ミッドシップ一代記

our RANGE ROVER &EF65PF

もちろん、ドラマなんて見ない人種なのだが、本クールは同居人が「ラストクリスマス」を見ているので私も自動的に見ることに。
なんか、リアリティがないのがいわゆる「トレンデードラマ」っつー奴ですけど、これはさらにリアリティがないなあ。織田裕二矢田亜希子っていう組み合わせがいかんね。年齢差もそうだし、キャラが違いすぎるよ。出会わなそうだもん。
そんなことはどうでもいいんですけど、本日の放送、スキー場かなんかで働いている織田裕二に何かを届けに行くシーン、矢田女史が乗っていたのはなんと!トヨタMR2。形式名SW20である。おいおい、2004年のドラマにそんなもん出すんかい。女史は走り屋系のレディース上がりという設定で、車両関係をトヨタがスポンサードしているというので、妥当な選択といえばそうなのだが、仮にも月9の小道具にしてはずいぶんミスマッチ・・・
まだ免許もなく、毎日毎日学校と家を往復するだけの青春時代を過ごしていた私の唯一の楽しみといえば戦闘機しかなかったわけだが、そんなキモオタにもいつしか色気づく季節がやってきて、バイクや車に興味を持つようになった。まあもともとが乗り物好きなので素養はあったわけだが、やはり興味の原動力といったら下心でしょう。タンデムシートにあの娘を乗せて、助手席にアノ娘を乗せて・・・車種は妄想のたびに変わるのだが、ヨツワでもっとも出番が多かったのが初代MR2、AW10/20である。
今でも鮮明に覚えている、フランス語で早口にまくし立てる歌が度肝を抜いたコマーシャル、今まで見たこともなかった2人乗りという座席配置、コクピットのようなインパネと高いシフトトンネル、手首で操作するシフトレバー・・・もう欲しくて欲しくて気が狂いそうだった。免許も金も女もいない17歳の童○野郎が夢想するには、フェラーリを買うのと変わらない。いつか、この俺が車に乗る日がやってくるのだろうかと、燃え上がるような妄想に身を焦がしたアア青春の日。
その後、MR2はフルチェンジしてSW20となるのだが、世はまさにバブル絶頂期、私もついに車を手にいれることのできる身分となっていた。売り出し前のカーセンサーで速報を見た時の驚きも忘れられないなー。買うなら絶対GリミテッドのTバー、色はダークターコイズイカ・・・とまで決めていたのに、結局買ったのは他の車だった。
初期SW20は「殺人マシーン」とまで言われたようなサスセッティングの車だったので、あの時買っていたら恐らく私はこの世にいなかっただろうが、好きだからといって必ずしも添い遂げられるわけではないのは人間だけではない。大衆ミッドシップなどという酔狂なレイアウトの車がいつまでも続くわけはないので、結局私とMR2は赤い糸で結ばれてはいなかったのだろうが、資本主義の掘削ドリルのようなドラマで、人々に忘れ去られた初恋の車が小道具に登場するなんて、栗の花の香り漂う我が青春の恥ずかしい敏感な部分をさらけ出されたようでなんかとっても恥ずかしいのであります。ま、走り屋っちゅー設定上あれしか車種の選択肢はないのだけれども・・・
あれでF1層の間でMR2の人気が上がって、相場が上がったりタマ薄になったりすることはないよねえ。
PhotoはMR2なんかあるわけないので、現在の愛車レンジ号とEF65 1109[田]。
http://homepage.mac.com/izunton/