観艦式Photoセレクション

JDS Matsuyuki DD130

気が付いてみたら、ここひと月位ここまでずっと海軍一色。
ま、私のサイトらしいと言えばそれまでなんだけど、本当はもうちょっとカテゴリは散らしていきたいし、他のカテゴリで訪れてくださる方もいるのだから・・・というわけで、観艦式の写真なぞ他の日記でいくらでもやっているし、アホみたいに同じ写真を並べて基準排水量・・・とか通り一遍のことを書くのも飽きたので、ちょっと目先の変わった企画を。
普段は写実主義?に徹して、資料性のないPhotoをあまり撮らない不肖Blueforceが、珍しく情景をからめたものを撮ってきたので、普段は使い道のないこれらの作品群を一挙大放出しちゃいます。

行きの行程、76mm砲の操法展示を見るともなしに見ていた時、仰角を最大にかけて旋回し始めたら、砲口が前を行く観閲艦「くらま」にちょうど重なる位置に来た。普段はとても撮らないようなカットだが、冗談で撮ってみたら結構面白かったので採用。

全然情景でもなんでもないバリバリの艦船写真だが、据わりが良かったので採用。単縦陣を整えつつある我が観閲付属部隊、「まつゆき」直後の「あぶくま」のさらに後、ひときわ大きな試験艦「あすか」ASE6102の艦橋構造物が目立つ。
艦船は正面がちに撮るとどうしてもマストのせいで縦長になりがちなのだが、縦位置のPhotoというのは、自分でレイアウトして配置するときは非常に難しいのでなるべく撮りたくないし、採用もしたくないのだが、ブログならデザインの必要はないし、逆にアクセントが付くので結構重宝する。

ごめんなさい、これもバリバリ艦船写真です。この観艦式を花道に直後に引退といわれる護衛艦隊旗艦、ミサイル護衛艦たちかぜDDG168。ここ2年ほど、何度か乗る機会もあり、艦齢の最後近くで思い出もできた。最後の勇姿をたたえ、本番での登舷礼を行う姿をここで紹介させていただく。

なかなかのメガネ男子の航海長、観閲終了後180度回頭の最中も笑顔を絶やさず繰艦中。先程まで艦尾しか見えなかった一つ前の「さみだれ」が、見る見るうちに側面を見せる。

舷窓から自然光が差し込む場所にある艦橋の海図台は、いいライティングで写真が撮れる。現在本牧沖を南下中、「次回変針予定時刻○○、SOA○ノットです!」

昼間の艦橋は照明を一切つけない。普段の私なら全部ストロボをたいて撮るところだが、それでは雰囲気が出ないので切ってみた(早い話がスイッチの入れ忘れ)。もうちょっと人の表情(というか姿)が出れば良かったんだけど・・・窓越しに見えるのは「あすか」。

帰路、浦賀水道航路を抜けたところ、第2海堡を右に見て、2隻先を行く「しもきた」は右に大きく回頭した。今日のねぐらは川崎・東扇島、横浜組と別れて北航船専用の中ノ瀬航路を進み、一人寂しく帰路に就く。

1986年就役のベテランだけに、飾られているプラークの数も多い。これらは海自をはじめ、外国の他海軍艦艇と共同訓練を実施した際にお互いで交換したり、港に親善寄港した際に市長などから贈られるもの。米軍のものが多いが、メキシコなど普段は日本にあまり縁のない海軍のものももちろんある。下段右端のものは退役してしまったアメリカ海軍のミサイル駆逐艦キッドKidd DDG-993のもの。同艦をネームシップとするキッド級4隻は、イランのパーレビ王朝が発注し中東随一の戦闘艦、クーローシュ級になるはずだったが、政変ですべて破談になり、仕方なくアメリカ海軍が引き取ったという経緯を持つ。アメリカ海軍においてはイージス世代の一つ前の、従来形対空ミサイルシステムを持つ最後のミサイル巡洋艦だが、退役はしたものの艦齢も若く、4隻すべてが台湾海軍に譲渡された。なお、1番艦、真珠湾攻撃時に戦艦アリゾナ艦上で戦死したアイザック・キッド少将の名を冠した1番艦キッドの名前は、最新鋭のアーレイ・バークミサイル駆逐艦の50番艦にその名が受け継がれている。

秋の日はつるべ落とし、横浜に帰ってくる頃にはすでに夕闇が迫っていた。朝は霧雨も降る一面の灰色景色だったのに、奇跡的に夕陽が見えるまでに回復した。が、もう一息西の空がクリアーならもっとドラマティックな色に仕上がったのだが・・・前回2003年、ここで見た夕陽はすごかった。

ああシフトレンズが欲しいと心底思うアングル。思えばここから最初に「あまつかぜ」で観艦式に参加した時は、ベイブリッジはまだ建設中だったのだ。今、橋はすっかり横浜の風景にとけ込み、「あまつかぜ」は死して右舷スクリューを横須賀基地ゲート脇に残す。

戦闘マシーンも動かすのは人間。呉が母港の「まつゆき」は、艦橋にもここ操縦室にも厳島神社のお守りが置かれていた。横浜に帰港後、乗艦客を降ろした後2時間ほどで呉まで帰るハードスケジュール。残り少なくなった2006年、「まつゆき」に幸多からんことを・・・