CVW-5 Mt.Fujiフォトミッションに遭遇

F/A-18C approaching  to NAF Atsugi

さて、12日昼近くになり、当然遠来の客人もおり、しかも同好なので、当然のごとく午後の部は・・・
面々の守備範囲は基本的にフネがベースなのだが(私は半々位・・・でやるように努力しています)、ヴェルニーにずっといても何が起こるわけでなし、これから行くところといったら当然厚木なわけである。
しばらく16号を走って横横に乗り、保土ヶ谷バイパスを下川井で降りれば、厚木はすぐそこ。横須賀からは30分ちょっとの距離である。普通の集まりだったらどこかに停まって昼飯なのだが、今日は暑くて分遣隊長を車に置いて行けないのと、やはり習性で厚木に近づくと気が急くので、つい店があっても飛ばしてしまう。今日の運用は01―19方向のようなので、北エンドにご案内したのだが、tamoさんが離陸が撮りたいと言うので、ふうこ号ランチェン。途中、いつものコンビニでおにぎりを仕入れている途中も、ガンガンオーバーヘッドで帰ってくるのを見て気が気ではない。あっちに残っていれば撮れたのになあ・・・
南エンドに着いたのは1300過ぎだった。tamoさんは今日2145発のスタフラでお帰りなので、それまでに羽田に着けばいい。夕方まで撮って、それから横浜辺りに寄って飯を食って・・・と余裕のスケジュールである。撮影ポイントには1人だけ。なんの変哲もない平日であるから当然だが、フライトは結構あるので、お客さんをがっかりさせずに済みそうだ。早々、VFA-102が2機帰投しタッチアンドゴー。次にC-40が、続いてC-9が降りてきた。う〜ん、向こうにいれば撮れたんだが・・・
上がるのかな?ちょっと心配になってきた。あと4時間足らず・・・と、C-2が動き出した。続いてE-2が。おかしいな、なんで2機が並んで上がるんだ? 早期警戒機のE-2をベースに円盤状のロートドームを取り去って胴体を拡幅した、陸上と空母を結ぶ輸送機となったのがC-2だが、2機が一緒にフライトすることなどあり得ない。任務が全然違うからだ。しかも・・・2機とも色つきだぞ!?
そうするうち、どこからともなく長玉をかついだ人が続々と現れ、あっという間に15名程になった。もちろん、皆エアバンを聞いているので、普段は車の中で待機しているのだが、いくらなんでも平日でちょっと人数多くないか・・・? 皆が、何かひそひそ話している。「400が・・・200も・・・」どうも、なにやらただならぬ雰囲気が漂いはじめた。

1352、VAW-115のダブルナッツ、NF600/Bu.No.165296が離陸。これが、これから始まる夢のような、いや夢のひとときのプロローグであった。

それから約10秒を置いて離陸した、VRC-30 Det.5のC-2A(31/Bu.No.162148)。ほとんどセクションと言っていい同時の上がりである。しかも2機ともフルカラー機・・・やはり、何か大変なことが起こっているようだ。そして、地上ではホーネット群が一斉にエンジンに火が入った。

1359、VFA-102のダブルナッツ、NF100/Bu.No.165894が離陸。これは・・・予感は確信に変わった。
CVW-5は、時折富士山上空で記念写真を撮影するフォトミッションを行うことがある。これに参加する機体は、各部隊を代表するダブルナッツ、モデックス末尾2桁が「00」の空母航空団司令機を使うのが通例なのだ。C-2とE-2の色つきが並んで離陸し、今またD-backのダブルナッツが、こんなこと偶然で起こるはずがない。

そして、こちらも10秒の間隔を置いて、VFA-27ダブルナッツ、NF400/Bu.No.165860が離陸。来たぞ来たぞ、2007年、厚木最大のお祭りだ〜!!!

ほぼかっきり10秒の間隔で、第3飛行隊、VFA-192の先日お披露目が終わったばかりのCVW-5最新のダブルナッツ、NF300/Bu.No.164010が離陸。飛行隊の順序で離陸していくようである。ということは・・・

当然次は3月13日以来ひと月ぶりのVFA-195ダブルナッツ、"Chippy Ho!"NF400/Bu.No.164905。なんか、後になるごとに離陸が低くなっていくような・・・

若干間が空いて、1403、VAQ-136のダブルナッツ、NF500/Bu.No.163524が離陸。これは低い・・・以上で、所属戦術機(固定翼機)全部離陸。富士山を見下ろす高度でのフォーメーションフライトであるフォトミッションにヘリコプターは参加しない(できない)。さて、本当にフォトミッションなら、カメラプレーンがいるはずである。写真に写してもらって代わり代わりに撮ってあげるような記念写真とは違うのだ。というわけで・・・

VFA-102のもう1機の色つき、隊長(CO)機のNF102/Bu.No.165882が離陸。恐らくカメラプレーンと思われるが、あんたは写真に写らないのに色つきで出てきたって意味ないと思うが・・・ちなみに、以前説明したかもしれないが、飛行隊長機は通常空母航空団司令(CAG)機の00に続いて末尾「01」の機体が充てられるが、ダイヤモンドバックスは部隊番号にちなんでモデックス102が充てられている。
さて、ここからが大変だ!エンドの人間はいっせいに北側に移動。我々も遅れじと車に乗る。ホレ、分遣隊長、急がないと降りて来ちゃいますよ! 北側は、南に増して祝日か?と思うほどの車でいっぱい、すでに駐車スペースを探すのにも一苦労だ。こっちの連中は上がりは撮らなかったのかな? 飛行機関係では同好の友人もおらず、偶然居合わせただけの我々と違い、皆事前に情報を得ていたに違いない。ならば、上がるのも知っていただろうになあ・・・

まあそれはいいけれど、ハーフタイムショー?でHSL51のSH-60B(TA714/Bu.No.164817)が飛び交う中、エンドは異様な興奮に包まれていた。富士山でのフォトミッションは、前回は2004年12月9日と13日に行われ、その様子は航空ファン2005年4月号の巻頭カラーで紹介されているが、この時は機体繰りの都合から"Chippy Ho!"は2回とも参加できなかった。クルーズに出ていない時、本業の訓練飛行の日程の間を縫って、各部隊が都合をつけて司令機の予定を空けておく・・・簡単なようでいて、整備に時間のかかる現代の軍用機では意外に大変なことなのだ。今回は見たところ全機がフルカラーで揃ったようで、約2年半ぶりのフォトミッションは大成功だったようだ。もっとも、インド艦隊編でご紹介したように、今日も極悪花曇り、厚木からでは富士山はまったく見えず、クリアーな空撮ができるかどうかちょっと心配だが・・・

それから約1時間、1506、オーバーヘッドでまず帰ってきたのは"Chippy Ho!"。ちゃんといい写真撮れたか〜?

2機目は1514に降りてきたVFA-192。帰りはレガシーホーネットの部隊からのようである。

1518、3機目のVFA-27。部隊名"ROYAL MACES"をデカデカと記入した増槽が目立つ。

1521、ホーネット部隊最後のVFA-102ダブルナッツ、NF100が着陸。しかしこの機体、訓練飛行でもないのに何を思ったかタッチアンドゴーを行った。考えてみれば、VFA-192が新しいカラーリングになり、これでホーネット部隊は4個すべてがドーサル・スパインを塗ったことになる。スゲーな、この航空団・・・まさにアパッチ野球軍である。

1533、VAQ-136のEA-6Bが降りる。このカラーになってから、昨年7月の小樽一般公開で見たことはあるが、飛んでいるのを見たのは初めて。もっとも何度も書いているようにあまり好きになれるカラーではないが・・

この後、61空のYS-11や海自P-3Cが降りてきてトラフィックが多くなってきた中、1545にカメラプレーンの102が着陸・・・と、こちらも嬉しいタッチアンドゴー。同機は機首の空中給油プローブのカバーを外しており、内部の赤色が見えている。さて、後席に座る今回のカメラマンは誰かな?

102がトラフィックパターンを回るうち、世にも珍しいC-2とE-2のフォーメーションで帰ってきた2機、ブレークしてまず1551、C-2が降りる。

ジェット機に比べて足が遅い2機種、途中で追い越されたようである。1552、オーラスのVAW-115が着陸。終わった〜。もう完全に放心状態。

と、その直後、1555にVMGR-152のKC-130Rが降りてきた。
もういないっすか〜?もういないっすか〜!? これはこれは、大変な日に当たってしまった。来る前に、tamoさんは「怒羅権300撮りたいな〜」とおっしゃっていたのだが、まあ私はそれを聞きながら、正直むりだろうな〜、と思っていたのだ。エンドに毎日通えるような身分でない限り、来られて月に1回のような頻度ではなかなかダブルナッツには当たらない。実はtamoさんもさぁや女史も、昨年1回厚木には来たことがあるのだが、ほとんど初来訪でそうそうオイシイ思いができるわけがない、と正直思っていたのだ。もちろん、普段だったらその通りの結果に終わり、フライトは多かったけど、結局色つきは飛ばなかったね〜、と話しながら帰路に着くところだが、一体なんだこれ・・・!
実は、私はこの日記でも昔から触れているが、完全な雨男&雲男で、まずフネを青空の下で撮影するチャンスは稀である。このブログを始めた頃、2004年秋の辺りの日記をお読み頂きたい。あの年の秋はフネ関係抜きでもたいがいひどい雨続きだったが、それにしても惨憺たるものである(その最たるものが10月のインド艦隊晴海来航・・・正直もうあのことは思い出したくない)。さらに輪をかけてひどいのがtamoさんで、私も呆れるほどの完全な雨男。しかも2人とも割とスカを引くたちである。対してさぁや女史は抜群の実績を持つ晴れ女で、雨男2人の強力タッグをもってしてもかなわず、予報では100%雨だったのに、女史が参加するというだけでなぜか青空が広がってしまうようなことを何度も体験してきた。
天候もそうだが、珍しいものに当たる強運も持ち合わせており、今回も野郎2人、その御利益に預かったのかな、とも思う。オープンハウスでもないのに、平場にふらっと来て、しかも実質初厚木でこんなものを見られるはずがないからだ。コネもない一般人には、多分最初で最後の体験だろう。もう私、今年は厚木来なくてもいいかも・・・(笑)
最後に、エンド一帯をぐるっと案内して引き上げることにした。ちょうどアプローチコースの真下に来たとき、ホーネットが2機オーバーヘッド。私と分遣隊長は別に珍しくもないが、ジェット戦闘機をこんなに間近で見たことがない女史には相当エキサイティングな体験だったらしい。それは、素晴らしきFLY NAVY Worldの入り口。

Viva Badman!,Viva FLY NAVY!