2ケツ飛行機はお好き?

F/A-18F Bu No.165795 in VFA-211

単座と複座の機体、どちらが好みかといえば、複座が好きかも知れない。
我ながら変わっていると思うが、恐らく(というか確実に)トムキャットの影響だろう。しかし、これも当初から複座で設計されている機体に限るわけで、皆がそうだと思うが元が単座から派生した複座モデルというのはどうも好かん。無理矢理なキャノピー周辺のライン、いかにも部隊に2〜3機配備されている予備・練習機、おミソという立場に萎えるのである。TF-102やSu-34位ブッ飛んでいれば笑えるんだけど・・・
おかげさまで、海軍機は実戦部隊に派生複座形の配備はほとんど例がないから、日本でそうしたものを見せられる目に遭うことはほとんどないが(プラウラーは置いといて)、そんな常識を覆してくれたのが海兵隊のF/A-18B/D。元がTF-18という位なので基本的に練習機形なのだが、むりやり後席にWSOを座らせて実戦複座機に仕立て上げてしまった。これは格好悪い・・・異様にキャノピーが大きく見え、明らかに頭でっかち。よくこんなもの採用したな・・・
しかし、海軍もトムキャットが退役するにあたって、操縦資格のない後席のNFOの雇用対策もあるのだろう、後継となるスパホは単座E形ではなく、複座形のF形となってしまった。情勢が非常に流動的なので例外も多々あるのだが(単座E形に転換した例もある。対してC形ホーネット―レガシーホーネットと言うらしい―から転換した部隊は現状ではすべてそのまま単座に移行)、厚木から去っていったトムキャット部隊、VF-154の後釜は複座F形を装備するVFA-102。もともとホーネットがそれほど好きではないうえに、そんな格好悪い機体誰が撮るか!と、実物を見るまでは思っていた。のだが・・・
もう2年以上も前になってしまったが、初来日したVFA-102を厚木で迎撃した時の第一印象は、「意外に格好いいじゃん」。C形より全体的に大きくなっているので、キャノピーのデカさが緩和され、だいぶバランスが良くなっているのだ。しかも、どこで身に付けてきたかトムキャットの後を継ぐ主役メカの風格を漂わせている。むしろ後から見ることになった単座E形の方がバランスが悪いような気さえするのに我ながらびっくり。そんなはずはないのだが、機首のラインがどことなくトムキャットに似ているのだ。そこにはすでに部隊の予備機然とした匂いは微塵も感じさせない、スパルタンな花形の姿がある。やはり第1飛行隊を務める艦載機には複座がよく似合う。
一目見ての淡い恋の予感は今、かなり本気(マジと読んで下さい)感を漂わせている。ホーネットごときに悔しいことだが、惚れた!「単座ベースの複座派生形はカッコ悪い」という先入観を払拭してくれたF/A-18Fに敬礼!
・・・ま、それもこれも冬ソナパターン(好きだった人が死んでその後瓜二つの人に会ったら前後の見境無く狂うという)なんですけどネ。