阿部典史氏葬儀

Blueforce2007-10-13

本来0400起きで、本日開催のPSI(大量破壊兵器拡散防止構想)に基づく各国海軍参加の海上訓練に向けて出港する英・仏・豪海軍艦艇を撮りに行く予定だったのだが、前夜おすぷれいさんと初めてお会いしての飲みでアメリカ海軍航空についてあまりに盛り上がったため(決しておすぷれいさんを責めているのではありません、その点誤解なきようwwwwwまた飲みましょう!)、今回も熟睡しないように居間のソファで寝て、目覚ましをセットしたにもかかわらず、目が覚めたら0450・・・さすがに分遣隊長にも今回は予定が伝わっていなかったようで、これはどうやっても間に合わんと、諦めた。
ま、どうせ出港はケツ追いだし、行ったところで0600出港ではどうやっても前に出る術はなく、ケツはキティでお腹いっぱいなので途中からやる気は失せていたのだ。そこから布団に移動して午前中ゆっくり寝直し、昼前に出発。
入港は1700予定なので、それまでに現場に着けばいいのだが、こんな早くに出たのはわけがある。本日、ノリックの葬儀が青山葬儀所で営まれるのだ。もちろん、一般人だし喪服を着ているわけでもない、場内に入らずに外から手を合わせてそのまま立ち去ろうと思ったのだが、現地には「一般の方へ」という誘導の看板と、その先に追悼コーナーが設けられていた。

しつこいようだが、特にファンでもなかったし、縁があるわけでもなく、今まで事故で亡くなったライダーの葬儀にも足を運んだことなんてなかった。私が行って良いものかと若干躊躇したが、先日の8耐で初めて生で走っているのを見たのも、何かの縁かもしれない。あの夏の一日の力走への感謝と、長年の活躍を労うつもりで、見送らせて頂くことにした。

一般向けの追悼コーナーには献花台が設けられ、歩いて行くと花を一輪手渡してくれる。もちろん、ファンが自分で買ってきた花束も山のように積み上げられていた。写真やイラストも多数。この時点では、ここで手を合わせてお暇するつもりだったのだが・・・

献花台の両側には愛用のヘルメットやツナギなどが展示されていた。GP500ccにフルエントリーを果たした1995年から〜1998年まで在籍したマルボロヤマハ時代のツナギ。

1999〜2002シーズン在籍のアンテナ3・ヤマハ・ダンティン時代のツナギ。
本題の英仏豪艦艇入港に間に合わせるためには、駐車場に入れたり準備を考えると遅くとも1430には出なければいけない。だいたい、艦艇入港とは1分や2分そこらで終わるものではなく、3隻もいれば1時間弱はかかるものなのだ。1659に着けばOKという話ではない。当初、知らない人が囁いていたのには、出棺は1330とのことである。まあ、間に合うか。ここまで来たのだ、やはり出棺までを見送るのが礼というものではないか。

献花台から若干離れた所には、1996年の日本GP優勝マシン、YZR500OWJ1と、今シーズンのJSB1000マシン、ゼッケン81番のYZF-R1が展示されていた。YZRはすでにタバコ広告の全面禁止に伴って、伝統のマルボロのロゴはテープで隠されていた。

マシンには今シーズンのヘルメット、ツナギ、グローブ、ブーツなど一式が合わせて展示。もちろん先日8耐で見た耐久仕様ではなく、ヘッドライトのないレギュラーのスプリント仕様。恐らく21日のMFJ-GPで乗る予定のマシンではないだろうか。主のいなくなってしまったピカピカのブランニューマシンが、悲しい。
出棺は、会場から正式にアナウンスがあり、1400となった。もう横須賀に行くのはギリギリだが、今更仕方がない。フネ撮りに行くんでお見送りを途中でバックレたとあっては、死ぬまでそれを悔いることになろう。

1400より早く、1343、出棺。いよいよお別れの時である。時間が経つにつれて一般の参列者も増え、当初はこの写真の右側だけにロープを張って人垣となっていたのだが、結局このように両側となった。
もちろん、私も物見遊山で写真を撮るために葬式にヒョコヒョコやって来たのではない。しっかり手を合わせて、冥福を祈りました。霊柩車が走り出す瞬間、展示されていたR1に火が入り、レッドまで空吹かしされて青山斎場には不釣り合いなレーシングマシンのエキゾーストノートが響く・・・すすり泣きはいつしか号泣と絶叫に変わり、男達は「ノリック!ありがとう!」と叫び声を上げ・・・これが、今生の別れ。そして、霊柩車はクラクションを鳴らし、外苑東通りを麻布の方に走り去っていった。
本当に、ご冥福をお祈りします。

式典会場の正面には、肖像をはじめ何点かの写真パネルが飾られた。すでに式は終了しているので、一般参列者も前へ出てきて、写真を見つめたり、携帯で写真を撮ったり。フフフ、認めたくないけどな、ノリックよ、なかなか男前の写真だったぞよ。こんなに皆に愛されて、幸せだったな。それじゃあ、元気でな。