ヘリ搭載護衛艦「ひゅうが」進水

Blueforce2007-08-23

濡れたまんまで、イッちゃって〜!!意味不明・・・
かねてよりアイ・エイチ・アイ マリンユナイテッド横浜工場にて建造中の通称16DDH、平成16年度計画護衛艦が、大安の本日華燭の典・・・じゃなかった進水・命名式の佳き日を迎えました。
7月8日16日と建造中の姿を追ってきた当分遣隊、この節目の日を逃す手はない、ということで、遠来の方も交えて取材部隊を編制、内外から初めて現した全貌(大げさな・・・)を撮り逃げ! 
前日に「そのまんま空母前夜祭」と題して職安通りでガムジャタンパーティ、そして2丁目にショバを移して男同士緊密な?作戦会議を催し、万全の態勢で望む今回の撮影だが、天気予報では強力雨男が参加するだけあって(俺もか?wwww)前後とも陽の照りつける酷暑の快晴日がが続くなかで本日だけ雨!という、あまりに信じられない(マジで・・・霊験あらたか過ぎますよ、早明浦ダム専属雨乞い祈祷師になった方がいいんじゃないの?)状況だったのが、そこにまた超強力晴れ女、今年の雨は必至と言われた岩国を見事最後のF-16着陸まで降らせないで持たせたという奇跡のパワーでうち消して(凄まじい・・・まさに神々の闘い)、朝の早いうちには土砂降りの雷雨だったそうだが、我々が磯子に着く頃には晴れ間も覗くほどになっていた。式典の行われる午後、1200〜1800が一番高い降水確率60%だったのだが・・・傘まで持参して一時はまた撮影は諦めなきゃいけないか、と凹みかけたのが、がぜんやる気を出してスタンバイOK!
内部偵察部隊を発進させた外撮り部隊は、いろいろ考えた挙げ句に結局いつもの撮影ポイントに腰を落ち着けたのだが、進水式典の始まりが遅いのはまあ事前に知っていたからいいとして、その後ドックから出して艤装岸壁に着けるのがさらに遅い・・・場合によっては日が暮れてからというので慌てる。そこまでして写真撮らせたくないのか!? しかも、クレーンの台船が、どうも陸側から見ると意図的な不自然な位置に留められているような気がして・・・天気の問題は解決したけれど、それなりに波乱の幕開け。

1500、式典開始後、1510、花火がうち上がりわかりにくいが風船、鳩が空に放たれる。ここで恐らく艦名を書いたボードの幕が取られて「ひゅうが」の名が明らかにされたのだろう。まあ、ケツから見ている我々にはなんの関係もない式進行次第だが・・・

1520過ぎ、短い式典もそろそろ終わりに近づくと、すでに「ひゅうが」は少しずつタグで外に引き出されてきているように見える。確かに最初の状態より若干下がっているようだが、よく見るとまだ艦尾両舷のボラードとドックゲート部の両側の間で細い舫いのワイヤーが結ばれているのが見える。Photoの水平は出ていると思いますけど、なんか艦自体が若干右舷側に傾いているように見えません?

そして1528、ついにスターンを覆っていた幕がめくり上げられ、こちら側も「ひゅうが」の艦名が明らかに! しかし、字自体の大きさは各艦共通なので、またえらく小さいな〜。まあ、海自も発足時にはまさかこんな大きなフネ造るとは夢にもおもってなかった(はず)もんね〜。左舷後部角に開いている2個のラッパ状の穴はTASSの繰り出し口かな? まだ軽荷状態、いやそれにすらなっていないドンガラなので、喫水が上がりまくっているのに注目。

式典終了から待つこと実に1時間半近く、1700過ぎに遂に「ひゅうが」はドックからタグで引き出され始めた。おお!こうやって見ると、左舷船体側面なんかに米空母かと見まごうばかりのラインを見せるし、いや〜予想以上に空母空母してるね〜。このアングルが特にそう思わせる角度なのかな?
艤装岸壁は事前に聞いていた通り湾内に面した桟橋に着けるので、目の前をずっとタグで曳航されていくのだが、それに先立ち一度取り付けたエレベータ*1を外して艦から降ろす、などと言い始めたので、そんなこと始めたらいつになったら動かせるのさ!?と諦めかけたのだが、どういう経緯があったのかわからないが結局デッキに載せたまま動き始めた。

マストはほぼ完成のようで、おなじみの顔ぶれだが各アンテナの取付はほぼ終わっているように見える(基部の大きい物がまだのようだ)。FCS-3は当然未取付で、まだ仮の板で養生されている。しかし、前回の撮影時から1月ちょっと、よくここまで形になったもんだと驚く。

エレベータの厚みがわかってしまう写真ですが・・・。現状煙突には全部ビニール?が被されている。第1煙突と第2煙突の壁面に向かい合わせで取り付けられている板状のものは、第1にスーパーバード?、第2にSH-60とのデータリンク用アンテナ?のような形状のレドームが設置されるらしい。
ここからは出船で桟橋につけるため、反時計回りに回頭させることになる。正面形を見ると両側への張り出しが意外に小さく、やはり米空母のようにはいかないことがわかる。これで幅33mというから、それでも「おおすみ」型より7m近く広いというのがこれまた意外。

さらに回り込んで、こちらも初公開となる右舷側がついに姿を見せることになる。見てください、この姿、我々一般人はもとより造船所の日とも海自の人もまだ見たことがないのです。人類で一番最初に16DDH改め「ひゅうが」の全貌を見た1人となる光栄に浴することができました。ハルナンバーは、↓先日のyamanobeさんのコメントからのやりとりにあるように、DDHの追い番で「くらま」に続くDDH145になるとばかり思っていたのだが、どういう理由があるのかわからないが一挙に180番代に飛んで181となった。「あまつかぜ」の163から始まって170番代、「あしがら」の178まで進んでいるDDGがあと2隻建造されれば*2、今度はDDGがスキップしなければならないような付番である。

せっかくですからアイランドのアップも。アイランドと船体は段差なく接合されており、米空母のようにキャットウオークは設けられていないわけね。まあ、あまり無駄にできる寸法の余裕はないし、無理に通路を設ける必要はないけど、ストンと落ちたら足場もなにもないわな〜、整備なんかが不便そう。

頑なに同一タテヨコ比を守り続ける当日記には極めて異例の、いろいろ事情があってのパノラマ風写真(笑)素晴らしい!21世紀前半の海自を担う堂々艦隊旗艦の姿だ! でもなんか、ちょっとCGみたいにも見える、現実離れした映像ですね(笑) 「ひゅうが」型は乾舷が高いので、ポートサイドたる右舷舷側には舷門の機能を持つゲート(ハッチ)が2つほど開けられているようである。艦尾近くのスリット状に見えるものは、恐らく作業艇の収容部で、ここにはステルス性を考慮して恐らくシャッターが設けられると思われるが、現状ではシートのようなもので覆われているように見える。

桟橋に到着、ここまで約50分を要したが、なんとか明るいうちに移動を済ませてくれていろいろなアングルから撮ることができた。先月来ずっとこちら側の艤装岸壁に停泊中の「きりしま」と初顔合わせ。「ひゅうが」と「きりしま」という、本当に昨今の宮崎ブームが海自にもやって来たのかと思うほどのコンビだが、どうですかね、この2隻これからずっとくされ縁になるのかな?w しかし、6月の「あたご」との比較でもそうだが、やはりネームシップ就役から間もなく15年にもなろうとする「こんごう」型、マスト形状などこうやって新鋭艦と比べるといくらかでも古くささを感じる世代になって来たかね〜。
「ひゅうが」は、今後引き続き同工場にて艤装工事を行い、2009年3月就役予定。その生涯に幸多からんことを・・・

*1:側面にある米空母のような開放式ではなく、英海軍のインビンシブル級軽空母のように中央埋め込み式

*2:現在では「あしがら」以降の具体的なDDGの建造計画はないが数年中には具体化されると思われる