とタカをくくっていた。
ところが!
新幹線のホームに上がったところ、すでに指定席もかなりの乗車率だ。自由席は・・・重い荷物を引きずるように歩きながら、気は逸る。N700系は全車禁煙なので、嫌煙ファシストの私も1〜3号車のすべてに乗車できる、キャパは250人・・・しかし、3号車はすでにほぼ満員だった。2号車も・・・同様。
こりゃ困った、通路側とか3列の中央にはまだちらほら空いているのも見えるが、窓側はどうにもダメ。しまった〜のぞみ1号を舐めていた・・・最前列まで来た時!3列、つまり海側だが、窓側が2席空いているのが見えた。最前列の4つ後である。ギリギリのところでゲットした直後、列車は満席となった。
大荷物を荷棚に上げるのもそこそこに、隣も座られてしまい身動きがとれなくなる。昼前まで車販しか来ないが、今からホームの弁当を買いに行く余裕もない。分遣隊長はキャリーの蓋を閉じたまま足下に置いたが、今ひとつ自分の足の置き場がなくなってしまった。大汗も引かないまま、N700系N4編成の「のぞみ1号」は定時0600発車。
駅のアナウンスでは、大雪のため新横浜―小田原、豊橋―新大阪間で速度を落として運転し、30分程度の遅れが予想されるとのこと。まあ、急ぐ旅ではないけれど、それではN700を選んだ甲斐がないなあ・・・新横浜でいくらか薄明るくなってきたが、一面の雪景色だ。その後もダラダラ走行が続き、小田原では駅手前で停車してしまい、なんと!ホームに停まってしまった!天下の「のぞみ1号」が!? 床下の点検と雪落としだそうであるが、名古屋や京都でやるのはよくあることだが小田原とは・・・
この後、静岡県に入れば雪も少なくなり、やっとN700系の本領発揮、自慢の車体傾斜制御も「お〜振ってる振ってる」とちょっと感じるものの、告知通り豊橋辺りからまたダラダラ走り・・・新幹線で、160km/h位で走られると本当に徐行にしか思えないが、進むに連れ景色はいよいよ真っ白になって来て、これ本当に東海道新幹線!? 山形新幹線じゃないの!? などと素人臭い突っ込みを(だから素人だって!w)
名古屋の手前、東海の名古屋車両所と近鉄の留置線が下に見えるところでは、本当に一面真っ白。23000系と12200系がいい感じで停まっている。写真・・・撮りたい・・・が、3人掛けの超満員で、足元は真ん中にキャリーが置いてあり、カメラはザックの奥深く・・・現実問題、とても取り出せる状況ではなく、涙を飲んで見送った。名古屋発車後も、いよいよハイライト、関ヶ原の在来線柏原―近江長岡の名撮影地の雪景色の素晴らしかったこと!まるで北海道のような神々しい光景であったが、目に焼き付けるだけに留まった。残念。

飛行機よりはマシとはいえ、2+3の一列5人掛けの新幹線が満員になると、正直かなりきつい。東京発車時点で、隣のおやじとの肘掛争奪戦になんとなく負けて、文字通り肩身の狭い思いをしているのに、足は自然な位置に置けないし、しかも直後の席に座っているおっさん2人連れの会話が異常にうるさい。黙っていろとは言わないが、早朝の列車で子供もおらず、静かな車内に他愛のない会話が朗々と響く。ちょっと足りない人達なのかな?50代位のオヤジ2人で、高野山だの大阪だのに観光に行くらしいが・・・誰か切れる人が出るのではないかと思ったほどだが、そんな地獄のような状況も新大阪で一変、乗客の半分ほどが降りてしまった。 ここでやっと3人掛けを1人で占拠、うるさいオヤジ2人も降りて、やっと快適な新幹線の旅が始まった。しかし、結局ここまで定時より30分遅れ、3時間ということは、なんと210km/h走行の時代と変わらない。天下のN700系のぞみが、「夢の超特急ひかり号」と同じかよ・・・
とはいえ、ここからはまさにスペック通りの怒濤の300km/h走行が始まり、回復運転をしてもほとんど時間は縮まらないが、久しぶりに乗った山陽新幹線で、楽しい列車旅が味わえた。分遣隊長の西進記録は大阪まで、すでに300km/hで更新を続けている。

岡山でさらに降車があり乗車率は3割程度に、広島ではついに1号車は私を含めて4人に!東京発一番列車のぞみ1号も、関西発では有効時間帯を大きく外れているのだ。
結局、小倉には定時1033より39分遅れ、1112に到着した。車内アナウンスでは延々と接続列車の案内をやっている。本来は余裕の接続なのに、時間がないので少々お急ぎ下さい、○○は接続の要請をしておりましたが残念ながら発車してしまいました、次の列車をご利用下さい・・・さすがJR九州の列車は待ってくれない。
小倉駅では、tamo太郎さんと昨年のレーガン撮影で行動を共にしたtamo太郎さんの趣味仲間、すきっぱー君が待ってくれていた。

まず、門司に向かい門司港駅前、九州鉄道博物館に隣接するスーパーに寄った後、朝から水一滴口に入れていないので、遅い朝食(最近いつものことだが)でtamo太郎さんお勧めのうどん屋港屋千兵衛に。

かつて香川のうどん屋巡りをやっていた割には、今ひとつうどんに親しむ機会の少ない私だが、ここは有名な豊前裏打会の一門の店ということで、昼飯時とはいえ店内は満員、店の外にも行列ができていた。頼んだのはふぐ天ぶっかけ(温)1,200円(だったかな?)右側に見えるのが極太ふぐの天ぷらである。私は最初、左に見えるかき揚げのようなものがふぐだと思っていたのだが・・・はっきり言ってこれだけで1,200円は取れそうな巨大なふぐの身だ。これに加えて薬味や鰹節がたくさん! 麺は細麺で、若干柔らかめなセッティングだが、美味かったです!

腹がいっぱいになった後は、関門海峡の最狭部、関門橋のたもとに。

ちょうどtamoさんが珍しいという巡視船、きくちPM-81が入港してきたので、なんだかわからないまま撮影(すいません、素人臭くて・・・でも本当に巡視船はわからないんです)。めったに動かないので、このように動いているところを撮れるのは貴重な機会なんだそうだ。しかし、思いっきり逆光だが・・・

ここは有名な関門人道トンネルの門司側入口があり、観光バスで乗り付けた観光客で賑わっていた。トンネルマニアとしては必須の体験アイテムであるが、今回は後の予定が詰まっているので涙を飲んでパス。

しかし、こうやって狭い海峡を見ていると、時々tamoさんのブログで見ることがあるが、ここをタイコンデロガ級や忠武公李舜臣級が通航していくんだ・・・というのと、長い海底トンネルで抜ける新幹線で来たために実感がなかったところを、分遣隊長ははるばる九州までやって来たんだなあ・・・という思いを新たにする。ここまですでに西進記録を500kmほども更新したが、明日はさらにいよいよ九州の西の端まで到達するのだ。

この後、さらにぐるっと回って、周防灘を一望の下に見渡す部崎灯台に。ここで、関門海峡の航路通報で事前にチェックしていた掃海艇の通峡を撮ることに。

なぜかtamoさんの弟さんにお土産で頂いたケーキを男3人、誰もいない灯台のたもとでムシャムシャ食いながら、分遣隊長の運動などさせながら待っていると・・・

まず最初にやってきたのは掃海艇ながしまMSC680(舞鶴地方隊第42掃海隊・以下すべて同)。

2隻目はとびしまMSC678。

3隻目はあわしまMSC670。

3隻は雁行で、恐らく呉を目指して周防灘を南下していった。

・・・なんか、分遣隊長器用に?鼻先に草を乗せていたので、撮ってみた。鼻が濡れているのでくっついているらしく、しばらく動いてもなかなか取れず、うっとおしそう。
この後、tamo太郎さんのお宅にお邪魔して、初めてtamo家の愛犬、ヨーキーのアイちゃんと分遣隊長のご対面〜!

アイちゃんは、忘れもしないちょうど1年前のレーガン撮影行の時、帰りがけに長崎に寄って就役前のあたごと建造中のあしがらを撮り、福岡空港に戻る時に、tamoさんが自宅からの電話で「何〜!犬買ったぁ〜!?」と驚いた、レーガンさんとともにやって来た犬なのである。従ってまだ1歳ちょっと、すっかりオバサンの域に入った分遣隊長に比べれば小娘もいいところだが、この子がまた人懐っこくて、全然人を怖がらず、分遣隊長にも興味津々。あまり犬に興味がなく、ガーッと来られるとちょっとガウガウしてしまう分遣隊長も、相手がこれ位小さいと余裕の応対でお互い臭いを嗅ぎ合ってあいさつ。一度ご対面させてやりたいとは思っていたのだが、こんなに早く実現するとは。
人の家でも相変わらず我が家のように振る舞う分遣隊長、tamoさんのご両親にも愛想を振りまいて、このまま明日まで泊めてもらうか?wと冗談こいてみたが(分遣隊長は望むところ、といった表情)、そうもいかず、また出発時刻が迫っていることもあり、早々にお暇することにして・・・と、靴ひもを結んでいたら、家の奥の方にさっさと戻って行ってしまった。だいたい人の家に上がり込むと、勝手にくつろいでしまって、特に犬を飼っている家だとその犬のハウスに上がり込んで寝てしまうことがあるのだ。これで靴を脱いで戻ったらきりがないので、tamoさんのお母さんに首根っこひっ捕まえて玄関に連れ戻して頂いて、今度はすきっぱー君の車からtamoさんの車に乗り換える。

夕食はtamo家の近くにある焼肉屋に。
一見、いかにもチェーン店といった構えの店で、実際チェーン店なのだが、お勧めの中落ちカルビは肉厚でジューシー、これから極寒の夜明け前、星空の下で決戦に望む我々のエネルギー補給にはうってつけ! ここで、今年のオシアナに向けて密かに野心を燃やしていることが発覚したすきっぱー君に、いっちょまえの先輩面してレクチャーなどして、本日も運転はしないので心おきなくビールを飲んで、すでにご機嫌。
tamoさんとはなんだかんだで、ひと月に1度は会っているが、すきっぱー君に会うのは本当にほぼ1年ぶりである。だが、筋金入りの海軍機マニアである君と、tamoさんも交えて焼肉をつつきながらの歓談は、本題のニミッツ撮影にも増して楽しいひとときだった。軍艦マニアなんて言うけれど、やはり付き合いもなく無表情で1人さびしく趣味活動やって何になるか。いや、かつて、ほんの数年前までは私も、聞こえはいいが「一匹狼」でやって来て、それはそれで気楽なのは知っているけれども・・・趣味を通して人生が豊かになる、というのがどういうことなのかを、しみじみ考えてしまう。
この後、行きがけに立ち寄り温泉に入って、露天風呂でtamoさんと明日の算段などつけながら、しばしゆっくり(ゆっくりし過ぎじゃ・・・?)。夜通しと言っても、北九州から佐世保では、3時間ほどもあれば着いてしまう。といっても、朝方に着いたのでは遅いのだが、これがこれでまた楽しい。軍艦バカなんてクソ食らえ〜!飯食って酒飲んで風呂入って、その先に空母が待っていれば最高じゃないか?