振られた気持ちでロックンロール

at 0’Club of NAS Oceana

あ〜あたいも先週は疲れたわ。

厚木、艦隊勤務厚木・・・連日作戦行動でな〜、しかも毎度ダイオキシンの煙に燻されて、殺す気か!? もうあたいも来週で5歳、若くないねんて! ええ加減予備役入るでコラ!
ま、それはええけどな、この間くりぃむナントカ見とったらなー、ラストシーン当てクイズやっとってん。ま、ドラえもんのび太の恐竜」とかベルバラはあたいも知らんけどん、何問目かの問題が「トップガン」や。

あたいもな〜、ちょうど20日の厚木レポを書いとって、延々Photoのアップロードでホーネットホーネット見続けていい加減うんざりしてたところや。思わず机から身ぃ乗り出してテレビ見てもうたがな。こんな時間に不意打ちでトムキャット映像や、あ〜もうホーネットなんて全部取り替えて欲しいわ! ・・・まあ、そんな戯れ言言うてもしゃーないからな、シコシコ画像いじりながら見とったわけや。
ほんでな〜、本題のラストシーンやけど、うちの幕僚が「分遣隊長はお分かりになるのでありますか」な〜んてな、失っつ礼なこと聞いてくるわけよ。あたぼうじゃワレ! あの映画のラストシーンはな・・・
ポワッポワッポワッポワッポワッポワ〜ン(テレビ的回想シーンの効果音)
トップガンに教官として凱旋赴任したマーベリックがな、思い出のレストランでチャーリーとの甘い思い出に浸ってるわけや。そこに、ジュークボックスにコインを入れる手のアップが映って、最初に2人が0'Clubで出会った時、ナンパのために歌ったライチャスブラザースの"You've Lost That Lovin'Feelin"がかかるわけや。流行り歌でもないナツメロがかかったことに当惑して、マーベリックが首を回すと、入り口の所に人影が映るわけや! それがチャーリーだと気づいて、2人の横顔が重なるわけや!! それでこの場面はブラックアウトして、夕焼けの空、2機のトムキャがバレルロールで消えて行くわけや!!! それが、リーダーはきれいに円筒形を描いてロールを打つのに、ウイングマンがついて行けなくてカックンッックンさせながら追いすがって行くのを見て、なんやそのロールは!そんなんでブルース入れんで!って突っ込み入れたもんや。ここでエンドロール!

そんなん、あたいが忘れるわけないわ。でな、すっかりモニタに映っとるホーネットのことは忘れてテレビ見とったらな〜、まあジュークボックスや、それでな、画面の隅にオーラスまでの残り時間が出るねんけど、途中で「あ、これはどうやってもそこまでは行かへんな」と気づいたんや。あたいがアホやった、トムキャットのバレルロールではバラエティ的にはまったくオイシくないがな。あんじょう、2人のキスシーンで終わりや。あ〜マニアはお呼びでないて。
ま、その場はそれで笑って終わりやけど、ちょっと考えてもうたがな。うち、「ファイナル・カウントダウン」のDVDはあるけど、トップガンは持ってへんのや。そやさかい、たま〜にテレビのナントカ還元水・・・やのうて!洋画劇場でやる時はそれなりに見入ってまうんやけど、テレビだとラストシーン適当に切ってまうやろ、余韻が味わえないねん。
ふた月位前にテレビでやった時、20年もよく飽きもせずにオープニング歎息しながら見とるな〜と感心したのはまだしも、昔ならヒコーキ見たさにストーリーそっちのけやったのに、結構その例の0'Clubのナンパシーンとか見入っとるわけや。どゆことこれ?
そらなあ、ストーリーに深みも何もない、国威発揚と海軍リクルーティングのドンパチ映画や。でもなあ、映画が皆美しき諍い女天井桟敷の人々みたいなんでなくてもいいと思うんや。若き日に見た夢や、恋や、友情や、無鉄砲や、勘違いや・・・気づかんうちに映画に仮託して封入して、それがええ年になってくるとなあ、シーリングが腐食してパァ〜ッと弾けて出てくるわけや。前回のテレビ放映まで「あ〜早くトムキャ出てこね〜かな〜」と鼻クソほじって、ピーンと弾きながら見とったシーンも、ひとつひとつが貴重な人生の残り時間を消費するに値する愛おしいシーンや。そういうシーンがあって、トムキャが生きてくる、初めて戦闘機のプロモビデオでなくて映画として見ることができた、なんとそこまで20年!
人間、あああたいは犬やった、年取ると好みも変化するらしいけどな、あのオレンジ色の夕空を飛び去って行ったトムキャを、胸しめつけられる程の切なさで思い出して、ライチャス・ブラザースの懐メロを心の中でつぶやいてみるわけや。言うても詮無いことやけど、つい昨日のように思い出せるのに、手を伸ばせば届きそうなのに、二度と・・・あの刻には戻れない。そんな、当たり前の気恥ずかしいことを夜中のバラエティで思い起こさせられたんやね。
次課長の河本が言うとったらしいけど、好みのタイプの人は好きにならない、添い遂げられる可能性が小さいからだ、それが現実だ、という格言で、まさにトムキャを思い出すがな。結局、第三世代と言われた戦闘機の中で一番縁遠かったのがトムキャや。あっという間に、あのエンドロールのように、スクリーンの外に飛び去って行ってしもた。
そんなこと、考えとったら、今週、なんか更新できんかったわ。