岩国フレンドシップデー報告1日目

F/A-18F of VFA-102 at MCAS Iwakuni

2300東京出発。昨年でペースはほぼ掴んでいるし、この先の時間配分もおおよそ見当がつくので、気分的には余裕を持った行程である。永福より首都高に乗り、当然ながら中央道経由を選択。GW中最混雑と予測が出ていた3日だが、すでに深夜とあって渋滞はまったくなく、平均100kmでの走行も可能だ。
まず1回目、深夜割引適用のため甲府昭和インターで降り、若干寒くなってきたのでここで屋根をクローズ、すぐにUターンして再スタート。今回はカードを持っているエネオスでの給油にこだわりながらも事前に調べていなかったためにことごとく外してしまったのだが、今回は全部調査済み、下りは諏訪湖と福山の2カ所しかないので、諏訪湖で一度満タンにしないと福山まで到達できない。それを注意していたのだが・・・なぜか直前でボケていて入りそびれてしまい、かなり凹む。飯田の辺りでいくらなんでも季節はずれの雪!?が降ってきて、すぐに雨に変わった。私が中央道を走る時の、ご多分に漏れずの雨中走行となるが、前半はペースは落とせない。昨年と同じ時刻で小牧を通過、名神に入り、これも昨年と同じく大津で20リッター給油。駐車場がいっぱいのため、休憩なしで再スタート、吹田の辺りで強烈な睡魔に襲われたが、ちょうどSAがなく、こちらも昨年と同じ西宮名塩まで引っ張って、いくぶん明るくなった空の下、仮眠に入る。
2時間ほどみっちり寝たら、空はすっかり明るくなっている。再び走り出し、福山SAで満タン給油。53.8リッター給油、トリップは838.7kmで、大津での20と合わせて11.36km/リッターとなる。
ここで再び屋根を開け、休憩も早々、再び走り出すが、すぐに三原久井インターで通勤割引適用のために降りて入り直し、広島周辺で若干渋滞気味になったが、宮島SAで最後の休憩、1000に大竹インターを降りる。東京から約870km、所要は11時間・仮眠を除いた実走行時間では9時間となる。従って、平均速度は約97km/h。
当然、そのまま岩国北エンドに直行となるわけだが、ここでも昨年入ったコンビニで食材などを仕入れ、昨年とまったく同じ位置に車を停める。台数はざっと見たところ、手前からずっと停まっているので最初はビビッたのだが、堤防沿いの道では昨年より若干少ないようだ。
というわけで、エンドで位置に着いたのは1030過ぎとなったが、これもまた昨年と同じく、ランウェイは02方向のようで、ほどなく韓国からご到着の51FW/25FSのA/OA-10Aが2機降りてきたが、まったく撮ることはできず(このシチュエーションも去年と全く同じ!)。続いて、VAQ-136のEA-6B・NF500がご到着。他のCVW-5所属展示機は前日3日に降りてしまったようだ。その後、正午にすぐお隣、築城から第3飛行隊のF-2Bが降りるが、入れ替わりでVMA-214のAV-8B+がタキシング・・・

STOLで長短距離離陸、エプロンの中央付近でホバリングを含むデモフライトを実施するが、いかな長玉を持っても基地外側からではどうにもならない。ただ遠くから見ているのみだが、最後に大きく基地を回り込んで、洋上からR/W20アプローチを行い、目の前を飛んでくれた。この写真でも、胴体側面に片側2個取り付けられた可動式の排気ノズルがほとんど直下を向いているのがわかるが、通常形態の航空機とは比べ物にならないほどの遅い速度でアプローチしてくる。デモを行ったのはWE02/Bu No.165421。
ハリアーは誰もが知る、イギリス・ホーカーシドレー社(後にBAe―現在はBAEシステムズ社)製の垂直離着陸戦闘・攻撃機だが、米軍も早くから海兵隊がAV-8として採用しているのは意外に知られていない。現用は1971年に就役したA形から、マクダネル・ダグラス社が徹底的な改造を行い、別機種と言ってもいいほど機内外が異なる「ハリアーII」と呼ばれるB形、さらにAPG-65レーダーを搭載して、NVG(Night Vision Goggle)を装着することによる夜間攻撃能力も身につけた「ナイトアタック・ハリアー」B+(プラス)形となっている。いい加減モデル名も変えればいいと思うが・・・

VMA-214"Blacksheep"は1942年創設、朝鮮、ベトナム、湾岸の各戦争に従軍した歴戦の部隊で、岩国の1MAW―第1海兵航空団にも以前からローテーションで常連*1でもあり、ファンには1962年以来長らく装備したA-4スカイホークが親しまれた。写真は1988年8月、MCAS普天間のオープンハウスで撮影したA-4M時代の同隊所属機。いいね〜あたしゃこっちの方が好きだね〜。当時のホームベースは現在は閉鎖されたカリフォルニア州、ロサンゼルス郊外のMCASエル・トロ。現在のホームベースは広大な砂漠の演習場を有するアリゾナ州のMCASユマ。
海兵隊の戦術機部隊も、海軍の飛行隊と同じように艦隊勤務―ただし空母ではなく強襲揚陸艦だが―がある*2。岩国に展開するのは分遣隊で、搭載される揚陸艦佐世保を母港とするワスプWasp強襲揚陸艦の2番艦、エセックスUSS Essex LHD-2。しかし、揚陸艦の場合は搭載機はヘリが主体で、各機種とも空母搭載機のように多くはないので、空母航空団のような航空部隊の上部組織は持たず、揚陸部隊の母部隊であるMEU(Marine Expedition Unit―海兵遠征部隊 エセックスの場合は31MEU)の下は直に各部隊となる。しかしこれでは指揮系統上煩瑣になるためか、揚陸艦に搭載されての航海時は、一番機種の多いCH-46Eを装備する海兵中ヘリコプター飛行隊(HMM)に便宜上編入されることになる。航海時のVMA-214の親部隊は普天間に常駐するMAG-36所属のHMM-265"Dragons"で、この展開状態での表記はHMM-265(Rein)となり、テイルコードも書き換えられ、モデックスも500番台となるが、現状はVMA-214固有の「WE」のまま、モデックスも0で始まる2桁である。

1300を過ぎて、すでに前日にも練習を行ったらしいVFA-102のF/A-18Fによるデモフライトが開始。しかし、辛うじて降らない、という状態の天気につき、昨年の抜けるような青空の下での姿は望めず、シャッタースピードも稼げずあまりいいコマが、というか撮影自体が投げやりに・・・

フライト自体はパワフルなんですが。なぜか一度降りてエプロンに戻った後、改めて上がって2回のフライトを実施した。しかしこの機体、本当にストレーキはでかいし主翼の後退角は浅いしフラップ面積は異常にでかいし、なんとも言えない格好してますね〜。

まるで厚木の着陸かと見まごうほどの、最近日常となりつつあるようなd-backのアプローチシーンだが、これでも岩国です。まあ完全クリーン形態(胴体や翼下に一切の外部搭載物を吊していない状態)は厚木ではなかなか見られないから、ちょっと見れば気がつくけれど。14時過ぎに着陸し、本日はこれで終わり。ブルーインパルス悪天候のせいかどうか知らぬが、本日はフライトを行わないようだ。この後は陸自の明野と八尾からヘリが飛来したのみで、外来の到着もなく、もう居ても仕方ないかと判断し1600過ぎ現地撤収。
さすがに睡眠2時間で走ってきたこともあり、エンドでは敷物を忘れて地面に直接横になって爆睡していたのだが、周りの人々は行き倒れ、呼吸をしていないのではないかと心配していたそうである。いやいや・・・現状まだ大丈夫です。昨年は結構暑かったのだが、今年は日差しがまったくなく、風が強いこともあり、なんと予想もしなかった寒さに震え、車に戻ってウインドストッパーを持ってきて羽織って寝たのだが、防寒をすれば意外に快適で、前日の睡眠不足をすっかり取り戻した。そうこうしている最中にも、ユルギス・カイリスとTeam Deepbluesがデモを実施。
本日の宿がある広島までは屋根を開け、国道2号を行くが、やはり天気が悪いせいか、昨年大渋滞でビクともしなかった宮島口の交差点も裏道を使うことなくすんなり抜け、ホテルに到着。これも例年のことで芸がないと自分でも思うが、お好み村で夕食とし、早々にホテルに戻って寝る・・・と言いたい所だが、いろいろあってホテルに戻るのも遅く、0200近くに就寝。明日は一日立ち通しで、また晩には夜通しで900km走らなければならないのに、遅くまで何やってんのかって?ヒヒヒヒ、それは内緒・・・
本日の走行距離は946km、高速・一般道を含めたすべての平均速度は87km/h。進化がないというか、泊まったホテルと車の色が違うorz以外は去年とまったく同じ行程・内容のツアーである。さて、明日の天気予報は降水確率80%、どう転んでも雨のようだが、どうなるかな・・・

*1:ベトナム戦争中には岩国をホームベースとしていた時期あり

*2:現在では指揮系統上では改められたようだが、海兵隊は海軍の下部組織という位置づけのため、空母に展開する海軍の飛行隊が何らかの都合で不足した時は、随時徴用されて空母に搭載されることがある 基本的に海軍と共通の機種を装備しているために可能な措置で(逆にF/A-18DやこのAV-8Bのように海軍が保有しない機種の飛行隊にはお呼びがかかることはない)、展開中は部隊ごとの独自なテイルコードは描き換えられ、派遣先の空母航空団のコードとなるため、マニアや研究者には珍重される 今後TAI(Tac Air Integration)計画により、恒常的に空母に海兵飛行隊が搭載される計画があるが、詳細を書くと長いので別の機会に紹介します