3分隊マニアの独り言

Control room of JDS Asagiri

先日の東扇島での「しもきた」一般公開で、ちょっとギタ○侍似の機関科員の方と話していて盛り上がったネタ。
観艦式や体験航海で護衛艦の操縦室に入ってきた見学客、最初はすっかり舞い上がってしまって、「うわ!かっこいい〜!ここは何をする所?」など大騒ぎしているが、「ここは艦の速力を調節するところです。本艦のエンジンはガスタービンといって、ジャンボジェットについているエンジンと同じ物が4基ついています
と言った瞬間!
プチン、と聞いている人の"安全装置"のブレーカが降りるのが横で聞いていてよくわかる。その後は段々目が泳ぎ始め、機関科員の方の解説はすっかり上の空、適当なところで切り上げてさっさとおいとましよう、という意図がありあり。

▲エンクロージャー内のスペイSM1A舶用ガスタービンエンジン
そりゃそうでしょう、まったく予期しなかった物が唐突に出てくれば、大概の人は混乱して、完全に思考が停止してしまう。どうして翼の下に付いているあんな筒形のものがこの艦についているのか、空を飛ぶわけじゃあるまいし、まったく関連が見いだせないじゃないか・・・「大体、説明が下手なんですよ〜」と彼は言う。機関のことになると会話にもひときわ熱がこもる彼は、かつてはガスタービン艦の乗組経験もあるというが、オレにやらせりゃもっとうまく説明してやるぜ!との意気込みがありありと伺える。

こんごう型ミサイル護衛艦きりしま DDG174の操縦室
確かに、いきなり「ジャンボジェットの〜」との説明を聞いていて、これじゃあ自ら理解を拒絶しているようなもんだなあ、とは思う。だが、尖っているものを見れば何でもミサイル、核兵器にしてしまうような方々がいくらかみ砕いた説明を聞いたところで、どれだけ正確に理解するかなあ、とも。

▲たちかぜ型ミサイル護衛艦たちかぜ DDG168の艦橋

▲たちかぜの操縦室
私は某掲示板で「某軍事オタク」なんて説明されてたけど(笑)、どちらかと言うと兵器より乗り物好きなんだと思う。「かぶりつき」という言葉をご存じだろうか。鉄用語だが、運転台の後ろでガラス越しに前方を凝視する行為のことである。私は今でも、よほどの近所の路線でない限り、運転台の後に立っているし、JR北海道の特急列車に乗れば、指定席は必要ない(この意味わかる人、あなたもカタギじゃないよね〜)。もちろん、護衛艦に乗れば艦橋と操縦室が指定席である。

▲あさぎり型護衛艦あさぎり DD151の艦橋

▲あさぎりの操縦室
体験航海の楽しみ方なんて人それぞれだし、こんな事を書くとまた荒れそうで怖いのだが、展示訓練だけが目当てで行き帰りは退屈だとか、早く行って寝る所を確保・・・とか、なんかもったいないなーと思う。こちとら、乗った瞬間からフル回転で艦内をかけずり回って、最後の1秒まで惜しいのだ。かと言って一日中操縦室にいるわけにもいかないし、もちろん展示訓練だって撮りたいし・・・
全身で、艦の鼓動を感じたい。こんなに短い時間だけれど、艦と身も心も一つになりたい。科員食堂で寝ている暇はないのだ、毛布もらって寝ている場合ではないのだ。だから、乗っている時間は1秒でも長い方がいい。艦の行程は1mでも長い方がいい。というわけで、いつも応募するのは横浜発。そりゃ、横須賀発の方が艦は新しいのが多いし、軍港から出港する気分が出るし、※軍の艦船もいろいろ楽しむことができる。しかし、横浜発と横須賀発では艦にもよるが乗艦時間は1時間半ほども違ってくる。行った先だけが楽しみで行き帰りは短い方が楽でいい、という向きとは根本的に目的が違うので、長ければ長いほど大歓迎というわけである。

▲はつゆき型護衛艦あさゆき DD132の艦橋

あさゆきの操縦室
本隊で現代艦船のテクノロジーを作ったのも、兵器偏重に思える艦船趣味のなかで、ぜひ推進システムや繰艦にも目を向けて欲しいとの思いからなのだが、やはり予想通りというか、食いつきは弱い。興味がなければ、どうしてジェットエンジンでフネが進むと理解できようか。しかし、興味がわかないのはそれを解説してくれる資料や文献がないからだ、ともいえる。う〜ん、ニワトリと卵の関係・・・結局、本隊は全然更新する暇はないし、私が全部を詳細かつ平易に解説するサイトを作る!などと大風呂敷を広げるつもりもないが、もうちょっとなんとかできないかな?とは思っているのです。
例大祭ウィークでちょうどいい機会なので、ちょっと偉そうなことをほざいてみました。もちろん、何度も言うように、ウンチク垂れて他人の楽しみ方にケチをつけるつもりは毛頭ありません。誤解のなきように。