お疲れさん猫とライオン

F-14B in VF-32 Bu.No.161860

3月11日(アメリカ東部時間)、昨年9月に大西洋・地中海・ペルシャ湾航海に出発した空母セオドア・ルーズベルトUSS Theodore Roosevelt CVN-71が半年ぶりに母港ノーフォークに帰港した。
こにれ先立つ10日、同艦に搭載される第8空母航空団の艦載機各機もそれぞれの基地へと帰投、なかでも今回が最後の航海となるF-14トムキャットを装備するVF31"Tomcatters"、VF-213"Black Lions"の2個飛行隊は、クルーの家族をはじめ大勢の関係者、取材陣が待ち受けるホームベース、ノーフォーク近郊のオシアナ海軍航空基地に22機の大編隊で姿を現し、1972年の実戦配備以来アメリカ海軍空母任務部隊の盾として33年その大任を担った同機の有終の美を飾った。
・・・と、海軍の公式ニュースをはじめ各種報道、ファンサイトなどで発表されているアウトラインを書けばこのようになる。今さらうちの日記でこんなニュースサイトみたいなこと書かんでも、と思うが、あと何年続くかわからねど、大事な記録だ。うちのサイトでのオフィシャル記録として、あえてこのような記述にしてみたが・・・
本隊の方の日記で2003年9月、考えてみればもう2年半も前になるが、VF-154が離日したのに触れ、2〜3年のうちにアメリカに行く予定もさすがになく、これでトムキャットともさようなら、と書いてから、結局のところもう一度会いたい気持ち抑えられず、勢い余って昨年のオシアナオープンハウスにまで行って来た。最後の1機が翼を折り畳むまでにはいましばらくの時間があれど、日を追う毎に最後の○○、最後の○○というニュースが飛び込んできて、ついに本日をもって艦隊配備は終了、空母からの作戦任務を第一義とする艦載機にとって、艦を降りるということは実質的な「死」を意味する。各ピリオドの折に触れ、さよならだのお疲れさまだの書いてきたが、今回こそが大きな区切りになろう。
今一度、9月に本当に最後のさよならを言う前に、ついにベアやバックファイアに刃を向けることなく、用心棒の役割に徹して去りゆく、"Combat proven"の称号と無縁の「無冠の最強戦闘機」、トムキャットに、惜しみない拍手を。戦わなかったことがその価値をおとしめるわけではない、戦わずして勝った、その尊い実績に敬礼を。