ミストラル出港追撃戦!

Blueforce2008-04-13

4月9日、思わぬタナボタの勝利で幕を開けたBlueforceフランス週間も本日が最終日、いよいよ洋上決戦だ!
・・・とはいうものの、予報は連日の流れを引き継いで、ほぼ一日曇り時々雨というひどさ。0530起きで本日参加のどら猫さんと連絡を取ると、こちらはドン曇りながら雨は降っていないのに対して土砂降りだという。徐々にこちらにやって来るのだろうか。なんか、行く気失せたな・・・
そうは言っても、本当に行かないわけにはいかない。仕方なく分遣隊長を起こして朝ご飯を用意して、車に向かう。確かに、新木場に向かう途中で霧のような雨粒がフロントガラスに当たり始め、新木場駅前のコンビニに入って買い物をするところで本降りになった。なんだこれ・・・? 11日のデュプレクス出港の時よりひどいな、これじゃマジでレンズも変えられないし、駐車場で寝てるかなあ・・・
とも言ってられず、駐車場で落ち合ったどら猫さんと、支度をして今日も防波堤の突端へ。日曜のため、過去2回を含めて一番の人出だ。駐車場も朝も早よからまあ車がいっぱい・・・もっとも、良く考えたら本筋の釣り客も結構いたので、全部がフネ屋というわけではなかったが。

本日は11日のような不確定要素はあまりなく、おおよそ予定通り、0800の出港は固いだろうと(今にして思えば根拠のない憶測だが)余裕ぶちかましのスタンバイとなる。一時はあれほど激しかった(シトシトとジャバジャバの中間位)雨も、奇跡的に上がったようだ。11日と同じ展開だが、あそこまで劇的に回復はしないだろう、しかしこれでレンズの交換には困らない。ということで余裕の重役出勤からほどなくして、0745頃まずホストシップの「きりしま」が出港。

続いて0755過ぎ、ミストラルも離岸。

さすが360度回転するポッド式推進器とバウスラスターの装備で、タグの助けをいっさい借りることなくその場回頭を行うミストラル

そうこうするうちに、一足早く目の前で回頭を終えた「きりしま」が、目の前を通り過ぎて行く。ありゃ〜また特撮みたいに写ってる・・・なんで時々こういう質感になるんだろう。なんか、3m位のミニチュアに見えません?

ほら、これと同じw

防波堤に居並ぶフネ屋さんの横を、港外に抜けてゆく「きりしま」。本来なら先日の「はまぎり」のようにバックも取りたいところだが、今回はそれどころではない・・・すぐ次にミストラルが迫っているのだ。よって大部分の同業者も見送るだけ。

いよいよ両舷前進がかかったミストラル

東京東第六号灯浮標の横を抜けて行く・・・

艦首に集まったワッチ?の乗組員が「帽ふれ」をしている。ずっと天気悪かったけど・・・それずっとこの辺うろついてたオレwのせいかも知れないけど・・・楽しめました?

やっとスターン部のアップも撮ることができた・なんか、ランプドアはアメちゃんのタラワ級やワスプ級と違って、仮設のトタン板みたいで頼りなさげ。それにちょっと幅が狭いような気がするのだが、これでLCAC本当に入るのだろうか。側面とスターンに描かれている風車のような絵はポッド式推進器のプロペラの位置。

東航路を南下、面舵回頭した「きりしま」の後を追うミストラル
さようならぁ〜、また来てね〜!
・・・と、ここで見納めとなるにはまだ早い。より良いアングル、ライティング、ロケーションを求めてどこまでもしつこく食らいつくのが当分遣隊のやり方だ。冷静に帰り道を辿ると意外に距離のある防波堤を急いで戻り、駐車場まで戻り荷物を納めたら、追撃戦の始まり。
今回狙うのは、当分遣隊で例会を実施しているキティホークと同じように、東京湾フェリーでの至近距離での姿だ。過去の追撃戦からの経験で、東京港出港から観音崎までの所要時間はおおよそ2時間ということがわかっている。もちろん、曲がりなりにも広い海の上で、いつもの空母のように目の前に来てくれるかはかなりの賭けになるが、駆逐艦クラスならリスクが高いと観音崎からのオカ撮りにするところ、それよりはちょっとは外してもデカく写るだろうと、「東京湾フェリーミストラルを撮る会」を催行することにしたのである。
マジンガーZの最終回ぐらい満身創痍のどら猫さんの車と2台、新木場から湾岸線に乗る。ここから横横衣笠ICまでは70kmほど、入りも出も高速が至近なので、所要時間としては楽勝の計算である。重要なのはフェリーの時刻だ。本日のダイヤは3船ダイヤ、久里浜発は0920の6便、1000発の7便、1040発の8便となるが、6便はムルシエラゴにでも乗らなければ乗船は無理で、8便では遅過ぎる。前にも後ろにも7便しか選択肢はない。
予定行路表(そんなものあるのか!?)では楽勝なれど、油断は禁物。追い越し車線を恐らくこれが最後の力走となるはずの、どら猫さんのまめぞう君号といい調子で走って行く。追撃戦の時、要注意なのは東扇島を抜けて、左側に海が見えてきた時だ。ずっと内陸かトンネルの中を走って、沖が見渡せるのはここが最初のポイントなのだが、通常のペースならここで真横に出港していった艦船が見えるはずだ。・・・シルエットに特徴のある大型艦だけに、一瞥をくれただけで発見、思わず1人で歓声を上げてしまう。
最近、この追撃戦で艦艇と併走している時ほど、生きているのを実感する瞬間はない。このアドレナリンのゴボゴボと沸き立つのを味わいたいだけのために、写真を撮っているようなものだ。露払いに「きりしま」を先導させ、しずしずと東京湾内を行くその姿!今この瞬間、誰も気に留めていないが、いやそれだけに私だけのために開催してくれる国際観艦式だ。2008年の今日のこの日、歴史上1回しかないこの瞬間に、自らの車を駆って遠く異国に還る船と肩を並べて走るのが、とても貴重で不思議なことに思えるのだ。
およそ5倍のペースで抜き去るはずの我々だが、しかしここで油断するわけにいかない。一昨日は空しく敗北に終わったのだ。どう計算しても合わないのだが(まさかデュプレクス東京湾内に消えてしまった!?)、まあ脚も遅く小回りの利かない揚陸艦の方が駆逐艦よりは勝ち目はあるだろうと、アクセルを緩めずベイブリッジ通過。ここで若干後ろに下がり始めたのだが(当たり前だ・・・本当に船って速い)、先日説明したように海岸線に沿ってぐるりと回り込む形になる本牧磯子を抜けてIHI-MUの手前で一瞬沖が見える場所に来た時、ミストラルが再び斜め前方に・・・あとは浦賀水道航路内12ノットの制限に期待するしかない。ここからはフェリーに乗って沖に出るまで海はまったく見えないのだ。もちろん、早く着いてもフェリーの出港時間が早くなるわけではないのだが・・・

というわけで、久里浜フェリーターミナルに到着。いつものように大声でハイハイ往復遊覧です往復遊覧です〜!と喚き散らしながら、本日は1日駐車スペースに誘導されたがもちろん駐車料金は払わない。荷物をまとめている間に先行するどら猫さんに切符を買ってもらい、乗船ブリッジを渡って行くといつもの改札のおじさんが「今日は何撮りにきたんだい?」wwww ハハハ、すっかり面が割れている。フランスの空母・・・じゃないけど、そんなようなもんですって言ったら、「ハリアー載せるような奴だろ?」そこまでご存じでしたか、まあフランスはハリアー持ってませんけど、いわゆる強襲揚陸艦って奴です。じゃ、行って来ます!
本日は日曜、船室内は混んでいるが、もちろん同業者の姿はなく、空母でないため「東京湾フェリーで空母を撮る会」名誉会長の師匠のおじさんも乗っていないようだw
我々を乗せて1往復してくれるのは例会では毎度おなじみの「くりはま丸」。定刻1000出港、と、いつものように久里浜刑務所を回り込む前に見覚えのある艦影が!

う〜ん、すでに真横に近い形になっている・・・いくら鋭角で併走するコースといっても、すでに徐々にスターンが見え始めている状態では前を取るのは無理か・・・しかしこの船、ドックのトリムの問題か、どうも前傾しているように見えるのは気のせいだろうか・・・水平線基準でフレーミングをしてもどうしても傾いているような違和感が消えない・・・

金谷0950発の6便、「しらはま丸」とからむミストラル。う〜ん、いつものことだが、これに乗った方が近くて頭押さえられたな、しかしこれは久里浜0840発の5便の返しだから、グリコ作戦やるならムルシエラゴ乗っても乗船は不可能・・・

フェリー航路との交錯点、「くりはま丸」とのCPAを通過。間に立ちふさがる釣り船では、客が軍艦になど目もくれず釣り糸を垂れている。かっ、代わってくれ〜!

こんなん、ダイナミックに撮れてもしょうがないのに・・・ホンマに日頃の行いか、とにかく天候に恵まれなかった今回のフランス艦隊来日であった。

これが、本当の最後の姿。間もなく浦賀水道航路南端、ここまで操艦の指示を執っていた水先人が下艦するため、左舷にタグボートがついている。
さよならミストラル! これから、ジャンヌ・ダルクに代わって昔みたいに毎年日本に来てネ!

もうほとんどジンクスと化しているが、今回も頭を取れないとは・・・まあ、それでも来て良かった、EXIF情報によれば、ミストラルは離岸したのが0755(推定)、行き足がつきはじめたのが0806、防波堤を通過したのが0814、沖に出たのが0821(きりしまとツーショットになっている写真の位置)、CPAがおおよそ1018、ということで、やはり2時間、出港時刻からするとおおよそ2時間20分ほどとなる。予想した通りのタイムで、これでまた一つログを加えたわけである。今後の駆逐艦クラスの撮影においても参考となるだろう。
帰りの便を楽しくダベりながらフェリーの旅を楽しんだ我々は、どら猫さんが用事があるというので久里浜で解散となり、今まで例によって散歩も満足にできなかった分遣隊長のために横須賀うみかぜ公園、京浜島つばさ公園、駒沢公園と各駅停車で散歩して帰ってきた。こうしてBlueforceはてな分遣隊におけるフランス週間、終了。