米沢すきやき紀行

Blueforce2008-01-25

職場のレクで、米沢に行って来た。
前回の那珂湊あんこう鍋ツアー以来のプチ社内旅行だが、本来1年サイクルならば昨年秋となるところ、諸般の事情により年を越してしまったもの。今回のテーマは美味い牛肉を食う!ということで、当初松阪と米沢が提示されたのだが、周辺の観光も考えると松阪は面白いか?(三重の人、申し訳ございません!)という疑義が呈され、米沢となったという経緯である。
といっても、日帰りで帰りは最短距離の切符代を現金で渡されるだけ、もちろん金曜催行だからそのまま土日とどこかに行ってもいいのだけれど、私は翌日どうしても外せない用事があるので、早々に帰ってこなければならない。メインイベントの食事は昼からだから、1400頃に終わったら後は何ができるわけでもない。まああまりガツガツせずに、優雅に楽しみましょう。

旅の始まりは東京駅。新庄行きのMaxやまびこ・つばさ109号はE3系L52編成だった。E3に乗るのは実は初めての私、本来ならば喜ぶべきところだが、400系の引退の日程が発表された今となっては、以前は月に1回くらい乗って愛着もある400系に乗りたかった・・・
しかし、普段は通勤に使う以外まったく鉄道を使うことのない私、東京駅に来たのさえ久しぶりで、新幹線をホームで間近に見たのは1年以上ぶり!? 久しぶりにカラフルかつマッシブな新幹線車両を目の前にして、わ〜のぞみ号だ〜!はやて号だ〜!ドクターイエローはどこ!?500系のぞみ号が見たい〜! などとすっかり舞い上がってしまって、まるで今流行りの「鉄ちゃん」とかいうの?になったみたいwwww

つばさ109号は米沢までは大宮・福島のみ停車の最速達タイプゆえ、米沢まではジャスト2時間と落ち着く間もない旅となる。遠く真っ白の那須野連峰を望みながらも快晴でほとんど雪のなかった車窓は当然?福島を過ぎると一変、名撮影地・庭坂の大カーブを過ぎ板谷峠に足を踏み入れた瞬間、空も下界も真っ白の世界になる。国道13号は2年半前に栗子を越えたことがあるが、鉄道で板谷を通ったのは本当12年ぶり位か・・・行きに走行音も吸収され、新幹線区間とは比べ物にならない静寂の中E3系は峠を通過し米沢盆地に降り始めた。車窓を撮ろうとすると、大窓の400系に対して小窓のE3のデメリットがここでも・・・どうやっても左の方がケラレてしまう。

遅れもなく、定時に米沢に到着。ここでさっさと目的地に・・・とは行かず、さて延々ホームでの撮影タイム・・・我々の乗った109号が発車した後、同じ本屋に面した1番線に進入してきたのは400系の上り「つばさ」。

続いて、というかこっちが本題なのだが、米坂線ホームに向かい、留置線で昼間中休んでいる旧国鉄色リバイバルカラーのキハ58 1022+キハ28 2371。本日の運用では動くことはないので、駅撮りのみ。

こちらはホームに留置中のキハ52の前面裾部だが、前日から降り続いたドカ雪でこの有様。米坂線は前日列車が吹き溜まりに突っ込んだそうで、奥羽線と違ってかなりダイヤが乱れていた。

12年ぶりに来た米沢駅前。雪は小康状態で、目的のお店は1km足らず、歩いてもなんとかなりそうだったが、タクシーに分乗して行くことにする。

今回お世話になるのはすき焼きをはじめ焼肉、洋食などあらゆる牛肉料理を楽しめる「グルメプラザ金剛閣」。日本有数の銘柄牛、米沢牛を擁する土地柄、米沢には精肉店が経営するレストランが何軒かあるが、こちらも母体は精肉店「肉の黄木」が経営しており、肉質は折り紙つき、米沢に縁の深い私も前から知っている代表的なレストランである。実は、偶然ながらこの「肉の黄木」さん、当分遣隊に登場する方のご実家だったりします・・・もちろん、今回は私の意向は反映されておらず、幹事が偶然に決めたもの。

本日は1人6,000円のすき焼きコースとなるが、まずは前菜?の牛刺し。いいねいいね〜!来たよ来たよ〜!

メインディッシュのすき焼きは、大鍋と1人ごとの小分けが選べて、これなら稀少な資源を巡っての醜い争いを見ることなく仲良く食事が楽しめる。蓋を開けるのをグッと我慢しながらビールをグビグビとやっていると・・・

山形美人の給仕のお姉さんからお許しが出て、やっと御開陳〜! 米沢のすき焼きは味噌だれの割下が特徴。これに白菜や麩が入る。松阪のように空の鉄鍋に脂身をひいて、まず肉を焼いてから割下をかけて、というのではなく、最初からこの状態で出てくる(店によって違うのかもしれないが)。

無言でひたすらすき焼きをつつく参加者たち。雪景色を見ながらの冷たいビールと熱いすき焼き、いや〜タマラン!! やっぱりロケーションは松阪より良かったかな?

すき焼き肉は足りなかったら追加もOK。どうですこの見事なサシの入り方!これでも普及版価格なんですよ! 当たり前だが、歌舞伎町にあるような980円食べ放題というようなのとは比較にならない価格だが、米沢まで新幹線に乗ってくる価値は充分にあり。

メニューのシメは牛トロの握り。

さらに足らないとか抜かす輩には(わ、私じゃないっすよ!)残った割下で作るうどんや、ご覧のような牛丼もあり。いや、さすがにもういっぱいです!ごち!

2時間の2007年度宴会は終了し、各自交通費をもらって解散となる。本来ならば米坂線で新潟に出ようと思っていたのだが、帰りの上越新幹線がほとんど最終になってしまい、本日はちょっと早めに帰れなければならないので断念、とりあえず奥羽線で北上することにする。仙山線で仙台に出て夕飯に牛タンを食って帰ろうと思ったのだが・・・719系5000代の普通列車に乗って2駅目!

なぜか高畠駅で下車。参加メンバー中、銀色の電車にしか興味がない東急原理主義者がかつての山形交通高畠線の保存車両を見に行きたいなどと言うのだが、酒が入っておりレンタカーも借りられず、だいたい野外保存の車両群、私は昔見に行ったことがあるが、この大雪の中では完全に埋もれてしまって白いオブジェになっていることは目に見えているので、説得して断念させる。代わりにということで、駅から歩いて30分ほど、山形寄りの陸橋上から「つばさ」の撮影をすることになり、何もない雪道をひたすら歩く・・・死ぬほど寒いです・・・

歩行者がいることなど想定していない山形のド田舎で、歩道は推定1mの新雪で覆われていた。歩く場所といえば車道しかなく、時折大型トラックがすぐ脇を轟音を立てて追い抜いていく中、なんとか目当てのポイントに到着したが・・・ポジション確保のためにはひたすらラッセル!ラッセル! 先日、3年近く街履き共用で履いていたゴアのトレッキングシューズが完全に穴が開き、新しいのに変えたのだが、そのままだったら大変なことになっていた・・・毎日編み上げのハイカットのシューズを履くのは大げさだし結構面倒くさいのだが、こういう時には本当に威力を発揮!つま先でガンガン新雪を突き崩して、ガシガシ踏み固めて均して行く。ズボンの裾はビショビショになっても、靴の中にはまったく雪は入って来ず快適。
まあ、それはともかく・・・

1発目は下り列車のはずだったのが、徐々にダイヤが乱れ出したため上りに先に来られてしまい1本無駄にした後、交換駅を赤湯から高畠に変更して本来先に来るはずの下り列車がやってきた。雪はやんでいるけれど、新雪を巻き上げ雪煙にほとんど編成後部が見えなくなった400系が走り抜ける。

といっても、1時間ヘッドのため、新幹線列車はこれ1本を撮って、あと普通列車を撮った後撤収。高畠駅に戻ってきた頃には、すでに薄暗くなりかけていた。駅北側の踏切の所でラストの1枚。

かつて糠ノ目駅と称し、前述の山形交通高畠線が分岐していた高畠駅(映画「スウィングガールズ」の舞台)は、1992年の山形新在直通工事完成に合わせて駅舎を一新、「新幹線」列車停車駅にふさわしい?姿になった。また、この駅がユニークな存在としてテレビなどで良く取り上げられるのは・・・

駅舎に温泉施設「まほろば温泉太陽館」を併設しているためである。ホーム側から駅舎エントランスの、なんと駅名の上に輝く「太 陽 館」の文字を見よ! その奥にある窓口が温泉の入口である。アクセス0分どころか、温泉を出てから新幹線に乗るまで20歩も歩かない。というわけで、今日はもう仙台に出ることも諦め、大人しく来た道を戻ることにし、迎えの列車が車でゆっくり温泉に浸かることにする。

山形新幹線は、一部の超速達列車以外は各駅を選択停車するバリエーションの列車体系となっており、予定臨ながら幸運にも本日運転の高畠1818発のつばさ192号があったので、風呂から上がってそのまま新幹線に・・・という美しいパターンとすべく、1時間半ゆっくり風呂に入り温まる。とっぷりと日も暮れた頃、定刻で400系のつばさ192号到着。

行きの列車が指定席満員で、相変わらずの好調ぶりに驚いたので、念のため乗車直前に開いた窓口で指定を取っておいたのだが、今度は裏目に出てガラガラ・・・まあ、落ち着いた雰囲気なのでそれはそれで異存はなく、明日に備えて板谷峠越えの間中各方面にメールを打ちまくって、福島からは意識がなくなった。東京着は21時半近く、本日は23時過ぎには再び家を出なければいけない。慌ただしい2日間だなあオイ・・・