インド洋より補給艦「ときわ」帰還

Blueforce2007-11-23

 平成13年9月11日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法(略さずに正式名称で書いてみました)に基づいて、インド洋に派遣されていた海自補給艦と直衛の護衛艦が、同法の期限切れに伴って日本に帰還することになったが、最後の補給任務に就いていた補給艦ときわAOE423(第1海上補給隊直轄・横須賀)が本日横須賀基地に帰港するのに先だって、東京港晴海埠頭で帰国式典が開催された 。
式典には石破防衛大臣をはじめ町村官房長官与野党の国会議員数名が出席するという大変豪華、また若干異例なものだったが、式次第やその思惑はさておいて、横須賀ではいつも見ているがなかなか真上から見下ろすチャンスのない海自AOEをぜひカメラに収めたいということで、虹の橋に行って来ました。
同艦は式典に参加するためだけに早朝母港の横須賀を横目に東京湾の最奥部、晴海までやってきたので、式典が終了次第正午過ぎに再び横須賀に向けて出港するらしい。ということで、休日でわざわざ1日に2回撮らせてくれるという誠に有り難いチャンスなのだが、入港は早朝のため、1000開門(冬時間のため夏期より1時間遅い)の虹の橋からの撮影は不可能、最初は陸上で第一航路を北航してくる所を押さえようと思ったのだが、恒例の寝坊(^^;)もうここまで来るとお約束だが、まあ出港だけ撮れればわざわざ光線状態もロケーションも悪い入港をわざわざ撮るでもないだろう、という予定の行動(不行動?)でもある。
さて正午出港ではあるものの、ゆっくり朝寝できたこともあり、充分なマージンを取って1030出発、すると1100過ぎには着いてしまい、ちょっと早過ぎなので駐車場に入れるかどうか迷う。迷った挙げ句、一度お台場に行っていつもの海浜公園の陽が当たるところで時間調整。一度台場側に渡るのは、竹芝アンカレイジ駐車場からでは全然様子が窺えない晴海の状況を橋の上から直接目視確認するのも目的のひとつだが、橋からはすでに式典も終わったらしいときわの姿がばっちり確認できた。逆に、遊歩道には同業者の姿は1人も確認できず。まだ出港まで1時間近くあるので無理もないが、予定通りか?と若干不安になる。
各方面にメールなど送っていたら、1120になったので行動開始。お台場側のいつもの駐車場に入れて歩いていこうかとも思ったのだが、距離が倍近くあり、行きはまだしも帰りがかったるいかと思い、再び虹の橋を突っ切って内地側(?)へ。駐車場に入れたのはジャスト1130だった。
今回は、ちょっと今後のために橋の竹芝側ゲートから撮影ポイントまでの標準タイムを計測するシミュレーションの役割も担っている。開門時間をビタ1秒たりともまけてくれない職務に忠実なガードマンのおやじ、速度の遅いエレベータ、思ったより距離のあるエレベータから橋の中央まで、数々の不安要素をいかにクリアすることができるか、秒単位で正確に計測しなければならないのだ。休日のウオーキングイベントだろうか、ジャージ姿の老若男女が何百人も吐き出されてくるのとすれ違い(もっとも、彼・彼女らは当然ながら軍艦などには用がないので、陽射しが暖かいサウスルートを歩いてきたのだが)、陽も当たらず寒風吹きすさぶノースルートのエレベータを登って行く。

いつもは、私の好みで割と正統派形式写真アングルのため、かなり中心から離れた所でカメラを構えるのだが、今回は思い直して、中央付近で縦位置のアングルとすることにした。橋脚間中心より十数メートル台場側に寄った場所でベースを構え、出港を待つ。タグが2隻、ときわの方向に航走していった。

1200、まさにジャストに舫が解かれ、出港。やっと長い航海を終えて、すぐ目と鼻の先にある母港横須賀に帰してもらえるのだ。

真下を東海汽船・竹芝―大島航路のジェットフォイル、「セブンアイランド愛」がかっ飛んで行く。

すでに式典の余韻も失せて、人気のなくなった岸壁を後に、タグの曳索も解いて行き足をつけるときわ。

決まった!縦位置のまさに「虹の橋アングル」。前甲板には乗組員が前方監視や舫の折り畳みなどで15人ほど集まっている。お疲れさま〜!

2基のデリックポストに吊られている給油管が良くわかる上甲板の詳細。まさにこの艦が、皆さんが最近ニュースで毎日目にしたインド洋での洋上給油に従事していたのである。下に見える黒い筋は虹の橋の主塔間ワイヤー。間もなく同艦は我々の真下をくぐって行くのである。艦橋構造物の上部にはスーパーバード衛星通信アンテナとドコモ・船舶通信アンテナのレドームが見える。

すでに限界・・・もう船体は半分ほどが橋の下に潜り込んでしまっており、最後のシャッターチャンスとばかりに押しまくる。マストには同艦のコールサイン、ジュリエット(J)、シエラ(S)、ヤンキー(Y)、ノベンバー(N)を表す国際信号旗、後部には1つ桜の代将旗(テレビに出てコメントしていた給油部隊司令官?)が掲げられている。また、単艦行動の時は速力マークは両舷とも下げられているのがわかる。ここでキャリーに入れっぱなしだった分遣隊長を出してやり、最後に真下を行く大迫力の姿を見せてやったが、その直後ディーゼルの排気がもうもうと・・・